東京・お台場のフジテレビで、社屋の球体展望室「はちたま」が落っこちるのではないかというほどの激震が走ったとか……。16日放送の朝の情報番組「めざまし8」の視聴率がなんと14.4%(ビデオリサーチ調べ:以下同)を記録したのだ。もっとも、これは関西地区の関西テレビの数字だ。ゴールデンなら表彰モノの超高視聴率は、なぜ生まれたのだろうか。

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「めざまし8」今年は3月29日、小倉智昭の「情報プレゼンター とくダネ!」に替わり、谷原章介のMCでスタートした。関東地区では、「とくダネ!」最終回の視聴率は7.3%、「めざまし8」初回は6.2%だった。フジテレビ関係者が言う。

「関西地区では『とくダネ!』最終回が8.3%、『めざまし8』初回は8.7%でした。いずれも関東より高いのは、後番組の『ごきげんライフスタイル よ〜いドン!』が抜群の高視聴率を誇る人気番組だからでしょう。後番組が人気なため、前番組後半の数字も上がり平均視聴率を押し上げているのではないでしょうか。とはいえ今回の高視聴率は、NHKの朝ドラ『おかえりモネ』(13.3%:関西地区)をも超える数字でしたから、一瞬ビデオリサーチが計算違いでもしたのかと思ったほど……」

関西で炎上しかけた谷原

 ちなみに「よ〜いドン!」は、関東では未だ♪とんでとんで……の「夢想花」のイメージが強い円広志がレギュラーパーソナリティを務め、女性お笑いコンビのハイヒールや羽野晶紀、月亭八方などがレギュラーの関西ローカルの生活情報番組だ。

「とはいえ、『めざまし8』の谷原さんは生まれも育ちも横浜で、関西とは関わりがない。むしろ、番組が始まって間もない4月7日には、大阪ミナミの繁華街にあるカニ料理店の看板、通称“カニタワー”が2人組の男に破壊されたニュースを取り上げ、谷原さんが『よく関西ってケンタッキーのカーネルおじさんがダイブしたりとかありますけど……これ、文化的なものなんですか?』と発言。まるで器物損壊が関西文化であるような物言いに、ネットで炎上しかけたこともあったほど……」

 高視聴率の謎を民放プロデューサーが分析する。

谷原が関西で人気なわけ

「実は16日、NHKでは朝ドラの後が高校野球の生中継だったので『あさイチ』もなく、同様に関西地区ではテレ朝系の『羽鳥慎一モーニングショー』(ABCテレビ)ではなく高校野球中継というラッキーが重なったことも要因のひとつでしょう。それでも同時間帯の日テレ系『スッキリ』(読売テレビ)の7.9%、TBS系『ラヴィット!』(MBS毎日放送)の3.6%をはるかに凌ぐ14.4%の説明はつきません。しかも『めざまし8』の翌17日は12.6%、18日は10.7%とやや下がったものの二桁をキープしました。18日は甲子園が雨天中止のため『モーニングショー』が放送されたためと考えられます。2ポイント程度しか落ちなかったのは、スマートな関東人の羽鳥アナ(埼玉出身の横浜育ち)が関西では人気がないためと考えられます」

 谷原だって、スマートな関東人だが?

「しかも谷原さんの場合、好物は関西人の嫌う納豆で、好きな球団は広島カープ、関西人に好かれる要素は皆無と言っていいでしょう。『めざまし8』で谷原と一緒にMCを務める永島優美アナは神戸出身ですが、それが理由とは考えにくい。やはり谷原人気だとしか思えません。人気が出た理由は、ひとつだけ考えられます」

 一体何があったのか?

「実は、昔から関西人は“大阪発の全国放送”が大好きで、その主役はヒーローと言っていい存在です。今年放送50年を迎える桂三枝(現・文枝)の『新婚さんいらっしゃい!』(ABCテレビ)、やすしきよしの『プロポーズ大作戦』(同)にはじまり、全国放送の司会はその後も、島田紳助、明石家さんま、ダウンタウンと大物芸人に決まっていました。例外だったのが『パネルクイズ アタック25』(同)の児玉清さんでした」

 彼は東京生まれの東京育ち、しかも役者だ。

「関西には縁もゆかりもありません。それでも関西人は、日曜昼下がりの小さな番組と、その司会を30年以上続けた児玉さんを、愛して止まなかった。児玉さんが亡くなり、後を引き継いだのが谷原さんです。そして『アタック25』は7月2日に、9月で番組を終了することが発表されました。『めざまし8』の人気急騰は、『アタック25』の後継者である谷原への判官贔屓、そして来たる『アタック25』ロスへの思いではないか……」

 そんなことがあるのだろうか。

「地元出身でなくても、一度関西で人気が出れば、関西人は義理堅いんです。古くは『てなもんや三度笠』(ABCテレビ)で“非常にキビシ〜ッ!!”の流行語を生み人気を博した財津一郎。彼は熊本出身ながら東京のエノケン(榎本健一)の学校で演技を学んだ人ですが、いまだに♪ピアノ売ってちょーだいと関西発のCMで人気です。そもそも『てなもんや』で主演した藤田まことも東京生まれ。また、『探偵!ナイトスクープ』で、長年“秘書”を務めた岡部まりは長崎出身ですが、番組で人気になり、参院選には大阪選挙区で立候補したほど。他にも東京出身ですが関西ローカルに縁がある水野真紀は、MBSでグルメ番組『水野真紀の魔法のレストラン』を20年以上続けています。もっとも彼女の場合、夫の後藤田正純代議士の地盤、徳島でも見ることができるからかもしれませんけど……」

デイリー新潮取材班

2021年8月26日 掲載