突然の離婚発表からひと月あまり。久々に俳優の市村正親(72)がメディアの前に姿を見せたのは、8月23日に行われたミュージカル「オリバー!」の歌唱披露イベントの場だった。

「あれ以来、市村が記者との質疑に応じるのは初めて。それだけに、篠原涼子(48)との離婚に関するコメントを引き出す絶好の機会になると期待して、報道陣が大勢集まったんです」

 とは事情を知る関係者。

「加えてこの日はもう一つの目玉がありました。それは、このミュージカルで市村と篠原の長男・優汰(13)が初共演を果たすということ。市村はかねて“二人の息子との共演が夢”と公言してきました。当の子どもたちも、幼少期から何度も父の舞台を観ており、とくに“パパのような役者になりたい”と口にしてきた長男は、数年前から本格的にボイストレーニングやダンスレッスンを受けてきましたからね」

 市村は2018年に自身の一人舞台「市村座」に長男を出演させているが、ミュージカルでの共演は今回が初めてとなる。

「ところがイベントを仕切る司会者は、冒頭から“プライベートな質問は受け付けません”とアナウンスしてクギを刺した。これで記者たちは困ってしまった。市村の離婚話はやむなしとしても、長男との共演に関する質問でも、聞き方によっては“プライベートな質問”と見なされるのでは、というワケです」

 出鼻を挫かれた格好の取材陣。記者たちには、困惑の色が広がったという。

 市村父子が共演する「オリバー!」は英国の作家・ディケンズの「オリバー・ツイスト」が原作だ。孤児のオリバーが困難の果てに家族の愛を見つけるまでを描いた名作として知られる。

「子役のオーディションは4月に行われ、優汰くんは見事に合格。ところが割り当てられたのはオリバーのギャング仲間という役柄。父親が主演でも、過度な忖度はありませんでした」

 とはいえ、父子が望んだ夢の実現に変わりはない。主催者側としても本来なら大々的に宣伝するところだが、

「7月1日に送られてきた、公演情報の解禁を知らせるリリースには、最後の部分に“市村の長男も出演します”との一行が。取ってつけたような小さな扱いだったことから見落としたメディアも多く、実際、父子のミュージカル初共演をニュースとして報じたのは、とある演劇専門サイトだけ。ほとんど話題にはなりませんでした」(芸能記者)

 その背景を別の関係者がそっと明かす。

「市村と篠原の離婚発表は、7月24日でしたが、1年以上も前から別居していた二人は、少なくとも長男のオーディションでの合格が決まった春頃には離婚の意思を固めていた。確かに父子共演は恰好の話題作りの材料でしたが、いずれ二人の離婚が明らかになることを考えれば、まだ中学生の長男を宣伝に利用することは控えざるを得なかった」

 しかも、と続けて、

「市村と篠原は揃って円満離婚を強調し、篠原はこの舞台も観に来ると言っていた。ところが先月、篠原と14歳年下の韓国人アイドルとの不倫疑惑が明るみに出た。親のスキャンダルに子どもを巻き込むわけにはいきません。それで今後はできるだけ、長男のデビュー話には触れないことになったんです」

 会見の最後、市村には“息子さんと共演ですが?”との質問が。親指を立てて笑顔で“最高!”と答えた市村は、作品のテーマ「家族の愛」に浸れるだろうか。

「週刊新潮」2021年9月9日号 掲載