最近、鳴りを潜めていた“とんねるずの大きいほう”・石橋貴明(58)が蠢き始めた。現在のレギュラー番組は深夜のトーク番組「石橋、薪を焚べる」(フジテレビ)のみだが、Twitterを開設し、YouTubeにも参戦したのだ。陰で糸をひいているのは、奇才のテレビディレクター・マッコイ斉藤(50)である。

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 およそ30年にわたって、フジのバラエティを引っ張ってきたとんねるず。18年3月に「みなさんのおかげでした」が終了してから、石橋のレギュラーは「石橋貴明のたいむとんねる」のみとなった。それも終了し、4月からスタートした「石橋、薪を焚べる」は深夜帯へと移った。とはいえ、虎視眈々と復活を狙っていたようだ。芸能記者は言う。

「タカさんは、昨年6月19日にInstagramを開設。8月からはAbemaTVで『石橋貴明プレミアム』の不定期配信をスタートさせています。そして今年6月18日にTwitterのアカウントを取得し、その翌日、つまりインスタ開設からちょうど1年後にYouTubeで『貴ちゃんねるず』を始めたわけです。Instagramのフォロワー数は33万3000人(6月22日19時現在。以下同)もいますからね、イケると踏んだのではないでしょうか。1年の準備期間をもって、地上波テレビからの脱却をはかったようにも見えます。“部室芸”とも言われた彼の芸風は、コンプライアンスが厳しい今のテレビには合わなくなっていましたからね」

 すでにTwitterのフォロワーは17万7000人に達している。その最初の呟きは、これだ。

《よくわからないけど、マッコイにTwitterやれって言われ開設しました。すぐ飽きちゃうかも。/本日深夜に、これから新しくやることの発表をしちゃいます。》

 さらにこう呟いた。

《これから、あるラジオに突撃しまーす。》

 突撃先は、18日深夜の「おぎやはぎのメガネびいき」(TBSラジオ)だった。

「タカさんはテレビディレクターのマッコイ斉藤さんと一緒に、スタジオに乱入しました。マッコイさんといえば、『みなさんのおかげでした』ではディレクターから総合演出にまで昇りつめた名物テレビマンです。彼は、おぎやはぎとも仲が良く、矢作さんがタカさんを紹介したそうです。この乱入劇もマッコイさんの手引きじゃないでしょうか。また、タカさんも小木さんと特に仲が良く、小木さんはタカさんにツッコめる、特異な立ち位置にいますからね」(同)

戦力外通告

 スタジオに乗り込んだ石橋は、Twitterを始めたわけを自嘲気味に語る。

石橋:マッコイが、俺があんまりにもヒマしてるんで、働け!って。ほぼほぼね、戦力外通告だから、もう。「最期の死に場所、俺が作ってやる」ってマッコイが言うから……。だから、そうねえ、この1年やってみてダメだったら引退。江夏(豊)さんみたいな感じ? 最後、ミルウォーキー・ブルワーズにのテスト生でレジー・ジャクソンに二塁打打たれて、全て諦めるみたいな。そのブルワーズのキャンプに参加する感じ。

小木:それが今年ですか? 最後の1年?

矢作:最後の1年、いろいろやるってことね。Twitterやったり……。

小木:とうとう終わるんですね、タカさん。

矢作:タカさん、今、いくつですか?

石橋:今年59だからね、来年10月で60歳。この1年でどこまで自分の打撃ができるか。かつて王貞治さんは40歳の時に、「王貞治のバッティングはもうできません」と言って、年間30本のホームランを打ったのに引退したんですよ。石橋貴明もユニフォームを脱がされるのか、自分で脱ぐのか。脱ぐのか脱がされるのか、野球選手はどっちかですよ。明日、いよいよプロ野球開幕の中、今日Twitterを開設して、あと1年、脱ぐのか脱がないのか、どうなんだ! このヤロー!

小木:タカさんは戦力外通告受けてるんですよね、もう。

石橋:え、脱がされてんの? 俺。

――さらにYouTubeを始めることも宣言する。

石橋:俺ね、ユーチューバーになろうと思って。

マッコイ:今日もう上げるんですよ、1回目。

石橋:小木! ロケに行くからな!

小木:いやですよ、そんなもん。引退しろよ、今年中に。

マッコイ斉藤という男

 民放プロデューサーは語る。

「タカさんが、あのマッコイさんと組んでYouTubeですからね。注目しないわけにはいきません。タカさんが今のテレビはやりにくくなっているように、マッコイさんもやりにくいところがあるんだと思いますよ。彼は山形の高校を出て上京し、たまたま制作会社のIVSテレビ制作が『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(日本テレビ)のスタッフ募集をしているのを知って応募。当時の総合演出はテリー伊藤さんで、直属の上司は、のちにソフト・オン・デマンドを創業する高橋がなりさん(高橋雅也)だったそうです。『元気が出るテレビ』の頃は、“早朝バズーカ”とか“早朝逆バンジー”といった企画を担当し、たけしさんに『くだらねえな〜』って笑ってもらえるのを無上の喜びにしていたといいます。“テリーイズム”の継承者と言っていいでしょう。AV女優らを多数出演させた『おねがい!マスカット』(テレ東、司会はおぎやはぎ)の総合演出を務め、その番組からAV女優やグラビアアイドルなどで結成した“恵比寿マスカッツ”をプロデュースしたことで、その名が知られるようになりました」

 石橋と出会うのは、その後のことだ。

「マッコイさんがIVSを独立してすぐの頃だそうです。仕事もなく、おぎやはぎらと呑んでいるときに、たまたま一緒になり、『お前、ウチの番組やってみろよ』となった。ただし、当時のマッコイさんはフジには出禁だったとか。そこでタカさんが港浩一プロデューサーに頼み込んで、出禁を解いてもらったと言われています。もっとも、マッコイさんなら、過去に出禁になるような過激な演出、トラブルを起こしていたとしても驚きませんけどね。それくらい、アグレッシブな人です。だからこそ、タカさんともウマが合うのでしょう。『みなおか』の名物企画だった、ゲストに自腹で高級商品を買わせる“買うシリーズ”は、タカさんがマッコイさんに高級時計を買わせたことが、そもそもも始まりだそうです。体育会系の先輩と後輩の“ノリ”のような付き合いなのだと思います。また、そんな彼らだからこそ、今のテレビ界では息が詰まるのではないでしょうか」(同)

 そこで2人でYouTubeということか。

「これまで様々なタレントや芸人がYouTubeに参加してきました。テレビに出られなくなったり、コロナで収録がなくなった人たちが……。でも、タカさんたちは彼らとは違うと思います。タカさんも今は、レギュラーは1本だけですが、特番もありますし、貯えだってあるはずですから、生活に困るような状況ではありません。マッコイさんからのオファーでなければ、タカさんだってやってみようとは思わなかったはずです。そんな大物2人が組んでYouTubeを開設した例は、これまでありません。業界でも注目されています」(同)

 19日に配信された初回は、エピローグというか、開設に至る経緯といったところだったが、

「尺は14分でした。タカさんの肩書きが“とんねるずの大きいほう”となっていたのは、『みなおか』をやっていたからこそでしょう。コメントフォローのテロップが小さめで、極端に少なかったのも、今のユーチューバーに対するアンチテーゼかもしれません。最近のYouTubeは、テレビを真似てか、テロップが多すぎますし、そのフォントもやけに大きいことが少なくありませんから。唯一大きめだったコメントフォロー『ヒマだね、いや、ヒマだな』を出すタイミング、縦横を使った出し方も、さすがプロという感じでした。テレビを知り尽くした男たちが、テレビとは違う、これまでのYouTubeとも異なる世界を作り出そうとしているのだと思います。初回はインタビューだけだったので、面白さは伝わりにくいと思いますが……」(同)

 石橋のYouTubeチャンネル「貴ちゃんねるず」のフォロワーは30万人に達する勢いで、初回の視聴者数は138万回を超えた上手くいっているようだ。彼は「プロ野球ニュースをやりたい」と語っていた。次回の予告では、球場の外からグラウンドを眺められる位置に陣取った石橋の姿があった。

 ただ気になるのは、ラジオで語っていた“1年で引退”との言葉だ。

「自嘲気味に語り始めたために、そうなっちゃったんじゃないでしょうか。だって、番組の中では、毒蝮三太夫さんの後を継ぎたいとも言ってましたからね。『商店街行って、ババア、この野郎! 元気で生きてろよ、この野郎!とか言って』と……」

 確かに、今のテレビでは生きにくいのかもしれない。

週刊新潮WEB取材班

2020年6月27日 掲載