“緑のローソン”ことローソンストア100に、ここのところ元気がない。最盛期の2012年には1224店だった店舗数は、現在685店舗(9月時点)と約半分に。特に今年2月と3月に閉店の勢いは増し、それぞれ22店、36店を閉じている。一体、何が起きているのか。

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 ローソンストア100は、2007年に株式会社ローソンが「SHOP99」の運営会社と業務提携したことにルーツを持つ。店内には看板通りの「100円」食料品や日用品ほか、100円を超える弁当や、分かりにくいパッケージが物議をかもしたローソンのPB総菜も並ぶ。これらに加え野菜や肉などの生鮮も販売されているのが、特長と言えるだろうか。

「新浪剛史さんがローソン代表を務めていた時は、『おにぎりのブランド化』『日本郵政との提携』そして『SHOP99の買収』が世間の注目を集めました。ただ、言ってしまえば、おにぎりの強化はバイヤーの仕事ですし、郵政との提携も後々メールにとって代わられるサービスですから、当時も今もあまり評価はされなかったように思います。それに比べ、100円ローソンをスタートさせたことは、コンビニ業界の新しい風だと期待されていましたね」(流通関係者)

 流通専門誌『激流』は11月号で〈元祖没落 三菱商事も手を引いたローソンストア100の窮状〉との記事を掲載。今年7月の動きとして、ローソンストア100における冷凍食品などの取り扱いが、グループの親会社・三菱商事から、加藤産業に代わったと報じている。親会社までもローソンストア100を見放した、ということになる。

「しかも、ローソンストア100の現社長は三菱商事出身なのに……という話ですね。ただ、この一件はそこまで意味はないのでは。700店舗もないローソンストア100に、低マージンの100円商品を納めるビジネスでは割に合わないと三菱商事が思っていたところへ、加藤産業が代わりに手を挙げたというだけのこと。経営上の判断でしょう。とはいえ〈前期末は七億五九〇〇万円の営業損失で、三期連続の営業赤字〉〈前期は一三億四五〇〇万円の営業赤字〉というのは紛れもない事実ですから、厳しい経営状態にあることは間違いありません」(同)

“帯に短しタスキに長し”

 なぜ、ローソンストア100は苦戦しているのか。元ローソンのバイヤーで流通アナリストの渡辺広明氏は“帯に短しタスキに長し”的な状況を指摘する。

「生鮮食品を含めた食品の品揃えは、『まいばすけっと』などのミニスーパーの方が豊富です。しかもローソンストア100は『100円』にこだわりを見せる価格設定であるのに対し、ミニスーパーは納豆なら納豆、豆腐なら豆腐と、商品カテゴリ毎の安値設定をしています。だから120円の商品もあれば60円の商品も棚に並ぶわけですが、結果的に消費者がお得に買い物できるという点では、ミニスーパーに分があるでしょう。一方、100円ショップ的に利用するとなると、『ダイソー』のような圧倒的な品ぞろえが求められます。ローソンストア100ではもの足りなくなるわけです」

 もっとも、毎年話題になる『100円おせち』や『やきいも』など、ならではの魅力的な商品もあると渡辺氏は評価する。

「『氷』のコストパフォーマンスもスーパーなどより高く、100円で1キロ超の袋パックが購入できます。こうした点は、ローソンで培ったバイヤーの開発力などが活きているように思います。実際、ローソンの本体と合わせ、現在『鬼滅の刃』のキャンペーンを実施できているのも、グループのブランド力があってこそ。ただ、良い商品があっても、ローソンストア100の経営を成り立たせるキラーコンテンツになり得ていないということですね」

 今後、ローソンストア100が盛り返す方法はあるのか。

「結局のところ、商品開発力は店舗数に直結します。日用品で勝負するには、大展開している他の100円ショップには叶わないでしょう。ですから、狙うべきは格安スーパー路線ですね。現状、ミニスーパーは、お総菜や弁当のクオリティが、コンビニほど高くありません。中食の分野が弱いのです。そこでローソンストア100は、ローソンの力を使い、弁当や総菜、サンドイッチやデザートなどをもっと強化し、“お弁当も美味しいミニスーパー”の方向で勝負してはどうかと思いますね」

週刊新潮WEB取材班

2020年10月26日 掲載