女優の南沙良(18)は、キリン「午後の紅茶」やグリコ「ポッキー」のCMのほか、映画やテレビドラマで活躍する“第二のガッキー(新垣結衣)”と言われる注目株。そんな彼女が超短編の執筆で新境地を拓いている。

 カルチャーサイト「She is」で発表される、漫画家兼イラストレーターとのコラボ企画は、テーマが〈頭の中の女の子〉。8月28日に、第1作〈この過ぎゆく一瞬を〉が公開されたばかりの南に話を聞いた。

「これまで日記くらいしか書いたことがなくて、頭に浮かんだ想いを文章にして読者に伝える難しさは、演技のそれとは全くの別物だと感じています。少しだけ不安や気恥ずかしさ、苦しさが残っていますが、いまは“書きたい”という気持ちが止まらないんです」

 昨年12月に電子文芸誌「yom yom」(新潮社)でエッセイ〈届かない手紙を書きたい〉の連載がスタートしているが、ショートショートは今回が初めて。

「担当の方から“だいたい400字程度で”とお願いされていたんですが、あれが良いかな、これが面白いかなって想像していたら、書きたいことが溢れてしまって、気づけば字数はその2倍以上に。執筆時間も“1週間くらいで大丈夫かな”と思っていたのが2週間もかかり、極端に少ない文字数で表現することの難しさを思い知らされました」

 が、苦闘の先には光明が。

「なかなか伝えたいことをピッタリ表現できる言葉が出てこなくって。かつて読んだあの本ではどんな表現をしてたかなって記憶を辿ったりしつつ、締め切りギリギリまで言葉選びにこだわっていたら、ひょいと浮かんでくるから不思議です。どうやら精神的に追い込まれないとダメみたい……」

 2作目以降は「少しずつ慣れた」と言い、書くことの楽しさを徐々に実感できるようになったそう。

 幼少期から親しんできたという読書の楽しさとは?

「とくに惹かれるのは、作者が読者を“裏切る”作品です。石崎洋司さんの人気ファンタジー小説『黒魔女さんが通る!!』シリーズは、信じていた仲間が急に敵に寝返る場面が印象的。辻村深月さんの「盲目的な恋と友情」では親友が主人公を守ろうとするあまり、最後の最後で意外過ぎる行動に出る。“えーっ! そんなことしちゃうの!”って、少しずつ膨らませてきた想像を遥かに超える展開に驚かされるのが好きで、そういうのに遭遇すると心が一気に躍り出します」

 意外な才能が見せる今後の展開に、乞うご期待。

「週刊新潮」2020年9月10日号 掲載