ロシアメディアは、今月2日から北朝鮮とロシアを結ぶ貨物列車の運行が再開されたと報じた。また、米ジョンズ・ホプキンス大学の北朝鮮分析サイト「38ノース」は、今月4日に両国を往復する形で貨物列車の運行が再開されたと報じた。貨物列車には何が積まれていたのだろうか。デイリーNK内部情報筋が詳しく説明した。

北朝鮮が貨物列車でロシアから取り寄せたのは小麦、食用油、チーズ、バターなどの食料品、そしてガソリン、軽油、LPガスなどの燃料だ。

小麦は、国家糧政事業所に運び込まれた。北朝鮮は今年7月末、ロシアから船舶を使って小麦を取り寄せるなど、小麦の輸入を続けていた。

金正恩総書記は昨年9月の最高人民会議第14期第5回会議での施政演説で、小麦栽培面積を2倍以上に増やし、人民の食生活を改善すべきだと強調したが、結局小麦は不作に終わった。小麦の輸入はこの不作の穴埋めである可能性が考えられる。

一方で注目すべきは、食用油の輸入だ。情報筋によると、北朝鮮は今までロシアから食用油を輸入したことはなかった。ちなみに今回輸入されたのは、透明なプラスチックボトルに入った4.5キロのものだが、ラベルが貼られておらず、いつどこで、何を原料に作られたのか全くわからないという。

北朝鮮は輸入品のラベルを貼り替えるなどして、国産品であるかのように「産地偽装」してきたことから、今回の食用油も、そのような目的で輸入された可能性が考えられる。

一方、チーズやバターも輸入されたが、質の良いものではなかったという。これらはすべて朝鮮人民軍(北朝鮮軍)に供給される。末端の兵士の間では、白米にバターを載せた「バターご飯」が非常に人気があるとのことだ。

燃料は、今年9月にも船舶で相当量が輸入されているが、今回貨物列車で輸入されたのは、その多くが軽油で、ガソリンやLPガスは少量だったとのことだ。

貨物列車は北朝鮮とロシアを往復しているが、羅先(ラソン)駅発ロシアのハサン行きの貨物列車には何も積まれていなかったという。

今まで、国際社会の監視の目を避けるために、船舶を使った輸入が続けられてきたが、今回、貨物列車の運行が再開したことについて、北朝鮮国内では「列車を使ったロシアへの労働者派遣を準備しているのではないか」との声も上がっているとのことだ。

北朝鮮は、ロシアやその占領下にあるウクライナのドンバスに派遣する労働者の選抜を国内で進め、派遣準備が完了していると、別の情報筋が伝えている。