「CM多い」

 8月1日、オリンピックの新種目「BMXフリースタイル(パーク)」の男女決勝が行われた。午前10時過ぎからテレビ地上波でも中継が始まったが、放送したのは日本テレビだった。

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 ところが、この中継が視聴者から総スカンをくらってしまう。SNSには日本テレビの報道姿勢を疑問視する投稿が相次ぎ、いわゆる“炎上”に近い状態となった。

 複数のメディアも記事にするなど、日本テレビにとっては相当なイメージダウンになった。同社の関係者が取材に応じた。

「原因はCMの量です。競技時間は1分でしたが、終わると問答無用でCMを流しました。Twitterには《1分競技→15秒CM》と投稿されていましたが、私の感覚では1分ぐらいCMが流れた印象です。別のツイートには野球で1打席が終わったらCMを流すようなものだとありましたが、本当にその通りだと思います」

 Twitterを見ると、日本テレビを批判するツイートが多数、表示される。少しご紹介しよう。

《競技に被るタイミングでCM入れるような局は二度と中継しないで欲しい》
《少なくとも外国選手の演技の途中でCM入れるのすごい失礼だと思うんだけど》
《BMXの競技後の余韻なく、終わった瞬間に都度CMをぶち込んで来る日テレのセンス(笑)》
《解説途中でCM、選手毎にCM………全然集中出来ない》(註:改行を省略)

ゴルフも放送

「結果、『CM多すぎ』がTwitterのホットワードになってしまいました。NHK BS1もBMXを中継していたため、Twitterで『BSに切り替えよう』との呼びかけも投稿されました。あのCMの入れ方では、視聴者の反感を買って当然だと思います。“視聴者ファースト”ではありませんでした。SNSで『日テレのCMの入れ方は、まさにフリースタイル』と揶揄されましたが、返す言葉はありませんね」(同・日本テレビ関係者)

 同じ日の夜、日本テレビは女子バレーボールの中継を放送し。ここでも「CMが多すぎる」、「CMのタイミングがおかしい」と批判が集中した。まさに踏んだり蹴ったりの一日だったわけだが、話はこれで終わらない。

「この日は中継する競技を突然に変更することも繰り返し、これも視聴者を怒らせてしまいました。例えば、朝刊のラテ欄でBMXの後はバスケットボールを中継すると告知しました。ところがバドミントンの中継を流したり、バスケの試合も途中で打ち切り、ゴルフの中継に変えたりしたのです」(同・日本テレビ関係者)

 ゴルフに切り替えたのは、松山英樹(29)に視聴者の関心が集まっていると判断したからだろう。だがゴルフはNHKも放送していた。

お家芸が裏目に

「日本テレビには『民放なんだから、NHKが放送していない競技を流してほしい』と抗議が殺到しました。またバスケットボールのファンからもお怒りの声が多く寄せられました。フェンシングの中継を流した時間帯もあり、いたずらに視聴者を混乱させただけでした」(同・日本テレビ関係者)

 日本テレビと言えば「視聴率三冠王」だ。今回もアグレッシブに数字を取ろうとしたのは間違いないという。

「中継種目を臨機応変に変更させる編成戦略は、テレビ局としては正しいのかもしれません。視聴者の興味、関心は視聴率に反映されます。日本人が知らない外国人選手の活躍を映すより、日本人選手の活躍を見たいと考える視聴者は多いでしょう。しかしながら、ラテ欄の告知を見て楽しみにしていた視聴者もいるのは当然です。急に変更された時の驚き、落胆は想像に難くありません。寄せられた抗議の声から、『日テレが自分たちを裏切った』と怒りを爆発させたことが分かります」(同・日本テレビ関係者)

 日本テレビが視聴率三冠王となったのは、CMの入れ方に細心の注意を払ったことも大きいという。いわば“お家芸”が今回、炎上を引き起こしてしまったわけだ。

「目先の視聴率を優先する編成方針では、もう視聴者の共感を呼ばなくなったのではないかと思います。今回のようにSNSを中心に炎上し、日テレに対するネガティブキャンペーンが始まってしまいます。日テレの看板に傷が付きました。これを反省し、少なくともオリンピックやスポーツのビッグイベントでは、視聴者目線で中継をするよう心に刻むべきでしょうね」(同・日本テレビ関係者)

デイリー新潮取材班

2021年8月6日 掲載