8月30日、日本テレビが16年続いた「おしゃれイズム」の9月終了を発表した。その翌日、テレビ朝日は「おしゃれイズム」を卒業する上田晋也、そして有田哲平のくりぃむしちゅーの新番組を、10月からスタートすると発表した。放送時間は「おしゃれイズム」と同じ日曜夜10時台。日曜夜の日テレVSテレ朝、仁義なき戦いの最終章の始まりである。

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 当の上田も、さすがに裏番組に出演するのはどうかと考えたようだ。テレ朝での新番組「くりぃむナンタラ」について、以下のようにコメントしている。

上田:『くりぃむナンタラ』は、日曜夜10時台といういい時間帯で、お笑いにガッツリ寄った内容をやらせていただけるということなので、楽しい番組を作っていきたいなと思います。日曜の夜といえば、これを見て寝るのではなく、もうちょっと後に見てほしいスポーツ番組もありますし(笑)、僕、16年半くらい裏番組(『おしゃれイズム』)に出ていたんですよね。それが終わるやいなや「オマエ、もう裏に行くのかよ!」と言われてしまうかもしれませんが(笑)、とにかく楽しい番組にしたいですね。

 日テレ関係者は苦々しそうに言う。

週末は日テレ三昧の上田

「まさに『オマエ、もう裏に行くのかよ!』という気分です。たしかに、16年以上も日曜夜10時の顔として『おしゃれイズム』を担当してもらった、彼の卒業を決めたのは日テレです。とはいえ、『おしゃれイズム』の後には、新たに山崎育三郎さんをMCにした『おしゃれクリップ』が始まるわけです。同じ日曜夜10時に上田さんが出演していたら、日テレだと思い込んでチャンネルを止めてしまう可能性だってあるわけですよ。日テレ上層部は、振り上げた拳の行き場を失い、テレ朝にやられたと呟くばかりです」

 終了を決めた番組の出演者が、どこへ行こうと文句を言う筋合いはないのでは?

「上田さんが《もうちょっと後に見てほしいスポーツ番組》と言ったのは、『Going! Spots & News』(日テレ:日曜23:55〜)のことでしょう。それだけではありません、“日テレッ子”とまで言われる上田さんは現在、日曜だけで日テレ系4本のレギュラーを持っているんです。そこにテレ朝が新番組を入れてくるなんて、思いもよりませんでした」

 現在の上田のレギュラー番組は以下の通りだ。

日テレッ子?テレ朝ッ子?

 確かに日曜4本のレギュラーは全て日テレ系(BS日テレを含む)。土曜日も加えれば、上田の日テレ系レギュラーは6本! まさしく日テレッ子である。

 テレ朝の新番組「くりぃむナンタラ」は、火曜深夜に放送中の「にゅーくりぃむ」の看板を変えて引っ越しさせるという。現在放送中の「爆笑問題&霜降り明星のシンパイ賞!!」を、わざわざ打ち切ってだ。

「テレ朝は開局以来の悲願である年間視聴率3冠王を取るためには、日テレの週末を崩さなければならいと考え、戦略を練っていたのです。その最大の狙いが、人気・実力共にNo.1の上田さんでした。そのためには、爆笑も第7世代も不要ということでしょう。通常、レギュラー番組が終了することは、番組終了の3カ月前には出演者に伝えられます。つまり7月には、上田さんと所属事務所には、打ち切りが伝えられていたことになります。その改編情報を知ったテレ朝上層部は、『ぜひ、うちで新番組を願いします!』と声をかけたと聞きます。まだ番組企画も決まっていなかったそうです」

 テレ朝の戦略とは?

「特に日曜の19時台と20時台は、日テレの独壇場でしたからね。まず20時台の『世界の果てまでイッテQ!』には『ポツンと一軒家』を立ち上げて、日テレの牙城を崩し始めた。19時台の『ザ!鉄腕!DASH!!』には人気番組の『ナニコレ珍百景』を引っ越しさせて、日テレ視聴者の引き剥がしにかかりました。さらに夕方の『真相報道 バンキシャ!』に対して『相葉マナブ』、21時台はお家芸と言える報ステ系『サンデーステーション』まで新設し、日テレを少しずつ崩していって、昨年の年間視聴率で日テレは2冠に。プライム帯の1冠はテレ朝が奪った。そして今年は東京五輪の高視聴率で、テレ朝は勢いを増した。“今年、年間視聴率3冠王が取れなければ、もうチャンスはない!”と考えているようです」

 総仕上げが日曜夜10時というわけである。もっとも、テレ朝にも言い分があるかもしれないと慮る。

「テレ朝の『にゅーくりぃむ』は、04年にスタートした、くりぃむしちゅー初の冠番組『くりぃむナントカ』以来、『ソフトくりぃむ』『ゴリゴリくりぃむ』『ガリガリくりぃむ』『グリグリくりぃむ』『ギリギリくりぃむ』『くりぃむナンチャラ』という流れをくむ番組です。テレ朝としては、05年スタートの『おしゃれイズム』よりも歴史があるわけですから、彼らこそ“テレ朝ッ子”と言いたいのかもしれません」

 とはいえ、テレ朝の「くりぃむ」シリーズがゴールデン帯に進出したのは、「くりぃむナントカ」時代の半年間(08年3〜9月)のみで、数字が取れずに以後は深夜帯に戻った経緯がある。果たして今回の引っ越しは上手くいくのか。日テレとの仁義なき戦いの行方はどうなるのか、10月が楽しみだ。

デイリー新潮取材班

2021年9月11日 掲載