「不沈艦」スタン・ハンセン。「インドの狂虎」タイガー・ジェットシン。近年は「英国の若き匠」ザック・セーバー・ジュニア……。

 「おい、それは全部プロレスラーやん!」という読者の皆さまからのツッコミは甘んじて受け入れつつ(笑)、日本人は昭和の世からこのように競技を問わず外国人選手に対し、印象的なフレーズを付けてきた。

 「フレーズ」により、たとえ映像越しであっても近づく選手とファンとの距離感。その絶大なる効果は、歴代の外国人選手たちが日本を長らく愛してくれていることから見ても明らかである。

 ここで今治に話を戻そう。気付けば近年、チーム内の国際化は著しい。「リーガ・エスパニョーラを知る闘将」リュイス監督はもちろんのこと、最終ラインには「ソウルが生んだ魂CB」韓国人DFのチョン・ハンチョル。前線には「万能ゴールハンター」ブラジル人FWのレオ・ミネイロ。そしてJ3デビュー戦でいきなりゴールを奪ってみせた「ギニアピサウからの熱い風」FWバルデマール。世界的な海事都市・今治市をホームタウンにするクラブらしい外国人たちの競演は「サッカーは世界だ」という言葉を地で行っている。

 加えて最も国際化を感じさせる選手も3月26日、バルデマールと共に今治に加入した。「私の目標はこのチームをJ1に上げること」と語るパナマ代表経験も持つDFオスカル・リントン。28歳。チームの弱点をピンポイントで補う左利き、185センチのCBは、1977年に首都・パナマ市と姉妹都市提携を結び、いまや「今治の海洋会社が持つ船舶の大半がパナマ船籍ですし、パナマは友だちのような関係」(徳永繁樹今治市長)である今治市にも、待ち望んだ懸け橋だ。

 よって4月26日に設定された今治市への表敬訪問も終始和やかな雰囲気に。特に「自分も高校までサッカーをプレーしていた」というパナマ共和国のビクトル・アルメンゴール在神戸総領事は「(札幌やC大阪などでもプレーした)パナマのベストプレーヤー、FWホルヘ・デリー・バルデスのようなレベルになってほしい」と大きな期待を寄せた。

 まさに「パナマと今治を守る男」オスカル・リントン。彼を含む外国人たちが「フレーズ通り」の活躍をしてくれれば、今治がJ3、2年目のつまずきから巻き返すことは決して難しいことではないだろう。(スポーツライター寺下友徳)