昨年4月に新野と阿南工が統合されて誕生した阿南光が、現校名の単独チームとして初めて夏の徳島大会(7月13日開幕)に挑む。新野、徳島商を率いて計6度の甲子園出場経験がある中山寿人監督(57)の指導の下、「守り勝つ野球」を掲げて春の県大会ではベスト8入り。同じ阿南市内にあるライバル校で、今春センバツに出場した富岡西の活躍からも刺激を受け、1年目で甲子園出場を狙う。

 「阿南光」として挑む初めての夏。校名のように、輝く第一歩を記したい。徳島大会に向けて練習に励むナインを見つめながら、中山監督は「この夏、阿南光の土台をつくろうと選手たちに話しています。そのためには、甲子園に行くのが一番ですね」と言葉に力を込めた。

 昨年4月に新野と阿南工が統合して「阿南光」が誕生した。新野は中山監督が率いた92年春に甲子園初出場。96年には夏の甲子園でベスト8に進出し、「ミラクル新野」と呼ばれた。その伝統を引き継ぎ、阿南光ナインもタテジマのユニホームを身にまとう。

 統合直後の昨夏の徳島大会には、単独チームの「新野」と、連合チームの「阿南工・阿南光」に分かれて出場した。大会後の7月末に合同練習を開始。最初は両校の伝統や練習方法の違いに戸惑いはあったが、「中山監督に教えてもらったり、みんなで話し合ったりして、チームは一つになった」と阿南工出身の成松佑馬主将(3年)は振り返る。

 現在部員は41人。統合前の最後の世代となる3年生は25人で、新野出身が8人、阿南工出身が17人。統合後に入学した2年生は10人、1年生は6人で、全員が力を合わせて野球部の新たな歴史をつくっている。

 「守り勝つ野球」をテーマに掲げ、今春の徳島大会では8強入りした。エース右腕・数藤雄投手(3年)は右スリークオーターから緩急をつけた投球で相手打者を打ち取る。課題は打線のパワー不足。夏の大会までに各打者がバットを振り込み、打力向上を目指す。

 今春には、同じ阿南市内にある富岡西が21世紀枠でセンバツに初出場。優勝した東邦(愛知)と接戦を演じるなど注目を集めた。学校も数百メートルの距離にあり、定期的に練習試合を行う間柄。選手もほとんどが顔見知りだ。

 4番・河野太郎外野手(3年)は、富岡西のエース・浮橋と同じ阿南一中出身で、野球部で一緒にプレーして全国大会3位の実績を残した。「センバツは富岡西に頑張ってほしいという気持ちと、悔しさの両方があった」と振り返り、「夏は自分たちが甲子園に行くんだ、という気持ちにさせられた」と意気込む。

 ライバル校から刺激を受け、「1年目で甲子園に行けたらかっこいい」とエース・数藤。チームはさらに結束を強め、初めての夏に乗り込む。