大卒プロ2年目のDF井筒陸也が輝きを放っている。関西学院大学出身、4年時にはキャプテンを務めて全日本大学選手権、総理大臣杯、関西学生リーグ、関西学生選手権の全タイトルを制して四冠を達成。

 徳島ヴォルティスと初めての縁はひょんなことだった。小林伸二監督(現・清水エスパルス監督)が指揮している時代、不足していた練習試合のメンバー要因としてやってきた。その縁が広がり、4年時には関西学院大学の選手数人とともにトップチームに練習参加。多くの縁に導かれるようにして、16年にプロ入りを果たした。

 しかし、プロ初年度の公式戦出場は天皇杯のみ。それでも淡々と練習しているように見えたが、実のところは強い思いを秘めて日々を過ごしていた。

 冷静沈着、一喜一憂せずに感情をコントロールして平常心を保つタイプ。だが、今季はその感情との向き合い方を変えようとしている姿がうかがえた。そう感じたのが、練習初日となった1月11日。練習後、記者のもとへも律義に新年のあいさつで足を運んでくれた。「見ていてください。今年はやるんで」(井筒)。新年のあいさつに、一言そう加えた。

 その言葉が結果として表れ始めている。第11節・福岡戦(2○1)で初めてベンチ入りを果たすと、第14節・金沢戦(1△1)で先発としてJリーグデビュー。その後もコンスタントに先発出場を続けると、第22節・名古屋戦(2○0)ではCKのチャンスからJリーグ初得点を挙げてチームの勝利に大きく貢献した。

 ラッキーボーイ誕生。試合後に友人からたくさんのお祝いコメントが寄せられたそうだが、初得点を祝う言葉よりも「得点後にチームメートが集まってくる姿を見て、みんなに愛されてるのが確認できて良かったという内容の方が多かったです(笑)」(井筒)。学生時代だけで何百冊と本を読みあさった文学少年の井筒。ちょっとしたコメントにも洒落(しゃれ)が効いている。(スポーツライター・柏原敬)