韓国軍合同参謀本部は5日、北朝鮮が同日午前9時8分ごろから9時43分ごろにかけて、平壌の順安(スナン)などから朝鮮半島東の海上に向け、短距離弾道ミサイル8発を発射したと明らかにした。北朝鮮が、弾道ミサイル8発を一度に発射したのは初めてだ。

北朝鮮は先月25日にも、弾道ミサイル3発を発射した。これに対し、北朝鮮国民から怨嗟の声が上がっているとデイリーNKの現地情報筋が伝えている。

両江道(リャンガンド)の消息筋によると、25日の弾道ミサイル発射のニュースは中国との国境地帯を中心に、広範に伝播している。北朝鮮当局はこのミサイル発射を公表していないが、比較的外部との接触のある北部国境地域では、当該ニュースを知る住民が少なくないという。

そして、新型コロナウイルスの感染拡大の中、医薬品が不足し、ロックダウンに伴う食糧難までが深刻化する状況下、高価なミサイルをぶっ放したことに住民らは反発する雰囲気だという。

情報筋は「最近では餓死があちこちで発生しているのに、政府は住民の生活安定には関心もない」としながら、「このような状況下でミサイルを発射したことを、誰が肯定的に受け止めるだろうか」と指摘した。

北朝鮮では、ロックダウンで市場の運営が統制され、食べ物を確保できない人々が増えている。だからといって防疫規定を破れば厳罰が待っている。

情報筋は「実際、恵山市中心から少し離れた連峰洞(リョンボンドン)、馬山洞(マサンドン)などで餓死者が発生している」とし、「ひとつの人民班(町内会)で3人以上の死亡者が発生した事例もあり、住民の不安感はますます大きくなっているのが実情」だと話した。

さらに「もはや『アメリカと渡り合うにはミサイルと核を保有しなければならない』という当局の宣伝が通じた時代は過ぎ去った」とし、「庶民の中には『食べることができなくて人々が死んでいくのに、ミサイルを100発撃ったからと何の役に立つだろう』という反応を見せる人々が多い」と付け加えた。