2015年8月の就任から2度目の夏の大会で、母校・三本松を24年ぶりの夏の甲子園へ導いた。

 7月23日、丸亀城西との決勝は7−1で完勝。試合後、選手から胴上げされた日下監督は「選手たちの練習への取り組みが素晴らしかった。私も脱帽です」と頼もしそうにナインをみつめていた。

 県内ナンバーワンと呼ばれるエース右腕・佐藤圭悟投手(3年)がチームの中心。打線も上位から下位まで切れ目がなく、攻守のバランスがいい。「運動の基本はランニング。走ることを嫌がらないチームにしたい」と普段の練習から走り込みを重視。地道な努力で培われた選手たちの強じんな体力が、真夏の連戦を勝ち抜く原動力となった。

 高校時代は捕手で、3年時には主将を務めたが甲子園には届かなかった。順大に進み教員免許を取得したが、卒業後は独立リーグのBCリーグに進み、石川ミリオンスターズと新潟アルビレックスで計4年間プレーした。

 独立リーグではほとんどの選手がNPB入りを目指す中、日下監督は「NPBに行きたいとは全く思ってなかった。僕は指導者になりたくて、いろんな野球を見ておきたかった」と振り返る。この4年間で痛感したのは「基本練習の反復が大事だということ」。現役を引退したあと教員として故郷に戻り、14年4月に三本松に赴任。最初はコーチとして、そして一昨年8月から監督として、自らの知識と経験を母校野球部の後輩たちに注ぎ込んできた。

 「理想は明徳義塾さんの野球」と言う。「守備がしっかりしていて、隙がない。そういうチームをつくりたいですね」。指揮官の思い描く理想の姿に、今年のチームは一歩一歩近づいてきた。

 三本松は春夏合わせて4度目の甲子園出場。過去3度はいずれも初戦敗退だった。「まずは1勝して校歌を歌いたい」。甲子園でも選手たちを信じ、迷いなく采配を振る。



 日下広太(くさか・こうた)1984年4月14日生まれ、33歳。香川県出身。三本松から順大に進み、卒業後はBCリーグの石川、新潟でプレー。引退後は教員となり、11年から中学講師、養護学校勤務などを経て14年春に三本松に赴任。15年8月から野球部監督。家族は妻、1女。