「プロ野球12球団合同トライアウト」(15日、マツダスタジアム)

 一際大きな拍手を浴びていた。前西武の木村昇吾内野手が、広島時代に本拠地としてプレーしたマツダスタジアムでトライアウトに臨んだ。1980年生まれの松坂世代。FA宣言からまさかのテスト入団。さらに育成契約、戦力外という経験を経て、再び新天地でのプレーを目指しての挑戦だった。

 4度の打席では右翼フェンス直撃の二塁打を放つなど4打数1安打で「凡打もいい内容のものもあった」。マツダスタジアムの客席から声援を送ってくれたファンには「ありがたかったし、やりやすかった」と感謝。「お世話になったグラウンドでしたし」と感慨深げに話した。

 02年度ドラフトで11巡目指名で横浜に入団。07年シーズン後、トレードで広島へ移り、15年シーズンオフにFA宣言。だが、獲得意思を表明する球団がなく、“行き場のない”状態となった。そんな木村昇に、西武が翌16年2月の春季キャンプで入団テストを行うことを発表。FA選手が入団テストを受けるという、極めて珍しいケースとなった。

 テストで合格を勝ち取り西武に入団。だが、6月に右膝前十字靱帯(じんたい)を断裂し、シーズン後に戦力外通告を受けた。11月に育成選手として再契約。背番号は0から121の3ケタとなる。今年6月に再び支配下登録選手となったが、今季は3試合で打率・167。戦力外を受けて再出発を目指すこととなった。

 今回参加した51選手の中では最年長となる37歳。それでも、まだ出来る自信がある。「膝も順調に回復していて動けている。このままでは終われない」。かつての本拠地で見せたプレーを復活への足がかりとしたい。