パクリ、パクられ

 TBSは8月27日、午後7時からバラエティ特番「THE鬼タイジ」を放送した。《人間VS鬼 究極のシューティングサバイバル第3弾!》──これが公式サイトに掲載された“宣伝文句”だ。

 ***

「昨年12月に初めて放送され、これまでに3回、オンエアされました。最新作は9月末に予定されています。銃で鬼をやっつけるか、鬼にやっつけられるかが見どころになっています。出演者はお笑い芸人や元アスリート、若い女性タレントなどをバランス良くキャスティングしていますね」

 ところが、Twitterで「THE鬼タイジ」を検索してみると、《パクリ》という指摘が少なくないのだ。

《あからさまに逃走中や戦闘中などのクロノスゲームをパクリ》、《TBS系にチャンネル回した私「なにこの逃走中のパクリ番組」》、《ぱっと見フジテレビ逃走中のパクリ》、《今TBSで放送してる、THE鬼タイジって番組観てるけど、フジテレビの逃走中のパクリじゃない?》

「Twitterで多く投稿されたのが、フジテレビが不定期に放送しているバラエティ番組『run for money 逃走中』、『battle for money 戦闘中』とそっくりだという指摘です。確かに敵から逃げる、敵を攻撃するという基本は全く一緒ですから、視聴者が既視感を覚えるのは当然でしょう」(同・記者)

姉妹番組!?

 民放キー局の関係者は「実は両番組とも、フジテレビの子会社が制作に携わっていたんです」と明かす。

「『逃走中』と『戦闘中』はFCCというフジテレビの子会社が参加しました。こちらはフジテレビの番組ですから全く不思議はありません。一方、TBSの『THE鬼タイジ』は同じフジテレビの子会社であるNEXTEPが初回と第2回の制作に関与しました。そのため、放送局は違うけれども、一種の“姉妹番組”のような状態になったのです」

 これだけでも相当に珍しいが、更に不思議な事態は続く。8月に放送された「THE鬼タイジ」はNEXTEPが抜け、大手制作会社のハウフルスがクレジットされたのだ。

「フジテレビの子会社が、別のキー局で似た番組を作るというのは非常に珍しいことです。ただ、その場合、同じフジテレビの子会社が作ったことで“パクリ”批判を免れるというメリットはあります。ところが同じ番組を、今度はフジテレビと無関係である制作会社の協力を得て作るとなると、パクリの批判に抗弁できなくなってしまいます。フジテレビからすると、心中穏やかではないのかもしれません」(同・関係者)

「勝てば官軍」のリアル

 テレビ業界がヒット番組のパクリを繰り返してきたのは間違いない。どの局も身に覚えがあるはずだ。

「最も有名なのが、TBSの『ザ・ベストテン』(1978〜1989)をパクった、日本テレビの『ザ・トップテン』(1981〜1986)でしょう。クイズ番組が当たれば、似たクイズ番組が乱立します。ローカルバスで旅をする番組が乱立しても、そのへんの事情を視聴者は分かってくれています。“パクリ”との批判は少ないのです。今回の『THE鬼タイジ』のようにSNSを中心に批判が集中したのは、意外に珍しいと思います」(同・関係者)

 結局のところ面白ければ勝ち、つまらなければ負けということのようだ。

「TBSの『THE鬼タイジ』がパクリと批判されたのも、フジの『逃走中』や『戦闘中』より面白くないと視聴者が判断したからかもしれません。TBSもパクリと批判されることは覚悟の上でチャレンジしたのだと思います。企画の内容はファミリー向けで、いわゆるコア視聴率が期待できます。TBSは数字が取れると思っていたのでしょう」(同・関係者)

 だが、ここまで恥も外聞もなく挑戦しても、それほどの視聴率は取れなかったようだ。果たして9月に放送予定の第4回は、どんな結果が待っているのか。

デイリー新潮取材班

2021年9月20日 掲載