次の次のNHK朝ドラ「おかえりモネ」(2021年度前期)のヒロインに、清原果耶(18)が決定した。朝ドラの“主役”がオーディションを行わずにキャスティングされるのは、18年度後期の「まんぷく」(主演:安藤サクラ[34])以来、6作連続となる。業界関係者は、「今後ますます、オーディションは行われなくなるでしょうね」。その理由とは――。

 ***

 そもそも朝ドラが、新人女優の登竜門、ヒット女優養成所などと呼ばれてきたのはなぜなのか。民放プロデューサーが言う。

「朝ドラは大半が女性の一生を描くことが多く、主演は若手女優も多くなる。放送は半年間ですが、それ以上の長い時間をかけて、丁寧な役作りやリハーサルを行います。さらにヒロインの脇を固める父、母、祖父、祖母などは名優と言われる大物ばかり。たとえオーディションで選ばれたズブの素人でも、演技の基礎がたたき込まれるわけです。毎日、役柄と共に、女優としても成長していく姿が毎日放送されるわけですから、視聴者の印象にも残る。女優として大成する近道となるわけです。まあ、予算もスタッフも潤沢なNHKでしかできませんが」

 ところが、冒頭の通り、最近の朝ドラはオーディションを経ずに主役を選ぶことが多くなっている。

宮崎あおいがハシリ

「すでに6作連続。おそらく、当分、オーデジションは行われないでしょうね。2000人前後の応募があるオーディションは、書類審査に始まり、面接を重ね、10人ほどに絞られた最終審査では、セットの前でカメラテストまで行われると聞きます。それだけだって相当な時間と労力ですからね。働き方改革の今、そんな時間はもったいないですよ。ましてや、コロナの心配もあります。大勢を集めることすら難しくなっています」(同)

 いつごろからオーディションなしが増えたのだろう。

「06年前期の『純情きらり』でヒロインを務めた宮崎あおい(34)は、40年ぶりにオーディションなしでヒロインに抜擢され、話題になりました。80年代前半は視聴率40%近くを常時取っていた朝ドラですが、2000年代になると20%を切るようになった。そこで、まずヒロインを、ある程度、知名度のある女優を起用したのでしょう。以後、すでに民放や映画で主演実績のある若手女優をキャスティングするようになっていきました」(同)

15名のオーディションなしヒロイン

 宮崎あおい以後、オーディションなしで選ばれたヒロインは以下の通り。

●06年後期「芋たこなんきん」藤山直美
●08年後期「だんだん」三倉茉奈・佳奈姉妹
●10年前期「ゲゲゲの女房」松下奈緒
●11年前期「おひさま」井上真央
●12年前期「梅ちゃん先生」堀北真希
●13年後期「ごちそうさん」杏
●14年前期「花子とアン」吉高由里子
●17年前期「ひよっこ」有村架純
●18年後期「まんぷく」安藤サクラ
●19年前期「なつぞら」広瀬すず
●19年後期「スカーレット」戸田恵梨香
●20年後期「おちょやん」杉咲花
●21年前期「おかえりモネ」清原果耶

 ちなみに、今期の「エール」に主演する窪田正孝(31)はオーディションなしだったので、6作連続で朝ドラ主演がキャスティングされたということになる。ただし、ヒロインの二階堂ふみ(25)はオーディションで選ばれた。

「最近は、オーディションで選ばれたとは言っても、形だけでやったという感じです。『カーネーション』(11年後期)の尾野真千子(38)や『とと姉ちゃん』(16年前期)の高畑充希(28)など、オーディションの体もなしていなかった印象です。オーディション会場で、すでに売れっ子の彼女たちを目にして、戦意を喪失した新人女優もいたでしょう。ただ、現在、ヒロインを演じている二階堂に関しては、NHKも選んで良かったと、ホッと胸をなで下ろしているはずですよ」(同)

 どういうことだろうか。

「『エール』はコロナで放送も撮影も中断。現在、急ピッチで撮影再開されていますが、そんな時に新人女優では大変でしょう。いつ放送が延期されるか分かりませんし、つまり、そういう状況下では、実力のある女優でなければ対応できません。朝ドラはこれまでのように新人を育てながら、じっくり撮影などという時代ではなくなっているということなんです」(同)

 コロナによる撮影中断は朝ドラのみならず、民放のドラマ、映画にも及んでいる。

「ですから今後は、映画や民放を含め、新人の抜擢などは難しくなってくるでしょう。それはジャニーズであっても同じだと思います。キムタク(木村拓哉)や山P(山下智久)クラスのスターは、今後しばらくは出てこないでしょうね。またベテランであっても、テイク数を増やしてしまうような役者には声がかからなくなるかもしれませんね」(同)

 厳しい業界である。話を朝ドラに戻すと、オーディションがなくなると、今後のヒロインも自ずと決まってくると言う。

「今年度後期の杉咲花(22)から清原果耶という流れから言って、浜辺美波(19)、上白石萌音(22)・萌歌(20)姉妹、森七菜(18)といったところは当確でしょう。清潔感とノースキャンダル、いずれも今の勢いを見てもNHKが好みそうです。もちろん彼女たちには民放も目を付けていますけど」(同)

 シンデレラガールはもはや誕生しないということか。

週刊新潮WEB取材班

2020年7月25日 掲載