2003年放映の「冬のソナタ」から始まった“韓流ブーム”は現在、韓国アイドルが注目されて第3のブームになっているという。日本の男性歌手に比べるとダンス、ルックス、歌唱力、すべてにおいてレベルが違うというのが人気の背景にあるそうだ。ところが、

「いやいや、ルックスも歌唱力も共に秀でた男性歌手が出てきていますよ。熱狂的女性ファンがついていて、韓流にも負けていません」(音楽事務所関係者)

 歌手といっても、こちらは演歌である。2000年に氷川きよしがデビューして一世を風靡したが、氷川のようなイケメン演歌歌手が続々登場、人気なのだという。

 令和の初日となる5月1日にシングルCD「離さない 離さない」をリリースしてデビューを果たしたのは、新浜レオン(23)。身長180センチ。高校時代は野球部に所属し、キャッチャーを務めた。大東文化大学に進学し、「ミスター大東コンテスト2017」でグランプリを受賞した、本格派イケメンなのである。

「彼の父親は、『伯方の塩』のCMに出演した演歌歌手の高城靖雄ですから血筋もいい。事務所は、B‘zが所属しているビーイングです。これまで演歌部門はなかったのですが、わざわざ海峡レコードという演歌専門レーベルを設けました。かなり力を注ぎ込んでいますよ」(同)

 5月13日には、オリコン週間ランキングの演歌・歌謡部門で1位を獲得した。

 6月26日にシングル「銀次郎 旅ガラス」をリリースするのは、細川たかしの弟子、彩青(りゅうせい/16)だ。北海道出身で、5歳から民謡、7歳で津軽三味線を始め、細川たかしに師事したのは11歳の時で、尺八も本格的に演奏するようになった。

「日本郷土民謡民舞協会の青少年みんよう全国大会・小学生日本一、民謡民舞少年少女全国大会中学生日本一決定戦で優勝するなど、数々の民謡全国大会を制覇した実力派です。5月20日、都内で細川の新曲『冬嵐』の発売イベントがありましたが、そこで彩青をお披露目。細川は、俺の後を継げると高く評価していました」(同)

 こちらもすぐにブレイクしそうな勢いなのである。

「すでにデビューを果たしたイケメン演歌歌手も粒ぞろいです。2017年1月『青いダイヤモンド』でデビューした中澤卓也(23)は、2013年の新潟県長岡市の『NHKのど自慢』でチャンピオンになり、日本クラウンからスカウトされましたが、デビューした年に日本レコード大賞新人賞、日本有線大賞・有線奨励賞、日本ゴールドディスク大賞ではベスト・演歌/歌謡曲ニューアーティスト賞と、タイトルを総なめにしている。また、『下町純情』で昨年1月にデビューした辰巳ゆうと(21)は、まだ現役の大学生ですが、日本レコード大賞で最優秀新人賞に輝いています」(同)

「演歌男子。」

 若手イケメン演歌歌手ブームのきっかけとなったのは、2014年1月12日からスタートしたCS放送歌謡ポップスチャンネルの「演歌男子。」だ。演歌男子の定義は、抜群の歌唱力に加え、端正な容姿、ユニークなキャラクターとなっている。若手演歌歌手3人がカフェでフリートークするバラエティ番組。

「イケメン演歌歌手がいないと、うちは潰れていました」

 と語るのは、東京・浅草の演歌専門のレコード店「音のヨーロー堂」4代目店長・松永好司氏。

「『演歌男子。』のプロデューサーは、石田翼さんというモデルのような女性なのですが、彼女は演歌のことはほとんど知らなかったのですよ。でも、歌手たちをみると、みんなイケメンじゃんということで、ビジュアルからいってみようということになった。今までの演歌では考えられない発想でした。イケメン歌手たちはカメラ目線で、彼女に語りかけるかのように、自分の趣味とかプライベートなことを喋る。それが女性の心をとらえた」

 イケメン演歌歌手のファンは、若い女性だけでなく、中高年女性まで広がっているという。

「昔、沢田健二や西城秀樹などがファンだった中高年の女性は、今でもイケメン歌手をみてはしゃぎたい。でも、ジャニーズのコンサートに出かけていく勇気はありません。コンサートで騒いでいると、なんだこのおばさん、と言われてしまいますからね。ところが、演歌だと、自分たちも受け入れてくれるし、昔流行った曲を歌ってくれる。それで人気に拍車がかかるわけですよ」(同)
 

 2013年11月に「さよならは涙に」でデビューした徳永ゆうき(24)は、異色の存在である。

「彼は、米津玄師の『Lemon』をカバーして評判になっていますが、演歌のカテゴリーを広げましたね。新浜レオンは、ビーイングの倉木麻衣のチームが乗り出していて、メジャー展開していくでしょう。本当に素晴らしいのは辰巳ゆうと。彼の歌は本物です」(同)

 演歌男子を盛り上げているのは、4人組歌謡グループの純烈だ。

「純烈は、お客さんとの距離が近く、彼らのキャンペーンに行けば、握手だけでなくハグされるチャンスもあります。だから50代以上の女性ファンは、キラキラしていますよ。女性は一回ハグされると、寿命が伸びるそうです。健康にも一役買っているわけです」(同)

「週刊新潮」2019年6月4日 掲載