安住紳一郎アナ(47)が、秋からTBSの朝の顔になることが発表された。これまで彼はTBSの顔として、「レコード大賞」など大型特番のMCを務めてきた。ところが、意外なことにMCを務める生レギュラー番組となると、「新・情報7days ニュースキャスター」(土曜22:00〜23:24)しかない。それが月〜金(6:00〜8:00)の生番組(タイトル未定)のMCに。安住アナにどんな心境の変化があったのか。

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 安住アナといえば、人気No.1の男性アナであることに間違いはない。97年にTBSに入社し、06年にスタートした「好きな男性アナウンサーランキング」(オリコン)では初回から1位のまま、09年には殿堂入りを果たしている。

 その間にも着々と実力をつけてきた、と芸能記者は言う。

「入社した年から、彼は『情報!もぎたてサラダ』や『はなまるマーケット』に出演し、レポーターなどをこなして人気に。翌98年には早くも、平日午後の情報番組『ジャスト』でMCの三雲孝江アナ、土井敏之アナと共にパーソナリティを務めました。オウムビデオ問題でワイドショーから撤退したTBSが2年ぶりに復活させた情報番組でしたから、実力のある自局アナウンサーを選んだのでしょう。さらに、02年には朝の情報番組『おはよう!グッデイ』のMCに口説いたそうですが、彼は断った。そこで元フジテレビの露木茂アナが務めることになったと言われています」

 この時、誘いに乗っていれば、とっくに朝の顔になっていたはずだが……。

16年ぶりの朝番組

「一説には、『はなまるマーケット』でMCヤックン(薬丸裕英)の代役を務めた際、うまくいかず、三雲アナに叱られたことがトラウマになったとも言われました」

 単独でMCを務めるようにったのは03年の「ぴったんこカンカン」からだ。

「それも生放送ではありませんでした。05年から始まったTBSラジオ『安住紳一郎の日曜天国』で生トークを鍛え、08年にようやく生放送のレギュラー番組『Nキャス』でMCを務めるようになったわけです」

 だがその後、安住アナがレギュラーの生番組MCを増やすことはなかった。

「フリーアナの夏目三久アナが結婚したことで、彼女がMCを務めていた『あさチャン!』(平日6:00〜8:00)は9月末で終了。後継番組のMCとして白羽の矢が立ったわけです。帯の情報番組を担当するのは『ジャスト』以来、実に16年ぶり。メインMCとしてはもちろん初めてのことです」

フリー化も視野に

 TBSは、朝の情報番組で長年にわたり苦戦してきたと言うのは、民放プロデューサーだ。

「『みのもんたの朝ズバッ!』(05〜13年)は、みのさんの抜擢で一時首位に立ったことがあるものの、総じてTBSの朝の情報番組は弱かったですね。『あさチャン!』の夏目アナは、『半沢直樹』の件もあって切るに切れなかったわけですが、彼女の結婚でようやく終わらせることができた。そこで満を持して、TBSは最強のカードである安住アナを投入したということでしょう」

 なぜ、今になって朝の生番組を受けたのだろう。

「これまでも、なぜ生の帯番組を持たないのかは、業界でも話題になったことがあります。一説には、偏屈説です。あれだけハンサムで人気者なのに、いまだ独身ですからね。実際、社長や編成の言うことを聞かないのが信条だそうで、現場でけっこう厳しいことを言う人で知られています。共演しているビートたけしさんも自分の連載で証言しています」

《安住って、テレビ画面じゃいつもニコニコしてるけど、スタジオじゃCMになるとすごいんだよ。スタッフに「ここはこうして!」「そんなんじゃダメだよ!」みたいに、矢継ぎ早に厳しい口調でバンバン指示出してるんだよな》(「週刊ポスト」連載「ビートたけしの21世紀毒談」:19年7月12日号)

 安住自身も5月23日のラジオ「安住紳一郎の日曜天国」で、新番組を担当するに当たり、心配事としてこう語っていた。

「私が最も憂いているのは、朝の番組のスタッフに強い口調で言い続けてパワハラで捕まること……」

 だからこそ、たけしは安住アナに絶大の信頼を寄せているのだろう。彼がそこまで番組作りに熱心なのは、サラリーマンであるからとも言っている。

《ちょっと前だったら、安住くらい売れていれば、荒稼ぎしてやろうっていうのが多かったけど、安住はそうじゃない。「サラリーマンだから自分のキャラが生きてる」ってのをよくわかってるんだよな。》(同:21年4月9日号)

 だから、フリーにはならないというわけだが、

「もともと派手な名誉欲や金銭欲もないのでしょう。とはいえ、彼も入社25年目になるベテランで、新番組が始まる秋には48歳になっている。いくら“サラリーマンこそキャラが生きる”と言っても、会社員としてのゴールも見えてくる時期です。現在の制度だと55歳で役職から離れ、60歳で定年退職です。ならば、新番組を受けて、例えば5年務めれば53歳でしょう。TBSの取締役を目指すにせよ、フリーになるにせよ、その時点で決めればいい。今、朝の番組をやることは彼にとって、決して悪いことではありませんよ」

 さて、安住アナ投入で、朝の情報番組の勢力図は変わるだろうか。現在、同時間帯では日本テレビ『ZIP!』(5:50〜8:00)、テレビ朝日『グッド!モーニング』(4:55〜8:00)、フジテレビ『めざましテレビ』(5:25〜8:00)、そしてNHKの『おはよう日本』(5:00〜8:00)が鎬を削っている。

「間違いなく視聴率は上がると思います。可能性は十分あります。というより、彼はそれを見越した上で、今が潮時と打って出る覚悟をしたのかもしれません。昨年まで3年連続で視聴率トップを取っていたのが『めざまし』(フジ)。それを追い上げているのが、この4月に“エース”水卜麻美アナを投入した『ZIP!』(日テレ)です。『めざまし』には井上清華アナが抜擢されましたが、かつてのアヤパン(加藤綾子アナ)のような絶対的な人気者にはなっていません。また、『グッモニ』(テレ朝)の坪井直樹アナは地味ですし、MCに就任したフリーの新井恵理那アナはまだお客様感が抜けきらない。NHKは同じ土俵とは言えませんから、この中でなら勝算はあるし、TBSへの恩返しも果たせると思ったのでは」

 同じく殿堂入りを果たしている水卜アナは強敵ではないのだろうか。

「女性アナですから、がっぷり四つの相撲で勝った負けたという話にはなりにくい。むしろ、彼女と入れ替わるように退いた桝太一アナのほうがやりにくかったでしょうね。他局が女性アナ推しの中、安住アナ同様、好きな男性アナで殿堂入りを果たした桝アナとの一騎打ちは、先輩アナとして負けるわけにはいきません。桝アナは安住アナを目指していると公言していますから余計でしょう。桝アナがいなくなったことも、朝の帯番組を決意させた一因だと見ています」

 やはりフリーになるつもりだろうか。

「朝の顔は局アナにこそ相応しいと思いますし、ある意味で局アナにとっての終着点でしょう。フリーアナの先輩である徳光和夫(元日テレ)や草野仁(元NHK)、みのもんた(元文化放送)、久米宏(元TBS)なども今は番組がなくなりました。活躍しているのは羽鳥慎一(元日テレ)くらいでしょう。空いている席はありますからね。私は数年後、フリーになると見ています」

 安住アナの生放送は、新番組で月〜金、「Nキャス」で土曜、ラジオで日曜。さらに複数の収録番組がある。フリーになるにせよ、体にだけは気をつけて。

デイリー新潮取材班

2021年5月24日 掲載