北朝鮮当局は、金正恩総書記が最高司令官に推戴された記念日(12月30日)を控え、政権発足10周年を記念した特別配給を住民に対して行うと、デイリーNK内部情報筋が伝えた。

内閣は、各地域の人民委員会(市役所、区役所)に対して、食料品、生活必需品を配給することにしたとして、穀物、調味料、肉類、海産物、キャンディ、石鹸などを準備せよとの指示を下した。

北朝鮮は今月初め、首都・平壌の住民に対して3カ月分という破格の食糧配給を行い、地方の住民に対しても配給を行っているが、さらにもう一度配給を行うようだ。

今回の配給品調達の指示は、地方政府に出されたため、実際に住民が受け取る品物は地域ごとに大きな差が出るものと見られる。

平壌市の場合、コメ、調味料、豚肉、ハタハタ、砂糖、石鹸など、内閣が指示した品目をすべて調達できたと伝えられている。

普通江(ポトンガン)、西城(ソソン)など平壌市内中心部の区域の人民委員会は、住民に対して、1世帯あたり5000北朝鮮ウォン(約120円)から6000北朝鮮ウォン(約132円)を準備せよとの指示を下した。コメ1キロほどの金額と引き換えに、市場価格より大幅に安い国定価格で、様々な品物を有償配給するということだ。

情報筋は、2012年の太陽節(4月15日の金日成主席生誕記念日)100周年のとき、1800北朝鮮ウォン(当時のレートで約35円)と引き換えにコメ、もち米、油、砂糖、ハタハタ、下着など様々な品物を受け取ったと思い起こし、「名節(お祝いの日)の配給なのだから、5000北朝鮮ウォンを準備せよということは、それだけ多くの物をくれるということではないか」と期待をのぞかせた。

しかし、期待通りに行くかは未知数だ。2012年と比べて、物価や経済事情が大きく異なり、コロナ鎖国下で自由に輸入もできないため、5000北朝鮮ウォンくらいではさほど多くの品物は受け取れないのではないかという見方も示されている。

「贈り物政治」が基本となっている北朝鮮では、国民は配給があるというと非常に期待する。その噂が噂を呼び、期待が高まるも、実際に配給されたものが期待以下の内容で、逆に落胆と反発を招くということが過去にもあった。

配給とは別に、休日に関する指示も下されている。国防省と軍関係の機関では、昨年も12月30日を休日としたが、今年は一部の工場、企業所でも休日とするという通知が下されている。

また、北朝鮮で重要視される「整周年」(5や10で割り切れる年)だけあって、国を挙げてのお祝いの雰囲気を高めるために、思想学習など様々な行事が行われると、情報筋は伝えた。