各局で新作ドラマがスタートする。今年はそのラインナップに目を引く特徴が。

「主人公やそれに準じる主要な登場人物に、編集者が多く登場することですね」

 とはさる放送記者。

「4月に始まる連ドラのうち、編集者や記者が登場するのが5作品。五つの局で、ここまで同じ職業の役柄が揃い踏みするのは珍しい」

 そのうち漫画雑誌の編集部が舞台となるのは3作品。吉川愛(21)の初主演作となる、日テレ系「カラフラブル〜ジェンダーレス男子に愛されています。〜」に注目するのは、放送作家兼コラムニストの山田美保子氏だ。

「吉川は持ち前の美貌もさりながら、同世代の中で演技力や存在感がピカイチ。彼女が編集者として修業する姿は、ちょうど社会人として働き始めた同世代の視聴者から共感を集めそう」

 お次は鈴木亮平(38)が少女漫画家を演じる、フジ系の「レンアイ漫画家」だ。

「ヒロインの吉岡里帆(28)は葬儀社のスタッフですが、片岡愛之助(49)が敏腕編集者役で出演。鈴木、片岡と力のある演技派が吉岡の脇を固めていて要注目」(同)

 さらに人気コミックが原作のテレ東系「理想のオトコ」は、複数の男たちの間で揺れ動く主人公の親友役が漫画誌の編集者の設定だ。

 出産後初めて連ドラに出演する北川景子(34)は、TBS系「リコカツ」で主演。役柄はファッション誌の編集者。また、NHKの「半径5メートル」では、永作博美(50)らが女性週刊誌で働く女性記者たちの人間模様を演じるという。

 一方、これまで連ドラの王道とされた警察モノ、医療モノの新作は、それぞれテレ朝が手がける1本ずつの計2本が目に留まる程度。

 何ゆえいま、ここまで編集者モノが支持されるのか。

「2016年にはコミック誌編集者の奮闘を描いた黒木華(31)主演のTBS系『重版出来!』や、石原さとみ(34)が校閲者を演じた日テレ系『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』が高視聴率を記録。これで各局は視聴者のニーズに気付きました。作家や漫画家とは違って、裏方である編集者の仕事ぶりはまだまだ知られていない。だから作り手にとって出版界はなお掘り進むべき“鉱脈”なんです」(同)

 憧れの職業に出版社がランクインしたとは聞かないものの、さりとて編集者モノはドラマ制作における隠れた定番ともされてきた。

 ライバル誌との競争や過酷な締め切り、コワモテの編集長――。設定が作りやすく仕事は多彩。その上多くのキャラと絡ませられる。

「加えて現状ではコロナ禍の影響が見過ごせません」

 とは山田氏。

「撮影現場では厳しい感染防止策が必要で、安易に場所を変えられない。その点、主人公の職場が編集部なら多くのシーンをそこで撮れる。他のセットや屋外ロケも必要なく、制作費や手間暇の面でメリットは大」

 美しく描いてくださいネ。

「週刊新潮」2021年4月8日号 掲載