9月25日、北朝鮮と中国を結ぶ国際貨物列車の運行が再開された。当初は住宅建設に使う資材や医薬品が主な積荷だったが、最近では食料品に変わりつつある。

中央の高位幹部が、冬の間に食べるキムチを大量に漬ける「キムジャン」を行うに必要な食材を輸入したものと見られているが、それらが市場に市場に流通するようになり、北朝鮮の物価が「革命的に」下がりつつある。

デイリーNKの内部情報筋によると、中国製の大豆油1キロが、首都・平壌の市場で2万8000北朝鮮ウォンで売られていたのは先月中旬のこと。それが先月30日以降、2万3000北朝鮮ウォンまで下がった。(1000北朝鮮ウォンは約18円)

平壌市民の間では「ここ数年で、市場の売台(ワゴン)にこんなに多くの大豆油が並べられたのは見たことがない」との話が出回るほど、大量の大豆油が流通している。肉の摂取量が少ない北朝鮮の一般国民は、脂肪分を油から摂るため、価格が下がれば大量に買いだめする傾向がある。

一方、コロナによる国境封鎖で品薄となっていた中国産の砂糖は、1キロ2万5000〜2万8000北朝鮮ウォンだったのが、2万2000北朝鮮ウォンまで下がった。

また、1キロが2万北朝鮮ウォンに達していた中国製のコチュジャン、1万5000北朝鮮ウォンだった味噌は、それぞれ5割近く値下がりした。市民の間からは「コチュジャン、味噌の価格が革命的に下がった」との声が上がっている。

なお、食料品が市場に大量入荷した理由についてはわかっていない。

その一方で、穀物価格に大きな変動はない。コメ価格は先月30日の時点で1キロ5840北朝鮮ウォンだったが、2週間前と比べて30北朝鮮ウォン下がっただけだ。トウモロコシも2770北朝鮮ウォンだったものが、2750北朝鮮ウォンに下がったに過ぎない。

例年のこの時期には、収穫されたばかりの穀物が大量に売りに出され、価格が下落するが、今年は不作と穀物類の不正流通に対する取り締まりが強化されたことなどが影響してか、価格はほぼ横ばいだ。

北部山間地の両江道(リャンガンド)では、ジャガイモが大量に入荷した影響を受け、トウモロコシ価格が下落している。数年前まで、貧困層でなければ食べようとしなかったジャガイモ入りのごはんだが、食糧難の今では比較的豊かな人々も手を出すようになっている。