「金鉱脈を掘り当てた!」とテレビ業界で話題なのが、“女子孤食ドラマ”だとか。

 先鞭をつけたのはテレビ東京。7月1日に放送開始された飯豊まりえ(23)主演の「ひねくれ女のボッチ」、その前クールに放送された江口のりこ(41)主演「ソロ活女子のススメ」は、いずれも大いに話題を呼んだ。

「女子孤食ブームのハシリはテレ東系の武田梨奈(30)主演の『ワカコ酒』シリーズです。2015年から昨年まで5シーズンを数え、他のキー局も参戦する準備を始めていると聞くほどのヒット作になりました」(芸能評論家の三杉武氏)

 3作の主人公はどれも独身OLや契約社員、コンビニのアルバイトなど身近な設定で、彼女たちが居酒屋などを一人で訪れ、酒肴に舌鼓を打つ――。そんな現代の独身女性の“リアルな生態”が描写されているのが特徴だ。

 当初はマニアックな深夜ドラマと見られていたが、日に日に世の女子の共感を呼び、いまや“鉄板ネタ”と業界で称されるまでに。

 ここまで人気が出たワケをコラムニストの山田美保子氏はこう分析する。

「コロナの影響は見過ごせません。みなでワイワイ楽しむことができなくなった分、いかに一人で楽しむかといった“おひとりさま志向”がコロナ禍で急速に強まった。そうした生活様式の変化に“女子孤食”は見事にハマったのです」

 さらに、と続ける。

「若い女性が一人で焼き鳥屋などを訪れて酒を呷り、悦に入るなど、90年代に一世を風靡した漫画家・中尊寺ゆつこさんの“オヤジギャル”を彷彿とさせます」

 バブル時代の女子の行動様式を再現したような面白さもある一方、そこに“イマ時女子”ならではの心理と世相が現れていると読み解くのは前出の三杉氏だ。

「本来なら時間もエネルギーも相応に消費する恋愛に関して、現実世界での経験を回避し、Netflixで韓国ドラマを見ることなどで充足させてしまっている若い女性は少なくありません。ただ、彼女たちだって食への欲求は衰えていない。今は恋愛より、孤食にこそ他に代えがたい癒やしを求めているような風潮がある」

 自己完結型の愉しみには積極的で貪欲。そんなコロナ時代の“新・草食女子”が斜陽のテレビ界を救う?

「週刊新潮」2021年7月22日号 掲載