「また、いつものめんどくさいやつが始まった」といったところだろうか。

今月5日から12日まで北朝鮮の首都・平壌で行われた朝鮮労働党第8回大会。制裁、災害、コロナの三重苦に苛まれる北朝鮮国民は、経済再生、生活再建に向けた案が示されることを期待していたが、カビの生えたようなスローガンが繰り返されただけで、評判は散々だ。

党大会の後は貫徹決起大会、政治学習会など、党大会関連の行事が目白押しだが、当然のように住民は不満たらたらだ。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

平安北道(ピョンアンブクト)の幹部によると、中央の指示に基づき「党大会の思想と精神で武装するための住民対象集中学習資料」という内部文書が出され、幹部、党員、一般住民を対象にした集中学習が開かれている。

学習会の講師として現れた幹部は、おおむね次のようなことを述べた。

「党大会で示された経済発展5カ年計画の遂行のための課業をいかに進めるべきか検討する、党大会の決定事項に込められた思想と精神は体制保衛と関連した重大な問題」
「(計画を)達成してこそ、われわれが直面している経済的難関から抜け出せる」

難局を打開するには中央が特段の措置を取るしかないと多くの人がわかっているのに、原料、資材の国産化、再資源化(リサイクル)など自力更生一辺倒の内容で、一般住民はもちろん、幹部ですら不満の表情を隠しきれない様子だったという。

両江道(リャンガンド)の幹部も、現地で学習会が開かれたことを伝え、党員の責任、役割について強調し、党大会での決定事項をどう受け止め実行したかを5年後に総和(総括)するとの話に、幹部の間には緊張感が漂ったとも伝えた。

一方、学習会への参加を強いられ、きちんと参加しているかチェックを受けている一般住民の間では、市場にも出られず生計を立てるための商売に支障が生じているとして、不満がたまりつつある。

さらに、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の幹部は、党大会後に工場、企業所、機関、学校、人民班(町内会)ごとに、党大会決定貫徹のための住民決起大会が開かれ、生活に支障が出ていると不満が鬱積していると現地の状況を伝えた。

この手の政治学習や集会は、通常レベルのものなら幹部にワイロを渡して出席扱いにしてもらったり、事前に口裏を合わせて相互批判のレベルを調整したりなど、かなり以前から形骸化が指摘されている。しかし今回は、金正恩総書記の発言を含めた内容を学ぶ学習会だけあって、下手に欠席すると政治犯に問われかねないだろう。