コロナ禍で芸能人のYouTuberデビューが急増している。もともと知名度があるだけにチャンネル登録者もあっという間に集まるということもあるのだろう。しかし、8月20日にチャンネルを開設したものの、いまだ登録者数は7600人(25日現在)といまいち拡がっていないのが、ものまね芸人・松村邦洋(53)の「タメにならないチャンネル」。面白いのに、なんだかもったいないゾ。

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 チャンネル開設に当たり、開口一番がこちら。

松村:みなさん、こんにちは。松村邦洋です。この度、YouTubeチャンネルを開設しました! まあ、どうですかね、YouTubeってのは、ボクも初めてなんですよね。人のゲストに出るっていうのは何回もあるんですけどねえ。ホント言うと、放送じゃできないような、放送で一切言えないような話をずーーっと喋るようなチャンネルがあったら一番楽ですけどね。番組を終えた瞬間に逮捕されるような、そういう番組が1番良いですね……(中略)。第1回は何にしようかなあと思っていたんですけれど、ボクはね、芸能界に入る前からずーーーっと、中森明菜さんのファンだったんです! 中学1年、2年だったかな「スター誕生」という番組があったんですよ、日本テレビで……。

神回・中森明菜編

 ここから「タメにならないチャンネル」の第1回「中森明菜編」に入っていくのだが、台本やメモもない中、カメラを見つめた松村が、明菜と彼女にまつわる話を喋りまくった。

松村:「スター誕生」の3代目司会者、坂本九さんの時にずいぶん歌の上手い人たちをどんどんオーディションしていって、その中で中森明菜さんがね、山口百恵さんの「夢先案内人」で決戦大会で優勝して、「9番、中森明菜、一生懸命頑張りました。よろしくお願いします!」というと、(芸能事務所の)プラカードがぶわーっと上がったんですよ。結局、最終的には浅野ゆう子さんが所属されている研音に所属することになったんです。

 なんだか、講談でも聞いているような気になる。松村は和室の小さなテーブルを前に喋っているのだが、いっそのこと釈台に代えて張扇で叩きながら語ってもいいくらいだ。民放プロデューサーは言う。

一流のストーカー

「松村さんは、好きなものへの興味がものすごくて、その知識量、記憶力は相当なものです。歴史好きで大河ドラマにも詳しく、先日の『麒麟がくる』(NHK)の代替番組にも、大河ファン代表として出演し、高橋英樹さんはじめ大河出演陣よりも過去の番組の魅力を語っていました。また、80年代のアイドル、歌謡曲にも精通しています。「3年B組金八先生」(TBS)や「スクール☆ウォーズ」(TBS)といったドラマはセリフまで記憶しており、ものまねのネタにもしている。野球や、もちろんお笑いにも詳しく、1人でずっと喋っていて、話し始めたら止まりません」

 松村にこそ、YouTubeは相応しいということだろうか。

「テレビでは尺の問題や他のタレントとのコメントバランスなどもあり、残念ながら彼の面白さを存分に伝えることができません。彼のYouTubeチャンネルも十数分なので、決して長い番組ではありませんが、それでも1人で好きなように喋れるというのは、画期的と言っていい。特に1回目の中森明菜は、彼の思い入れも強く、マニアックぶりが活かされ、すべらない体験話までありました。中森明菜を知る世代には“神回”と言っていいほどのできでした」(同)

 その一端をもう少しだけ。

松村:(中森が研音に入って)すぐ、ボクは山口県熊毛郡田布施町の自宅の黒電話から、第4文成ビル4階(当時)にあった研音に電話をかけて「ファンクラブ入りたいんですけど〜」と問い合わせをしましたよ。今考えると、一流のストーカーですよ。タレントになってなかったら本当にね、いいストーカーになってたんじゃないかなと。ようやく会員になったんですけど、会員ナンバーが1979ですよ。その後10万とか20万、30万人ぐらい会員がいるんですよ。(中略)2カ月に1回、ファンレターを出してましたよね。〈夏休みには清瀬のご実家の方に遊びに行きます〉って、今だったら逮捕されそうなファンレター。

――アイドル豊作の“花の82年組”と呼ばれた明菜、小泉今日子、早見優、堀ちえみ……といった解説から、80年代初めの「レコード大賞」最優秀新人賞は、TBS系ばかりだったという話に続く。

松村:トシちゃん(田原俊彦:80年受賞)だって、「金八先生」の沢村正治役でしょ、翌年もマッチ(近藤真彦:81年受賞)ですよ。これも桜中学、星野清役。その翌年はシブがき隊(82年受賞)、これは「仙八先生」ですよ。TBS系ばっかですよ。新人賞候補は沖田浩之さん、これも「金八先生」でしょ。三原じゅん子さんだって、「金八先生」ですけどね、今は“金バッチ先生”ですけどね。桜中学さえ行っていれば、レコード大賞が取れる、芸能界で君臨できる。Cherry junior high schoolが非常に力持ってた時代なんですよ!

――言われてみればそうだった。松田聖子も中森明菜も小泉今日子だって、最優秀新人賞を取り逃した時代だったのだ。さらに、松村は明菜との直接の交流を語る。

「彼が常連である和田アキ子さんの誕生会に、明菜さんが参加したという話には驚きました。例年通り、最終的には松村さんが素っ裸になり場を盛り上げたそうですが、その脇で彼が脱ぎ捨てた服を畳んでいたのが明菜さん。彼女をまねながら“ごくろうさま”と言ってくれたというオチも素晴らしかった」(同)

 ちなみに8月22日に公開された第2回は「松本明子編」だった。2人がMCを務めた「進め!電波少年」(日本テレビ)の話になるかと思えば、2人の関係が近すぎるためか、話が拡がりすぎて、「電波少年」まで行き着かなかった。

 今後に期待したい。

週刊新潮WEB取材班

2020年8月29日 掲載