「ちょっと引くわ」の声も

 飯島直子(51)は1月12日、「誰だって波瀾爆笑」(日本テレビ系列・日曜・9:55)に出演した。放送内容が話題を呼び、複数のメディアが放送内容を記事にしたほか、「飯島直子」がツイッターのホットワードになった。

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 ネット上に掲載された記事のタイトルを並べると、なかなか興味深い。以下に箇条書きをさせていただこう。配信時間はヤフーニュースの掲載時間を出典とした。

◆「飯島直子、スリーサイズ“サバ読み”告白『ウエストは最初からウソ』」(スポニチアネックス:1月12日 10:53)

◆「飯島直子『ウエストは最初からうそ』6センチの“サバ読み”自ら告白」(デイリースポーツ:1月12日 13:54)

◆「飯島直子、内気少女からヤンキーに一変の中学時代」(スポーツ報知:1月12日 14:44)

◆「飯島直子、牛丼店の紅しょうが大量持ち帰り 『ちょっと引く』『好きなら別に良い』」(JCASTニュース:1月12日 19:02)

◆「飯島直子『松屋の牛めし』こだわりの食べ方は紅生姜10袋」(Smart FLASH:1月15日 20:33)

 スポーツ紙2紙が飯島直子のウェストに興味を示したのに対し、JCASTニュースとSmart FLASHは「牛丼に紅ショウガ10袋分を載せた」ことに焦点を合わせた。

 ウエストと紅ショウガ、どちらにインパクトがあるかは言うまでもない。ツイッターでも飯島直子に関する広範なツイートが拡散したとはいえ、断トツのメインは「牛丼に紅ショウガを10袋」問題だった。批判派と擁護派で論争が起きたわけだが、その内容をJCASTニュースの記事から引用させていただこう。

《「持ち帰り過ぎだな...」「せいぜい2、3袋だろ?」「ちょっと引くわ」といった批判的な声も上がっていて、「スーパーで買い置きしなさいよ」「テレビで放送したら、真似するヤツが出てくる」との指摘も出た。

 また、「まず浮かんだのが塩分過剰摂取の心配」「そんなにかけたら牛丼食ってんだか紅生姜食ってんだか分かんねぇ」といった声もあった。

 一方で、飯島さんを擁護する向きも多い。

 「好きなら別に良いんじゃん」「席に置いてある箱からビニール袋に入れて持ち帰っておる訳じゃない」「完食したなら 問題ない!」といった意見だ。紅ショウガをたくさんかけるのが好きという人も多いようで、「私も同じ食べ方するから大量に持って帰ってくる」「庶民的でええやん」との共感も出ていた》

 だが改めて番組の該当場面を視聴してみると、ネット上で理解されている状況とは異なるポイントがいくつかあることが分かる。

画面に映る紅ショウガが少ない?

 紅ショウガの場面は飯島直子が袋からテイクアウトした商品を取り出すところから始まるのだが、「おろしポン酢牛めし」(税抜420円)の並盛と推測される丼が1つと、トッピングの「半熟卵」(同70円)と、そして大量の紅ショウガの袋だった。

 少し脇道に逸れるが、松屋の公式サイトには「主に関東地方の松屋では『プレミアム牛めし』を販売しております」と明記している。「プレミアムおろしポン酢牛めし」は税抜480円と60円高い。

 ところが飯島は、ただの「牛めし」を持ち帰ってきた。これはかなり珍しいことなのだ。

 2019年2月にITmedia ビジネスオンラインは「380円の“高級”牛めしを推す松屋が320円の牛めしをあえて温存するワケ」の記事を掲載した。

この記事によると、実はプレミアムではない「牛めし」を関東地方で販売しているのは《茨城県が5店、栃木県が6店、群馬県が10店、埼玉県が2店、千葉県が2店、神奈川県が3店、東京都が6店》だという。

 ネット上では「松屋はプレミアム牛めしより、ただの牛めしの方がプレミアム」という意見も散見され、食べログなどには提供店舗で実食した際のルポなども投稿されている。そもそものっけから、飯島直子はレアな牛めしをテイクアウトしたようなのだ。

 本題に戻ると、確かに飯島が机に並べた紅ショウガの袋は多かった。画面に映った袋を数えてみると10を超えている可能性が高いようだ。

 大量に使うためか、彼女は前もって何袋も破いて準備しておき、箸を使って丼の上に載せていく。

しかしながら、とても10袋ほどの紅ショウガを載せている気配がしない。せいぜい半分の5袋ぐらいだ。

そのため画面に映る丼には、まだまだ充分なスペースが存在する。だが、紅ショウガを載せる作業は中断されてしまう。

 画面には字幕が表示され、「紅ショウガ&大根おろし ミルフィーユ」と紹介された。そこに半熟卵を載せると、なかなか見栄えがする。卵の黄色と白、大根おろしの白、ねぎの緑、紅ショウガの赤、そして牛肉の茶色が美しいグラデーションを描くのだ。

 そこに飯島はポン酢をかけて食べ始めるのだが、見た目の美しさは変わらない。何より美味しそうだ。

ネットの記事だけを読むと、「10袋も使ったら紅ショウガばかりで牛丼の味がしないだろう」、「そんなに多くの紅ショウガを乗せたら丼は真っ赤になるはず」といった印象を抱いてしまうが、番組を見ていると違和感は少ない。本当に彼女は牛丼に紅ショウガを10袋もかけているのだろうか。

 論より証拠、冒頭に再現写真を掲載したが、ご覧いただけただろうか。編集部がテイクアウトしたのは千代田区内の松屋だったため「プレミアム牛めし」の並盛だったが、そこに紅ショウガを10袋分載せると、ご覧のように丼が赤色で埋め尽くされてしまった。

紅ショウガ10袋の“完食”“は無理?

 ちなみに写真の「紅ショウガ・メガ盛り牛丼」は撮影終了後、編集部員が社内で口にしたが、やはり「紅ショウガの味しかしなかったので、食べるのが難しかった」という。自宅に持ち帰り、紅ショウガは冷や奴のトッピングにして量を減らして完食したという。

 ともあれ飯島はプライベートで10袋以上の紅ショウガを食べていると素直に受け入れるしかない。

 SNS上では「10袋は多い」、「個人の好みなのだから別にいいじゃないか」と論争が起きたのは前に見た通りだが、ならば作り手は牛丼と紅ショウガの量をどう考えているのだろうか。

 そこで吉野家、松屋、すき家の大手3社に質問状を送り、文書で回答してもらった。その内容をご紹介しよう。

 最初の質問は「テイクアウトで提供される紅ショウガは、個数(袋数)に『1人3袋まで』といった制限を設けていますか?」というものだ。

【吉野家】
お弁当1食につき、3袋までとさせていただいております

【松屋】
基本的には1つを推奨しておりますが、お客様には必要数どうぞとお声掛けしております。タレやドレッシングは1メニューにつき1つで、特段制限はございません。お断りはしませんが3個以上の多い数を必要な方へは、在庫を確認の上お渡ししたり、またはお新香お持ち帰りカップにて店内用のタレやドレッシングに対応する場合もございます。

【すき家】
醤油や七味と同じく、お客様のお好みでお使いいただく調味料のため、特に制限等は設けておりません。

 吉野家だけが制限を設けていることが分かったが、そもそも提供のスタイルはどうなのだろうか。

 牛丼の持ち帰りを注文されたことのある方は多いだろうが、店員さんが入れてくれる店と、箱のようなものに入っており、実質的に取り放題となっている店の2タイプがある。

吉野家で3袋以上を持ち帰るのは不可能!?

 第2の質問は、「テイクアウトの紅ショウガは、箱に入って取り放題、もしくは店員さんが入れてくれるという2種類の提供を行っているという理解で間違いはないですか?」とした。

【吉野家】
原則、従業員が確認して提供しております。

【松屋】
(編集部註:2種類の提供方法で)間違いないです。店舗によってスタイルは異なります。

【すき家】
基本的にはお客様にお取りいただく提供方法を実施しております(ドライブスルーを除く)。

 この質問は、3社ではっきりと違いが出た。まず吉野家では基本的に3袋以上の紅ショウガを持ち帰ることは難しいシステムになっているということが分かった。制限が設けられているだけでなく、取り放題の店舗も存在しないのだ。

 スガシカオ(53)は2016年4月、自身のツイッターでスタッフに吉野家の牛丼をテイクアウトしてもらったところ、「紅ショウガが(註:原文ママ)4パックしかもらってこない」と嘆いた。

 このツイートも飯島直子の話題が拡散するにつれ、再び脚光を浴びたのだが、どうやら4袋を入れてもらっただけでも“レアケース”だったようだ。

 編集部が購入した店舗では、テイクアウト専用のカウンターがあり、その近くの壁に箱が設置され、紅ショウガが中に入っていた。もちろん数の制限はなく、好きなだけ取ることができた。

 そして、すき家は原則的に取り放題となっているようだ。3社の中では最も太っ腹(?)と言えるのかもしれない。

 3点目は「1年間に全店あわせて、どれくらいの紅ショウガの袋を提供しているのですか?」と質問したが、こちらは回答が難しかったようだ。

 吉野家は「回答を控えさせていただきます」とし、すき家も「提供数については、大変申し訳ございませんが、回答を控えさせていただきます」とした。やはり販売個数の類推が可能になってしまうため、部外秘ということなのだろう。

 一方、松屋は回答をしてくれた。以下にご紹介しよう。

【松屋】
1回のテイクアウトで2〜3袋をお持ち帰りになるくらいの量です

「まあ、そんなもんだろうなあ」と感じ入った方も多いのではないだろうか。だいたいは1、2袋、多くて3袋というのが一応の“常識”だろう。

いよいよ推奨量を質問

 そして第4問として、「推奨量」を質問した。「1袋くらいが一番、美味しい」「3袋を超えると塩分が心配」などございましたら、ぜひとも教えて下さい、と依頼してみたのだ。

【吉野家】
牛丼を美味しく召し上がっていただくためのものですので、美味しいと感じる範囲でご利用いただければと存じます。

【松屋】
1〜2袋です。ただ、お客様のお好みですので、仰っていただけましたらご対応させていただきます

【すき家】
お客様のお好みにあわせてご利用いただきたいと考えております。すき家では幅広いトッピングメニューを取り揃えているため、それぞれのメニューにあわせてお客様のお好みの量をご利用いただきたいと思います。

 3社とも“大人の対応”という回答で、なかなか含蓄がある。吉野家は「好きなだけどうぞ」という回答のように受け止められるが、「3袋まで」という制限があるのも事実だ。

 飯島直子が大量のテイクアウトを行った松屋も「ご自由にどうぞ」と受け止めながらも、推奨量は「1〜2袋」だという。飯島直子が10袋の紅ショウガを本当に食べているのならば、“掟破り”という声が出るのも仕方ないのかもしれない。

 そして、ほぼ全店が「取り放題」のすき家は、推奨量も「ご自由にどうぞ」だ。ある意味で、最も言行が一致していると言える。

 最後の質問として、読者に向けてのメッセージを依頼した。回答をご紹介しよう。

【吉野家】
吉野家では、牛丼を美味しく召し上がっていただくために、紅生姜にもこだわっています。食感を損なわないために、繊維質が少なくやわらかい部分をメインに使用し、特製梅酢に漬け込んでいます。辛すぎず、牛丼の箸休めにちょうどいい、程よい酸味の効いた紅生姜に仕上げています。

【松屋】
松屋は「みんなの食卓でありたい」の想いを胸に、豊富なラインアップと食の安全安心にこだわり、化学調味料、人工甘味料、合成着色料、合成保存料を使用しないカラダに優しい無添加メニューの開発に努めております。紅ショウガに限らず、これからもさらなるサービス向上に励んで参りますので、是非お待ちしております。

【すき家】
すき家の紅生姜は、自然の色合いにこだわり、天然色素の「赤ダイコン色素」を使用しております。また、牛丼に合うように食感にもこだわったすき家ならではの紅生姜です。是非すき家の牛丼と一緒にお召し上がりください。

 紅ショウガ1つとっても、大手3社は大変な気を配っているのが分かる。何袋を食べるかは個人の自由だろうが、作る人のことを考えれば、くれぐれも食べ残すことだけはしないようにしたい。

週刊新潮WEB取材班

2020年1月18日 掲載