女優の森川葵(25)が注目を浴びている。それも本業ではなく、“かくし芸”で。これまで、かくし芸と言えばマチャアキ(堺正章)の代名詞と言って良かった。ところが、今や彼女が“ミスかくし芸”と呼ばれるそうだ。

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 森川は2010年、ファッション誌『Seventeen』の専属モデルオーディション「ミスセブンティーン」のグランプリに選ばれて、モデルデビュー。12年2月公開の映画「Love ToRAIN―ラヴトレイン―」で、いきなり主役に抜擢された。その後、16年には月9「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」(フジテレビ)で注目され、以来、ドラマや映画、舞台まで、オファーは引きも切らない状態だ。

 にもかかわらず、昨年5月から、深夜のバラエティ番組「それって!?実際どうなの課」(日本テレビ系、水曜午後23:59)のレギュラーに。民放プロデューサーが首をかしげる。

「これまで『痛快TV スカッとジャパン』(フジ)の再現ドラマに何度か出演、『A-Studio』(TBS)で笑福亭鶴瓶さんのアシスタントを務めたことはありました。でも、正統派の売れっ子若手女優ですから、あえてバラエティをレギュラー出演しなくてもよかったはず。しかも、『どうなの課』の制作は名古屋の中京テレビの制作です。正直、よくブッキングできたな、と思いましたね」

驚異の占拠率

 もっとも、これが大成功だった。

「『どうなの課』は昨年4月に、中居正広の『ナカイの窓』(日テレ制作)の後を受けてスタートしました。MC(課長)には生瀬勝久、主任は博多華丸・大吉が務め、“よく言われるけど、やっている人を聞いたことがない気になるうわさや疑問を実際にやってみると、どうなるのか”をテーマにしたバラエティです。森川はひと月遅れで、レギュラーになりました。彼女の役割は、様々なその道のプロに弟子入りし、スゴ技に挑戦してきたのですが、これらをことごとく成功させて話題になっているんです。ちなみに7月29日放送の視聴率は6・3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同)で、4月29日放送の6・8%に次ぐ歴代2位でした。深夜でこの数字は大したものですが、さらに驚くのは、テレビをつけていた人のうち、どれだけの割合がその番組を見ていたかを表す占拠率です。この日の占拠率はなんと28・6%。これがどんな意味があるかと言えば、『世界の果てまでイッテQ!』(日テレ)を破った『ポツンと一軒家』(テレビ朝日)ですら23・8%。大ヒット中の『半沢直樹』(TBS)の31・4%に遜色ない、驚異の数字と言っていい。今や彼女には“ミスかくし芸”のほか、“センスの塊”、“ワイルド・スピード森川”といった異名があります」(同)

ビリヤード4種目に挑戦

 ワイルド・スピード森川とは、〈達人達が長い年月をかけて磨いてきた技の数々を、一切空気を読まずに、驚異的なスピードで習得し、バラエティの法定速度を一切守らない〉(番組内での解説)ことから名付けられた。とにかく、何でも習得が早いのである。そのため、〈これ以上、バラエティ界を縦横無尽に走られては、他の挑戦系番組に顔向けできない〉と、彼女に試練を与えようと企画されたのが、29日のアーティスティック・ビリヤードだった。

 アーティスティック・ビリヤードは、通常のゲームとは異なり、曲玉・トリックショットを多用した妙技を競うもので、高い技術が必要とされる。番組に登場したのは、界(さかい)敦康プロで、日本選手権で5回優勝、元世界3位という達人だった。彼の指導の下、森川は以下の4種目にチャレンジした。

【難易度・中級】レールロード・スイッチヤード:芸能人がスタジオで挑戦するレベル

【難易度・上級】マシンガン・バックスピン:経験者が期間をとって挑戦するレベル

【難易度・MAX】マッセショット:新春かくし芸大会で披露するレベル

【難易度・ハイパーMAX】L字マッセ:プロでも成功できないレベル

 撮影時間は、女優業の合間をぬっての6時間30分。ビリヤードは数回しかやったことがないと言う彼女のために、球の打ち方から伝授。その間、界プロから「年単位で練習しないと上手くならない競技です」との説明も受けた。

 ところが、彼女は中級技にも上級技にも成功する。そして、難易度MAXのマッセショットに。ひと撞きで球をグルッと半周させる曲玉である。

界プロ:(マッセショットは)プロでもかなり難しい。ちなみに芸能人で、挑戦したのが堺正章さん!

森川:出た! 最近、勝手にライバル視してるけど、成功したんですか?

界プロ:成功しました。

森川:さすがだな、師匠。

 撮影時間は残り2時間を切っていた。ところが、わずか10分で成功させるのである。

 続いて、ハイパーMAXは、テーブルの短辺から長辺にかけ、球をL字型に曲げるという、世界選手権でも最難度とされる技。界プロも一発では成功できなかった。森川もさすがに手こずったが、残り10分となった時に成功させたのである。界プロの唖然とした顔が映り込む、「スゴイ……」。

ゴールデン昇格もあり

「これまでもマチャアキの代表技のひとつ“テーブルクロス引き”はじめ、自然の岩を接着剤もなしで積む“ロック・バランシング”も成功させた。水面で石を跳ねさせる“水切り”は、女性王者が15回と説明される間に22回もやってしまった。けん玉協会会長のご自慢だった“1ミリけん玉”(けん先の直径がわずか1ミリ)も、会長の目の前であっという間に成功させ、輪ゴムを飛ばす“ゴム銃”でも、技を披露した師匠を前に一発でキメました。とにかく、彼女は何でも習得してしまうんです」(同)

 これで注目され、7月26日には「行列のできる法律相談所」(日テレ)にゲスト出演した。

「“ニュースター誕生スペシャル”と題して、これまで彼女が成功してきた技を紹介していました。彼女自身も『毎回、成功しすぎて、気まずくなることがある』と言っていましたが、ローカル局制作のバラエティで人気となった彼女に、キー局が声をかけたわけですから、『どうなの課』もゴールデンに昇格してもおかしくないかもしれません」(同)

 それにしても、制作の中京テレビは、よくぞこの逸材をキャスティングしたものである。

「中京テレビとしては、実に12年ぶりの全国ネットのレギュラー番組となった『どうなの課』ですが、昨年と今年に放送された特番の『ウマい!安い!おもしろい!全日本びっくり仰店グランプリ』も高視聴率を上げています。過去にも数々のヒット番組を手がけていて、藤井隆と岡田眞澄さんらが司会だったクイズ・バラエティ『サルヂエ』も深夜スタートでしたが、ゴールデンに昇格しました。タカアンドトシの『フットンダ』なんてのもありましたね。やはり、そのルーツは『お笑いマンガ道場』でしょう。レギュラーだった川島なお美さんの、プロ顔負けの漫画のうまさで人気になりました。そういえば彼女は愛知出身でしたが、森川も同県の出身です。地元テレビ局として声がかけやすいというのもあったかもしれませんね」(同)

「芸どころ名古屋」とはいうけれど、愛知の底力、恐るべし……。

週刊新潮WEB取材班

2020年8月7日 掲載