北朝鮮当局が最近、凶器を使用した犯罪が増えることと関連し、司法機関に住民に対する思想教育の強化を指示したと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)のある司法関係者はRFAに対し、「最近、生命に直接脅威を与える刃物をはじめとする凶器を使った犯罪行為が増えていることと関連して、社会安全省(警察庁)の指示が8月29日付で全国の社会安全機関に下された」としながら、「指示文には凶器使用犯罪に対する警戒心を高める思想教育を強化せよとの内容が含まれている」と明らかにした。

情報筋は「新型コロナの発生後、数年間にわたって経済状況が悪化し、しばらく目立たなかった凶悪犯罪が再び顕在化し始めた」とし、「特に凶器を振り回す犯罪が増えたことと関連して、社会安全省は緊急対策を講じる意味で、住民への思想教育方針を下達したものと聞いている」と述べている。

北朝鮮では1990年代の大飢饉「苦難の行軍」に際して治安が悪化したが、食糧事情が落ち着くとともに犯罪も減少したと思われる。また、2009年のデノミ失敗に際しても社会が混乱したが、その後に短期間ながら経済成長が続き、治安は落ち着きを取り戻していたものと見られる。

しかし、核・弾道ミサイル実験の強行が国際社会の制裁強化を招き、さらには新型コロナ対策の国境封鎖が経済難を深刻化させるに至り、治安はまたもや悪化に向かっているということだ。

さらにこの情報筋は、「8月初め、清津(チョンジン)市である夫婦と金銭トラブルになっていた男が口論のさなか、相手の夫をあらかじめ準備した刃物で刺殺し、止めに入った妻にもケガを負わせた」と、身近で発生した事例を紹介。

続けて「地域の司法機関は管内で犯罪を起こす恐れのある『危険人物』を把握する作業とともに、犯罪発生時に直ちに通報する体系を強化している」と話しました。
また、「住民向けの講演会では、人命殺傷用の凶器を作ったり販売したりする行為や、所持して外出すること自体が社会の政治的安定を破壊する危険行為だということについて徹底的に認識するようを強調されている」とし、「今後は刃渡りが7cm以上の刃物を所持していて摘発された場合、虞(ぐ)犯者に分類され、労働鍛錬隊のような拘禁施設に送られることになる」と付け加えた。