「十二三千里平野」と呼ばれる穀倉地帯を抱える、北朝鮮の平安南道(ピョンアンナムド)。国営の朝鮮中央通信は、他の地域での秋の収穫が終わったと報じているが、平安南道に関しては同様の報道は今のところなく、金徳訓(キム・ドックン)内閣総理が視察を行ったと伝えられただけだ。

そんな中、収穫量が国家計画(ノルマ)の半分にも満たなかったとの情報が伝わってきている。これはコメやトウモロコシに関するものだが、それに先立って収穫が行われた大麦、小麦の量も激減している。これについて、当局は検閲(監査)に乗り出した。

現地のデイリーNK内部情報筋によると、内閣農業委員会は、大麦と小麦の生産計画を決められたとおりに達成できず、他の道に比べてもひどい有様の平安南道に対する検閲に乗り出した。

内閣農業委員会が平安南道農村経理委員会に下した文書では、今年の大麦・小麦の計画遂行を総和(総括)して、今から来年に向けた準備をしっかりすることに検閲の重点が置かれていると記されている。

検閲は先月25日から始まり、協同農場の管理委員会に対して、決められた通りの面積に植えたのか、きちんと世話をして収穫したのかなどについて集団・個人談話(聞き取り調査)を行っている。

その結果、計画で決められた面積を満たしていなかったことが徐々に明らかになり、内閣農業委員会は、表面化した現象を総合し、政府や朝鮮労働党の営農指針をきちんと実行しなかったことについて、農場のイルクン(幹部)が思想的に問題があるためと結論づけると見られている。

ただ、計画や指針の通りに実行できなかった実際の理由について情報筋は言及していない。近年、肥料や営農資材が手に入らないという問題に加え、自然災害が頻発していることも関係している可能性がある。

内閣農業委員会は、他の道でも概ね同じような状況となっていると見て、今回の検閲の結果を教訓として、共有、適用する事業を模索しているとのことだ。