AKB48の“不動のセンター”前田敦子(29)もグループを卒業して早9年。昨年大晦日にはそれまで所属していた太田プロとの契約を終了し、今年から個人事務所の社長に就任した。さらに今年4月23日には勝地涼(34)との離婚も発表し、彼女が一人息子の親権を持ってシングルマザーになった。公私ともに転機を迎えた前田の今後を占う。

 ***

 前田敦子がテレビへの出演を増やしている。最近では情報番組に出演し、AKB48の元メンバーたちとの共演も次々と……。芸能記者も驚いている。

「5月4日には『ノンスップ!』(フジテレビ)で高橋みなみ(30)と共演。高橋は『何か思い立つ瞬間が敦子なりにあるのか、突然全ての連絡先を変えるんです』と彼女が新しいスマホに連絡先を引き継がないことを暴露されていました。26日には『ラヴィット!』(TBS)で篠田麻里子(35)と共に神楽坂散歩のロケをこなし、AKB総選挙の直前になると『みんながそれぞれが、ピリピリしだす』と当時の様子を語っていました。29日には『王様のブランチ』(TBS)で、AKBを卒業した峯岸みなみ(28)のためにVTRでサプライズ出演もしました。かつての彼女なら、考えられません」

 もちろん、本業である女優業でも活躍している。

 テレビドラマは、3月に「バイプレイヤーズ〜名脇役の森の100日間〜」(テレビ東京)、4月には「イチケイのカラス」(フジテレビ)に出演した。

 映画は、3月19日に公開された「劇場版 奥様は、取り扱い注意」、4月9日公開の「バイプレイヤーズ〜もしも100人の名脇役が映画を作ったら〜」、5月12日公開の「くれなずめ」、主演映画「DIVOC-12『睡眠倶楽部のすすめ』」の年内公開も控えている。

 さらに野田秀樹の舞台「フェイクスピア」は5月24日からの上演と順調のようだ。ところが、民放ディレクターはこう言う。

何でもやります!

「ドラマはレギュラー出演ではなく、1話限りのゲスト出演。映画も脇役です。唯一の主演映画『DIVOC-12』は短編映画のオムニバスの中の1本。確かに仕事はこなしていますが、かつてなら引き受けなかったであろう脇役が増えました。独立前に『仕事、何でもやります!』と頭を下げて回ったと報じられましたが、ようやく何でもやる気になったのかもしれません」

 竹野内豊主演の「イチケイのカラス」第2話(4月12日放送)に出演した前田は、1歳半の娘を激しく揺さぶり大けがを負わせたとして、傷害罪で懲役2年6カ月の刑(後に差し戻し裁判に)が下される“鬼母”役だった。送検時に撮られた笑みが“鬼女の微笑み”としてネットで炎上した、という設定も納得の演技だった。

「勝地涼との不仲が報じられ、離婚直前だったわけですから、彼女の私生活を思いながら見た視聴者も少なくなかったかもしれません。太田プロに所属していたら、まず受けなかった仕事でしょう。それは情報番組やバラエティへの出演でも感じましたね」

 中でも際立っていたのは3月30日の「ウチのガヤがすみません!」(日本テレビ)という。番組はグループ卒業後、共演がなかったという“神7”の一人、板野友美との2ショットから始まった。

孤独な女王

「AKBの元メンバーに言わせれば、現役時代の前田は“絶対神”であり、手の届かない存在だったそうです。しかも群れない、孤独な女王だったと。卒業後も彼女に会っているメンバーはほとんどいないそうですからね。もっとも、スマホの連絡先を引き継がないのですから無理もない。さらに『ウチのガヤ』では、共演NGと言われていたモノマネタレントのキンタロー。とも初めて共演して見せた。おまけにキンタロー。には、共演を拒むというドッキリまで仕掛けていました。こんなこと、昔なら絶対にやらなかったはずですよ」

 仕掛けられたキンタロー。は、ドッキリと分かって号泣。「もう、終わったと思いました」「(前田とは)共演NGと思っていました」「(これまで)会えなさすぎて、大きな力が働いているんだと思っていた」などと涙声で叫んでいた。

「前田が“大きな力”を失ったことは確かです。かつてビートたけしや山田邦子も在籍した太田プロは、有吉弘行などお笑いの芸能事務所と見られがちです。しかし現在は、大島優子、指原莉乃といった元AKB総選挙1位、前総監督の横山由依も所属しています。実は、太田プロの創業者の娘で現社長の姉である磯野久美子さんが秋元康氏の盟友。そのためAKBの最上メンバーたちを彼女に託したという経緯があります。同事務所はギャラのタレントの取り分が6割とも7割とも言われており、指原も居心地の良さを吹聴しています。実際、太田プロを辞めたタレントの話は滅多に聞きません。つまり前田が辞めたのは、単なる独立という意味だけでなく、秋元氏の庇護をも拒んだということになります。もちろん、彼女もそれを承知の上で独立したのでしょうがね」

 それでも、野田秀樹の舞台に出演するのだから大したものだ。

「初舞台は“世界の蜷川”こと蜷川幸雄氏が演出した『太陽2068』(14年、主演:綾野剛)を皮切りに、岩松了さんの『青い瞳』(15年、主演:中村獅童)、朗読劇の『ラブ・レターズ』(16年)では柄本時生と共演するなど、彼女には舞台運があるようです。結婚後は、子育てもあって舞台から遠ざかっていましたが、5月からの『フェイクスピア』(主演:高橋一生)はワークショップに参加した上でのオファーということですから、やる気も伝わってきます」

 公式ページには、野田舞台へ参加することの喜びを伝える動画が公開されている。

前田:前田敦子です。この度、NODA MAPに初出演となります。頑張りまっす!

――ニコニコである。そして主演依頼を受けた時の気持ちを語る。

前田:エージェントさんから電話がかかってきて、「“お願いします”ってことでしたよ」って言われて、「やったー!」って言いながら「やったよ、ママ、やったよ!」って泣きながら喜んでたら、子供が一緒になってイエーィ!ってなってくれて、私がそんなに喜んでる姿を見るのが初めてだったので、すごい嬉しかったらしくて。子供がすっごいテンション上がって、後ろからハグしてくれて、そのままずっと踊ってました。みんなで喜んでました、おうちで。

「久しぶりに喜べて良かったと思います。息子のみならず、彼女の笑顔は日本人なら誰もが愛してやまないものだと思います。ドラマ『イチケイのカラス』のゲスト出演も、疑いが晴れて彼女が見せた本当の笑顔に好感を寄せた視聴者は少なくありませんでした。問題は、彼女がこれまで現場で見せてきた仏頂面です。独立した今、彼女をちゃんとマネジメント、プロデュースできる、いわゆる“振付師”さえつけば、決して彼女の将来は暗くないと思います」

デイリー新潮取材班

2021年5月30日 掲載