インパクト不足?

 TBSは9月8日、10月期番組改編説明会をオンラインで行った。スポーツ紙などが報じたが、電子版のスポニチアネックスは同日、「TBS『グッとラック!』大刷新 ロンブー淳、橋下徹氏、福田麻貴、フワちゃんレギュラー参戦」の記事を報じた。

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 ご存知の通り、TBS系列で放送されている「グッとラック!」(平日・8:00)は、立川志らく(57)と局アナの国山ハセン(29)がMCを務めるワイドショーだ。

 同じTBSのワイドショー「ひるおび!」(平日・10:25)のコメンテーターとして人気を博している立川志らくが、その前番組でMCを務めるということから、スタート前は大きく注目されていた。

 だが視聴率は苦戦しており、今回はレギュラーのコメンテーターを《大刷新》することで視聴者の関心を惹こうとしたようだ。

 民放キー局で番組制作に携わるスタッフは、「テレビ業界は、お笑いトリオ『3時のヒロイン』の福田麻貴さん(31)に注目しています」と明かす。

「お笑い芸人がワイドショーからコメンテーターとして呼ばれるのは、人気を示すバロメーターの1つです。実は福田さんは先月、橋下徹さん(51)とスペシャルコメンテーターとして『グッとラック!』に出演しました。その時は緊張からか言葉数も少なく、満足のいく内容ではなかったように見えました」

 福田は大阪市出身で、実家は道頓堀の雀荘だという。進学校の府立住吉高から関西大学商学部に進んだ。

福田に集まる期待

「3時のヒロイン」の中ではネタ作りを担当しており、“ギャグを生み出す知性”が期待されての抜擢と言って間違いないだろう。

「お笑い芸人としては、まさに今が旬でしょう。女性芸人ナンバーワンの人気という声もあります。イジられた時の返しも面白いですし、ツッコミもお手の物。フリートークやアドリブトークもそつなくこなし、ひな壇でもロケでもいい仕事をすると、スタッフ受けが抜群です」(同・スタッフ)

 いわば“笑いの優等生”ということのようだ。だからこそテレビ業界は、福田のワイドショー進出に注目しているという。

「実は、女性芸人の姿をワイドショーで見ることが増えてきましたが、どうも男性芸人に比べるとインパクトに欠けると言われています」(同)

 芸人コメンテーターは、ある時は正論を述べ、ある時は毒を吐き、辛口で斬ったり、ボケたりと、自由自在なトークが期待されているという。

「それこそが弁護士や医師といった専門職のコメンテーターができないことなのですが、バラエティ番組で大活躍する名うての女性芸人でも、ワイドショーは苦戦していることが多いのです。こうした傾向を福田さんが打破できるか、関係者が関心を持っているのです」(同)

女性芸人は不必要?

 では平日のワイドショーで、全国ネットかそれに近い番組で、女性芸人がどれくらいレギュラー出演しているか調べてみた。表にまとめたので、まずご覧いただきたい。

 そもそも、朝のワイドショーは女性芸人を、レギュラーのコメンテーターにはキャスティングしないようだ。

 これに対して「グッとラック!」のリニューアルは、同時間帯のライバル番組では出演しない女性芸人が2人もレギュラー入りする。そうした意味でも《大刷新》なのかもしれない。

 次は午後をご覧いただこう。

 こちらは女性芸人の数が多いが、これは表にある通り、「ゴゴスマ〜GOGO!Smile!〜」(制作:CBSテレビ・TBS系列・平日・13:55)のキャスティングが大半を占めている。やはり女性芸人をレギュラーでは起用しないワイドショーは午後でも少なくない。

女性“MC”は活躍

 どうやら「女性芸人のコメンテーターはインパクトに欠ける」という指摘は正しいようなのだ。

「かつて、ベテランの女性芸能人が“ご意見番”として活躍した時代がありました。野村沙知代さん(1932〜2017)、浅香光代さん(92)、細木数子さん(82)、デヴィ夫人(80)、和田アキ子さん(70)といった顔ぶれです。その歯に衣着せない指摘は、今のコメンテーターより伝播力の強いメッセージとして芸能メディアに重宝されていました」(同)

 決して女性芸人とコメンテーターという役割の相性は悪くないはずなのだが、実際は違う。しかも更に興味深いのは、女性芸人とワイドショーのMCは成功例があるということだ。

「女性芸人がワイドショーのMCで成功したと具体例なら、何と言っても上沼恵美子さん(65)です。先日、『快傑えみちゃんねる』(制作:関西テレビ)を降板して話題になりましたが、まだ『上沼・高田のクギズケ!』(制作:読売テレビ、中京テレビ放送・日・11:40)が放送されています」(同)

芸人らしくないコメント

「クギヅケ!」も時事ニュースを題材にしており、立派なワイドショーだ。

「上沼さんの番組がどれだけ大阪の視聴者を喜ばせているかは、『えみちゃねる』の降板騒動で明らかになったと思います。彼女こそ、ワイドショーの世界で女性芸人として成功を収めた唯一の例かもしれません」(同)

 表に「スッキリ」(日本テレビ系列・平日・8:00)があるが、ここに近藤春菜(37)の名前がないと訝しく思った方もおられるだろうか。

 彼女のコメントはネットニュースなどで速報され、大きな反響を呼ぶことも珍しくない。だが、番組の公式サイトを見れば、近藤は加藤浩次(51)、水卜麻美(33)と並んでMCとして扱われていることが分かる。

「多くの女性芸人はワイドショーでコメントを求められると、芸人らしさを忘れてしまうのだと思います。例外は松嶋尚美さん(48)で、彼女はズレたコメントをしますけれど、むしろそれが芸人らしくていい。その一方で、レギュラーではありませんが、『ゴゴスマ』で野々村友紀子さん(46)がコメンテーターとして出演すると、こちらはコメントが話題になることがあります」(同)

 だが彼女のクレジットは「芸人」ではない。野々村は1992年、お笑いコンビ「高僧・野々村」でデビュー。だが99年に解散すると、放送作家に転じたからだ。

打倒アンミカ!?

 視聴者に届くコメントをできるという意味では珍しい成功例と言えるのだが、やはり純粋な女性芸人ではない。番組側は「放送作家」とクレジットしているようだ。

「ワイドショー全体を見渡してみると、女性コメンテーターなら『グッとラック!』、『バイキング』(フジテレビ系列)、『ミヤネ屋』(制作:読売テレビ・日本テレビ系列)でレギュラーや準レギュラーとして起用されているアンミカさん(48)の存在感が傑出していたりします。女性芸人は『アンミカに追いつき、追い越せ』を目標に頑張るべきなのかもしれません」(同)

 フジテレビが月1回の放送を行っているお笑い深夜番組「ウケメン」で、かつて福田麻貴は“アンマキ”というアンミカそっくりの女性に扮してモノマネを演じるコーナーを持っていた。

 偶然とはいえ、福田が“打倒アンミカ”の役割を期待されるとなると、非常に興味深いとは言えるだろう。

 ちなみにアンミカも府立住吉高の卒業生であるため、2人は先輩後輩の関係になる。

週刊新潮WEB取材班

2020年9月28日 掲載