【内藤國雄・人生自在流4】(前編)

 将棋に関心を持つようになったのは小学6年生のころ。3人の兄の影響を受けた。

 兄たちはプロのまねをして駒台付きの盤で正座しての対局。ただ、内藤少年は「弱くて、その仲間に入れてもらえなかった」そうだ。

 そこで夢中になったのが詰め将棋。これは相手がいなくても1人で楽しめる。

 「学校へ行く前に、詰め将棋の問題を記憶しておいて授業中、それを解いていった」

 ところが、夢中になりすぎて授業中、不意に先生から当てられると答えができず、廊下に立たされることがよくあった。

 「しかし、立たされると、もう先生から当てられる心配がないので安心して詰め将棋解きができた」。それほど没頭していた。

 貸し本屋行きは卒業して古本屋に通い始めると、ある日、見慣れない詰め将棋の本を見つけた。

 タイトルは「将棋図巧」。江戸の名人といわれる伊藤看寿が著した本だ。宝暦5(1755)年3月に江戸幕府に献上されたといわれている。

 「看寿は知る人ぞ知る詰め将棋創作の天才です。小学校時代の私は何も知らないで、その作品に出合った」