東京の次、24年開催のパリ五輪での復帰が確実視される競泳の池江璃花子(19)。難病を乗り越え、メダルへの期待もかかる彼女を大人たちは放っておかない。先般、消費者庁から注意喚起された「無認可共済」も、彼女を利用していたという。

 東京・新宿を拠点に、全国で1万3千人の会員を集めた一般社団法人「全国育児介護福祉協議会」(全祉協(ぜんしきょう))が、行政からイエローカードを突き付けられた。

 本誌(「週刊新潮」)5月7日・14日号のMONEY欄でも既報の通り、全祉協は2年前に創業者一族が“曰く付き”の夫婦に身売りをして、理事長が交代したことをきっかけに運営上のトラブルが頻発。これを重く見た消費者庁は、6月10日付で消費者安全法に基づく事業者名公表を行い、「免許や登録のない事業者との契約で、不利益を受ける恐れがある」との、注意喚起を行った。

 全祉協は、法的な裏付けがなく所管官庁も存在しない「無認可共済」だが、会員が要介護認定を受けた場合、介護保険では足りないサービスを受けられることをウリにしていたのだ。

 原資は会員からの会費で、額は受けられるサービスの内容によって異なり、年額で60万円から250万円と幅がある。いずれにせよ、肝心の介護サービスを受けるための費用の支払いが滞り、会員からの相談が行政に殺到していたのである。

 社会部記者が解説する。

「消費者庁が把握しただけでも、20年2月現在で1200件、8500万円の支払い遅延が起きています。会員は60代以上の高齢者が多くて、平均130万円の会費を支払っている。介護現場の混乱は必至です」

「勧誘されて入った」

 奇しくも、全祉協の会員として、競泳の池江璃花子の名前も挙がっていたという。いったい何故なのか。

「実は、池江選手の祖父母は全祉協の活動に熱心で、孫も含めて家族ぐるみで入会しているとか。祖父が代表取締役を務める会社の登記簿には、“全祉協支援事業”と書かれているほどです」

 とは、さる全祉協関係者。

「五輪の強化選手に池江選手が選ばれた際、全祉協は奨励金を支給したそうで、事務所に行くと彼女の写真がたくさん飾ってあった。全祉協が営む保養施設の公式ウェブには、池江選手を〈当会の会員〉と銘打ち、リオ五輪の際は〈ロビーにて応援鑑賞中〉と書くなど、著名人が会員であることを誇示していました」

 広告塔の如く利用していた事実は否めないだろう。

 当の池江が所属するマネジメント事務所は、

「そのような事実はございません。事実無根です」

 と否定するが、改めて池江の祖母に尋ねたところ、

「たまたま全祉協に私の友達がいて、勧誘されて入りました。会員になってもう20年くらい。(家族で加入しているのは)生命保険だってみんな入るんだから、それと一緒。璃花子が何処に入ろうが関係ないので、何も話すことはありません。(組織ぐるみの応援も)あの人たちが勝手にやっているだけですから……」

 と困惑するばかりだった。

 闘病の渦中では、怪しい民間療法を唱えるなべおさみに近寄られていたこともある。それだけに、未来ある彼女が大人の思惑に利用されはしまいか、心配は募る一方なのだ。

「週刊新潮」2020年6月25日号 掲載