新型コロナの感染拡大を防ぐため放送業界でも、体調が悪いと感じたら、たとえレギュラーでも仕事を休むことを推奨されている。代役を立てればいいという判断だろう。ならば、冠番組を抱える人気タレントの場合はどうなるのか。

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 コロナ禍以前なら、体調不良を訴えても、「ちょっと早い五月病だな」なんて皮肉でも言われただろう。しかし、今は違う。たとえ元気であっても出社はせず、テレワークが推奨される世の中である。

 そうした流れは、テレビやラジオに出演するタレントの間でも当たり前となってきた。コロナ感染の疑いを感じたら“出演を自粛する”という風潮だ。主な「自粛タレント」は以下の通りである。

●ビビる大木(45)
 4月19日、MCを務める「追跡LIVE!SPORTSウォッチャー」(テレビ東京)の生放送を発熱により欠席。翌週26日は、「先週の日曜に微熱が出ましたが、夜からはずっと平熱で体調に異変はありません。今日は自宅から出演します」と自宅からリモート出演。

●ミッツ・マングローブ(45)
 4月21日、体調不良を訴え、火曜レギュラーを務める「バイキング」(フジテレビ)の出演を欠席。発熱や「舌の味覚がなくなる」などの症状を公表したが、PCR検査を受けられず、自宅待機中であることを明かしている。すでに熱は下がり、味覚も戻ったという。

●大竹まこと(70)
 4月21日、喉の不調を訴え、ラジオの冠番組「大竹まこと ゴールデンラジオ!」(文化放送)を欠席。翌日から復帰している。

●ハリセンボンの近藤春菜(37)
 4月24日、頭痛と腹痛により、レギュラーの「スッキリ」(日本テレビ)を欠席。発熱や咳といった症状はなかったが、「万が一を考えてお休みさせていただきます」と電話で説明。MCの加藤浩次(51)は「今こういう時期、ちょっとした体調の変化でもこうして休むのは大事だと思う。賢明な判断だと思うよ」と理解を示した。27日にリモート出演で復帰した。

●TBSアナウンサーの江藤愛(34)
 4月24日、体温が平熱より少し高かったため、レギュラーを務める「ひるおび!」(TBS)を欠席。翌日、自身のTwitterで状況を説明しつつ「ご心配、おかけしました。自分の体調を、繊細に気にかけてあげることが、今は必要なのかなぁと考えています」と述べた。

 他にも「報道ステーション」(テレビ朝日)のキャスターである富川悠太アナ(43)の感染により、同じくキャスターを務める徳永有美アナ(44)も4月13日より出演を見合わせていたが、27日より復帰した。民放プロデューサーがこう言う。

人気番組MCの例外とは

「確かに体調不良によって出演を取りやめられては困りますが、コロナ禍の今、制作側としては自己申告してもらえるのはありがたいです。万が一、感染していた場合を考えると、大事を取って休んでもらったほうがずっといい。感染だけは避けなければなりませんから」

 とはいえ、体調不良での欠席は、いわばドタキャン同然である。その場合は、どう対応するのだろうか。

「基本的には代役を立てます。欠席者がMCの場合はレギュラー出演者が務めたり、局アナが務めたりすることが多いですね。もちろん代役を立てない場合もあります。そのタレントがいなくても差し支えない場合です。もしくは、そのタレントの代わりがいない、その人でないと番組が成立しない場合です」(同)

 では、代わりがいないタレントとは?

「やはり冠番組を持つ人ですね。まず挙げられるのは明石家さんまさん(64)です。『踊る!さんま御殿!!』(日テレ)や『さんまのお笑い向上委員会』(フジ)といった冠番組がありますし、『痛快!明石家電視台』(TBS系列/毎日放送)では企画も受け持っています。さんまさんといえば、機関銃のような喋りですが、あの代役を務められる人はいませんよ」(同)

 冠番組を持つ人なら、ダウンタウンや有吉弘行(45)、マツコ・デラックス(47)などもいるが、

「そうですね。彼らも独特のキャラと、彼らならではの言い回しがありますから、代役は立てづらい。出川哲朗さん(56)だってそうですよ。冠番組は1本、『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』(テレ東)だけですが、あの番組は彼のキャラクターなくしては成り立ちません。もし、彼に体調を崩されたら、撮影は中止でしょう」(同)

 とはいえ、冠番組を持つタレントでも例外がいるという。

「所ジョージさん(65)だけは別でしょうね」(同)

 所といえば、冠番組を最も多く持つタレントの1人だ。「所さん!大変ですよ」(NHK総合)、「所さんの目がテン!」(日テレ)、「所さんお届けモノです!」(TBS系列/毎日放送)「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」(テレ東)、「新説!所JAPAN」(フジ系列/関テレ)、「所さんの世田谷ベース」(BSフジ)と冠番組だけで6本。さらに「世界まる見え!テレビ特捜部」(日テレ)、「1億人の大質問!?笑ってコラえて!」(日テレ)、「ポツンと一軒家」(テレ朝系列/朝日放送)もある。いずれも人気番組だ。

「彼が司会を務める番組といえば、長寿番組になり、安定感があり、好感度も高いといった共通項があります。ですから、どのテレビ局も起用したがるのです」(同)

 ならば、代役など考えられないが、

「いやいや、所さんの番組のほとんどは、企画ありき、企画がしっかりしている番組です。『ポツンと一軒家』も『目がテン』、『世界まる見え』、『笑ってコラえて』、『所JAPAN』などなど、彼が回してるという番組ではなく、主役はVTRです。特番の『はじめてのおつかい』(日テレ)なども、所さんは視聴者代表として、そのVTRを見ているだけ。ですから所さんでなくとも、番組は成立します」(同)

 言われてみれば、確かに……そんなに面白いことを言うわけでもないし。

「ただ、所さんがずっといなければ、物足りなさが出てくるかもしれません。遊びの天才とも言われる彼の処世術は、楽しむこと。力まないから目立ちはしないけれども、いつの間にか番組のパーツのひとつになっている。ですから、番組への貢献度は意外に高い。そういった意味では、所さんの代役はいないということにはなりますけどね」(同)

週刊新潮WEB取材班

2020年5月3日 掲載