ホリプロの看板女優二人に“受難”が続いている。本来なら労(いたわ)りの声が上がるべき「コロナ入院」に対して、あらぬ批判が巻き起こり騒動へと発展。かと思えば、休養からのスピード復帰に祝福より“心配”の声が囁かれるなど、チグハグな展開に揺れ……。

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 女優の綾瀬はるか(36)が新型コロナウイルスに感染し「入院中」であると、所属事務所のホリプロが公表したのは8月31日。

 現在は症状が快方に向かい「退院している」(ホリプロ)が、今回の入院が“不運としか言いようのないタイミング”だったと話すのはスポーツ紙デスクだ。

「綾瀬は映画などの撮影が立て込んでいたことから、9月に1回目のワクチン接種を予定していた矢先の感染発覚でした。同じ9月には木村拓哉と共演する東映70周年を記念した時代劇映画の撮影が始まる予定だったこともあり、スケジュール調整に事務所は大わらわだったと聞きます」

 兆候は8月20日の発熱だったという。26日の検査で陽性が確認されると、綾瀬は自宅療養に移り、肺炎の症状が見られたことから入院。しかし、その事実が発表されると、ネット上では綾瀬への批判が噴出した。

 いわく、「上級国民の有名芸能人だから、すぐ入院できた」「大手芸能事務所の力を使って特別枠で入院した」など、綾瀬側が知名度やコネを使い“ズルして入院した”という、誹謗中傷が渦巻いたのである。

 ネット事情に詳しいITジャーナリストの井上トシユキ氏によれば、

「コロナ禍での不自由な生活に多くの人が鬱積した不満を抱え込んでおり、その捌(は)け口として今回、綾瀬さんがたまたま狙われただけ。陰謀論めいた話は論外として、そもそも看板女優の回復に向け、所属事務所が奔走するのは当然のことです。綾瀬さんに対する批判にはどれも根拠はありません」

 実際、東京都福祉保健局感染症対策部の担当課長によると、都内においては現在でも「コロナ患者は1日300〜400人程度が新規入院している」として、こう続ける。

「綾瀬さんと同じ中等症患者の例でいうと、8月28日に保健所などから“入院の必要あり”との報告があった183人のうち73人が入院。9月4日は同60人のうち38人が入院しました。これらの入院措置に際しては症状の程度などから優先順位が決められ、“芸能人だから”といった基準での措置適用はありません」

 一方的な妬みと憎悪を向けられた綾瀬はネット民の“生贄”に供されたようなもの。しかし恐ろしいのは、これまで好感度抜群だった綾瀬ですら、ひとたびネット上に横溢(おういつ)する負の感情の放出ターゲットになるや、為す術もなかった点だ。

「ネット民は次の獲物を見つければ、すぐに今回の騒動も忘れるので、彼女の芸能活動に及ぼす影響はほとんどない」(井上氏)

 それでも、綾瀬の憂慮は深い。

早すぎた復帰?

 綾瀬の入院騒動と入れ替わる形で、復帰を遂げたのが深田恭子(38)だ。9月2日、自身のインスタグラムを更新し、〈休養により、心と体も回復〉したと、活動再開を宣言。

 実際は「本人も楽しみにしていた8月末の来年度のカレンダー撮影で復帰」(ホリプロ)したという。

 深田が適応障害と診断され、休養を発表したのは5月26日。当時から10月に公開される主演映画「劇場版 ルパンの娘」の“プロモーションでカムバック”説が囁かれるなど、長期の休養を否定する声はあった。

 しかし、わずか3カ月での復帰にはさすがに驚きの声が多く上がる。

「休養発表時、“事務所が過密スケジュールを組んで働かせ過ぎたのが原因”との批判が起こりました。真偽は別として、復帰を急いで深田が再び体調を崩せば、またバッシングを浴びるのは確実。だから事務所はもう少し休ませたかったが、深田本人の意向で復帰が今回のタイミングになったといわれています」(前出・スポーツ紙デスク)

 業界内で囁かれる“本当にもう大丈夫なのか?”との声に対し、精神科医の和田秀樹氏はこう話す。

「適応障害とは、日常生活における特定の状況や環境にストレスを感じ、抑うつや不安感が高じて心身のバランスが崩れる病気をいいます。きちんとした治療プログラムを行えば、3カ月で治療が終了することもありますが、日本では1年以上かけて治療を行っていくのが主流。3カ月でどれほど回復したかを見極めるのは難しい面がある」

 一時的に症状が治まったと思っても、何かの拍子にストレスが掛かり、フラッシュバックして再発する可能性は残されているという。

 さらに芸能評論家の三杉武氏はこう指摘する。

「仕事をオファーする側には、まだ戸惑いがあるとも聞きます。ドラマや映画の撮影は拘束時間が長く、現場はハード。テレビなどの制作側は“完治した”との確証を得られるまで、しばらくは様子見の状態を続けるのではないか」

 深田の思いとは裏腹に、“完全復活”はまだ先か。

「週刊新潮」2021年9月16日号 掲載