現在放送中の「3年A組−今から皆さんは、人質です−」(日本テレビ系)は、菅田将暉が民放プライム帯で初主演をつとめる学園ドラマ――といっても、前クールの「今日から俺は!!」だって、ただの“学園モノ”ではない。担任教師(菅田)が自分のクラスの生徒を人質に取って教室に立てこもるという過激な内容である。

 そのヒロイン(学級委員)が永野芽郁(19)で、昨年前期のNHK朝ドラ「半分、青い。」の主人公を演じて以来の連ドラ出演となる。スターへの登竜門と言われる朝ドラだが、最近は、朝ドラの主人公を務めたからといって、その後、女優として大成するわけではない。果たして永野はどうなるのか――。

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 永野は「半分、青い。」のヒロインオーディションでは、初参加ながら応募者2366人の中から選ばれた。昨年4月2日〜9月29日まで放送され、平均視聴率は21.1%とまずまずの成績だった。これだけの人々に毎朝見られているのだから、スターへの登竜門と言われるのも頷ける。近年では、朝ドラが終了してすぐに民放のドラマに出演することが多いのだが、なぜか1月6日スタートの「3年A組」まで1クールの間を開けた。

「事務所もタレントの売り出し方を考えているんですよ。このところ、朝ドラヒロインからスターと呼べる人材が出ていませんからね」(芸能関係者)

 いやいや、「花子とアン」の吉高由里子や「ひよっこ」の有村架純だっているではないか。

「現在の放送中の『まんぷく』の安藤サクラもそうですが、彼女たちはみな、オーディションなしで朝ドラのヒロインになっています。朝ドラ以前から、ある程度、実績のある女優たちです。最近のヒロインたちの“その後”を見てみたらいいですよ、『近頃見ないな』という子もいますから」(同)

 現在、バラエティでぶっちゃけキャラとして復活した夏菜は、朝ドラ終了後すぐに「ダブルス〜二人の刑事」(テレビ朝日系)のヒロインとして出演したが、しかし、その後は単発ドラマばかりとなって、一時、女優としては消えていた。

 のんは、アニメ映画「この世界の片隅に」の大ヒットがあるが、これは声優として。芸名を変えざるを得なくなったのはご存知だろう。

「のんは『あまちゃん』の後、なかなか連ドラの仕事を入れなかったので、『安堂ロイド〜A.I. knows LOVE?〜』(TBS系)のキムタク妹役のオファーを断ったなんてデマが流れたほどでした。当時、彼女の事務所は、しばらくドラマには出演させず、ファンの飢餓感を煽る戦略だったといわれています」(同)

 あまりに間を開けるのもよくないようだ。

死屍累々の朝ドラ女優

「マッサン」終了後のシャーロット・ケイト・フォックスは、NHK-BSや単発ドラマに出演していたが、民放の連ドラに出たのは約1年後。「OUR HOUSE」(フジテレビ系)で芦田愛菜とのW主演を果たすも、平均視聴率4.51%と結果は散々で、その後、彼女を主演にしたドラマはない。

 波瑠は、朝ドラ後すぐに、嵐のリーダー大野智主演の「世界一難しい恋」(日本テレビ系)でヒロインを務め、順調なスタートを切った。この勢いを止めるなとばかりに間髪入れず「ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子」(フジテレビ系)で主演を張るが、視聴率は1ケタに――。

 芳根京子も朝ドラ終了直後に、日曜劇場「小さな巨人」(TBS系)に抜擢されますが、男のドラマだけに、あまりスポットが当たらなかった。そして2クールを開けてスタートした「海月姫」(フジテレビ系)に主役で出演。平均視聴率6.1%という“月9”史上ワーストの記録はいまだに破られていない。

 葵わかなも朝ドラ後すぐ、「ブラックペアン」(TBS系)のヒロインに納まるが、話題は主演の二宮和也と趣里に持って行かれた。その後は単発ばかりで連ドラからは離れている。

「オーディションを勝ち抜いた朝ドラヒのロインで成功例と見ていいのは、土屋太鳳と高畑充希くらいでしょう。土屋も朝ドラが終わってすぐに、日曜劇場『下町ロケット』(TBS系)が決まります。これも男のドラマでしたが、ラッキーだったのは主演の阿部寛の娘役だったので、彼女にもスポットが当てられていました。そしてここからの売り方が面白いのですが、連ドラ後の最初の1年は次の連ドラまで必ず1クール開けたんです。その間は、単発ドラマや映画、CM、バラエティなどに出たりしているので、ずーっとテレビに出続けているように見えるんですね。そして昨年の『チア☆ダン』(TBS系)ではプライム帯で初めて主演を務めた。朝ドラが終わってから3年近くが過ぎてからでした」(同)

 半年間も同じ役で見続けられる朝ドラだけに、そのイメージを払拭するのは大変だとはよく言われることだが……。

「高畑充希の場合は、朝ドラ直前に連ドラに出演していましたし、中堅と言ってもいい女優ですが、彼女ですら主演ドラマ『過保護のカホコ』(日本テレビ系)は朝ドラの後3クールも間を開けています。朝ドラが終わったからといって、何でもかんでもドラマに出続ければいいというものではありません。焦らずに脇役でいろいろな役をこなしつつ、タイミングを見て主演に挑むというのが、いいやり方のように思いますね」(同)

 そこへいくと、永野は「半分、青い。」が終了してから1クール休んでいる。しかも主演ではなく、ヒロインだ。主演の菅田将暉とは、映画「帝一の國」でも組んでいるから気心も知れている。

「これも事務所が考えてのことでしょうね。これまでの朝ドラ女優の行く末を見すえての判断、主役はまだ先と考えてのことだろうと思います。焦らなくても、ギャラは“朝ドラ女優”ということで確実に上がっていますし、それよりも脇で演技を学び、朝ドラヒロインのイメージをゆっくり消していくつもりでしょう」(同)

 果たして新たな成功例となるか。

週刊新潮WEB取材班

2019年2月3日 掲載