日曜ドラマ「ネメシス」(日本テレビ)がスタートした。4月11日の初回は、W主演の広瀬すず(22)と櫻井翔(39)、レギュラー陣の江口洋介(53)、仲村トオル(55)、石黒賢(55)、勝地涼(34)らにに加えて、ゲストには大島優子(32)、橋本マナミ(36)、伊武雅刀(72)が登場した。22時30分スタートのドラマなのに、制作スタッフも作りも豪華で、パロディも満載、なんでも最終回までに新人から名優まで75名以上が出演するとか。このご時世にしては何とも贅沢なドラマなのだ。

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「ネメシス」は、天才すぎる助手(広瀬)とポンコツ探偵(櫻井)という、探偵“バディ”もので、1話完結の事件と20年前の謎を解く全10話のミステリーだ。

 スタッフは、プロデューサーに映画「ちはやふる」「キングダム」の北島直明。総監督には映画「SR サイタマノラッパー」「22年目の告白―私が殺人犯です―」の入江悠。脚本は入江監督や同じく映画監督の片桐健滋に加え、脚本協力として作家の今村昌弘、藤石波矢、周木律、降田天、藤石波矢、青崎有吾、松澤くれはが加わるという豪華さだ。

 出演者には上記に加え、真木よう子、橋本環奈らも発表されているが、最終回までに新人から名優まで75名以上。出演料だけでもかなりの額になるはずだ。

パロディ満載

 櫻井演じる自称名探偵は、見た目は「名探偵コナン」(日テレ/読売テレビ制作)そのまんま。

 彼らが所属する探偵事務所ネメシスのCEO・江口は、パーマ頭にソフト帽スタイルで、いかにも「探偵物語」(日テレ:79〜80年)の工藤ちゃん(松田優作)を意識したかのようで、「太陽にほえろ!」(日テレ:72〜86年)のジーパン刑事(松田)の「なんじゃこりゃあ」のセリフも。

 さらに日産シルビアに乗って現場に到着した刑事役の勝地と中村蒼(30)は、グラサンをかけて互いに“タカ”“ユウジ”と呼び合い、かおる(富田望生[21])まで登場して、まさしく「あぶない刑事」(日テレ:86〜87年)ではないか。同じ出演者には、本物の“あぶデカ”仲村トオルもいる。

 なんて贅沢――というより、なんだかこの時間枠にはもったいないほど。おかげで初回視聴率は11・4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)と最高のスタートを切った。ちなみに個人視聴率は6・2%、占拠率は28・0%とこちらも文句なし。日テレ関係者は言う。

バズらせて現ナマを取る

「高視聴率に上層部や編成は喜んでいますが、ドラマ部スタッフの顔色は冴えないようです。何しろ、プロデューサーの北島は映画部ですし、撮影は『キングダム』制作陣のクレデウス。総監督は外部と、ドラマ部は関わっていませんから」

 そうだったのか。

「もちろんドラマ部だって、石原さとみと綾野剛の『恋はDeepに』(水曜22時)、有村架純と菅田将暉の『コントが始まる』(土曜22時)がありますから、日曜ドラマまで手が回らないということもありますからね」

 そうはいっても、TBSの“日曜劇場”やフジテレビの“月9”で放送してもおかしくないドラマである。なぜ、そんなに力が入っているのか。

「日テレとしては、日曜ドラマはバズって儲かることが重要なのです。昨年、実写映画No.1にもなった『今日から俺は!!』はもともとこの枠でしたが、これも福田雄一監督に全部任せた。『あなたの番です』の総監督は秋元康さんで、営業的にもっとも理想的なMF1層(20〜34歳の男女)、MF2層(35〜49歳の男女)がついてきたおかげで、最終回の視聴率は20%に迫りました。経営陣としては、ドラマ部の社員が作ろうが、外部の人間が作ろうが、関係ありません。作品がバズってDVD化、映画化、Huluの配信で儲ける戦略です。番組スポンサーからの収入だけで製作する時代ではなくなったのです」

 だからこそ、

「日曜ドラマには予算も付く。それで豪華な座組も作れるわけです。いまやテレビドラマはお茶の間に家族が集まって見るものではなくなりました。MF1層、2層に見てもらえるような作りにしないとダメなんです」

 そのヒントは、意外なことにテレビ東京と言われているそうだ。

「テレ東の深夜ドラマには話題作が多い。山田孝之主演でシリーズ化された『勇者ヨシヒコ』、映画化もされてヒットした長澤まさみの『モテキ』、松重豊の『孤独のグルメ』、西島秀俊と内野聖陽の『きのう何食べた?』などなど。『バイプレイヤーズ』は今、劇場版が公開中で主演の元祖脇役・田口トモロヲ、遠藤憲一、松重豊、光石研よりも、役所広司や有村架純、天海祐希など豪華な脇役陣でも話題となっています。そして、13年に映画化された染谷将太と夏帆で映画化もされた『みんな!エスパーだよ!』の監督こそ、今回『ネメシス』の入江総監督ですし、『きのう何食べた?』は片桐監督です。彼らに製作してもらうことで、日テレは有料の客を呼び込んで、現ナマを手に入れようとしているわけです。当然、ここまで豪華になった『ネメシス』も、映画化前提ということですよ」

デイリー新潮取材班

2021年4月18日 掲載