【内藤國雄・人生自在流3】(前編)

 先生からの質問に内藤少年は答えた。「腹の立つヤツの頭をバットで殴りにいく」。教室は騒然となった。

 小学校6年生の時だった。学校から「地球最後の日」という映画を鑑賞。惑星が飛来して地球に衝突するという内容のSFものだった。

 翌日の授業で先生が「明日、地球が爆発するとしたら、みんなどうするか?」と1人ずつに質問。「おいしいものを食べたい」という答えがほとんどだった。

 内藤少年に回ってきて答えたのが冒頭の言葉。これには先生もびっくりしたのは当然だろう。

 しかし、この過激発言が功を奏したのか、内藤少年へのいじめはそれ以降なくなった。

 家は薬局を営んでいた。終戦後、疎開先の滋賀県から元の神戸の春日野道商店街に戻った。

 当時、内藤少年は小学1年生。

 上に3人の兄がいて、ほかに一番上に姉、内藤少年の下に妹がいた。両親と総勢8人家族。「産めよ増やせよ」といわれた時代で、この程度の家族は珍しくなかった。

 小学校を卒業するまで、好きなことに次々と熱中した。まず珠算。わずか半年で2級に上がった。「あまりにも早い進級で、友達と通う時間が違うようになった」ため、そこでやめた。