10月改編の最大の目玉、朝の情報番組「THE TIME,」(月〜金曜・5:20〜)がいよいよスタートする。TBSのエースアナ安住紳一郎(金曜は香川照之)をMCに立てるとあって、同時間帯の勢力図がどう変わるのかが注目されている。各局の裏番組スタッフは固唾を呑んで見守っているそうだが、それ以上に不安を感じている番組があるという。同じTBSで続いて放送される「ラヴィット!」陣営だ。

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 果たして、「THE TIME,」はどれくらいの視聴率を取るのだろうか。民放プロデューサーに聞くと、

「フタを開けてみなければなんとも言えませんが、9月30日に終了する『あさチャン!』の世帯視聴率は3%前後(ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同)とずっと最下位でした。ですからそれ以上、下がることは考えられません。個人視聴率なら2倍は上がると見るテレビマンもいるほど、期待値の高さは相当なものです。あの安住アナを起用しているのですから、当初は5〜6%は取ってもらわなければ困るでしょうね。いずれは8〜10%、同時間帯でトップを取るという声も出ています」

 安住アナがMCなら、早起きしても見たいという視聴者も少なくないだろう。

「もっとも、4月改編では鳴り物入りでMCに就任した『ZIP!』(日本テレビ)の水卜麻美アナの場合、それほどうまくいっているとは言えません。MCの顔だけで1位を取れるほど簡単ではないのです。人気コーナーや他局との差別化、話題づくりがどれだけできるかが重要です」

「ラヴィット!」の視聴率も上がる

「『ZIP!』と『めざましテレビ』(フジテレビ)、『グッド!モーニング』(テレビ朝日)の3番組が混戦状態となっているところに、安住アナの『THE TIME,』が乗り込んでくるわけです。しかも6時スタートだった『あさチャン!』を40分も繰り上げてスタートするのですから、各局の裏番組スタッフは厄介な敵の参戦に頭を抱えているでしょう」

 さらに、「THE TIME,」は放送終了後に始まる8時台の情報番組にも影響を与えるという。

「一般的に言って、前の番組の高視聴率は、後ろの番組の数字も引き上げます。『THE TIME,』が高視聴率を上げた場合、その後の『ラヴィット!』にも好影響をもたらし、数字は上がっていくでしょう」

 TBSもそれを見込んで編成したようだ。10月改編説明会では、幹部たちが次のように発言していた。

瀬戸口克陽・編成局長:朝の戦いに打って出ます! 総力を挙げて、どうしても負けられない朝の戦いに勝ちきるために、TBSのエースアナウンサーである安住アナに出演していただくことになりました。

福田健太郎・編成部企画総括:「THE TIME,」でしっかりと、その日の1日の出来事、ニュースを見ていただいた上で、その後のバラエティテイストの番組を楽しく見ていただけたらと思います。

8時台の強敵

「早朝の情報・報道番組から生活情報番組へ繋ぐのは、05年にスタートした『みのもんたの朝ズバッ!』(5:30〜)から『はなまるマーケット』(8:30〜)へ繋いで、TBSが朝を征した頃を意識しているのかもしれません。『はなまる』が低迷した後は、ワイドショー路線に戻りましたがことごとく失敗したため、4月からニュースを一切扱わない『ラヴィット!』をスタートさせました。しかし、低視聴率で打ち切られた『グッとラック!』よりも数字が取れない状態となっていますからね。前の番組の数字を上げれば、『ラヴィット!』も上がると踏んだのでしょう」

 夢よもう一度、ということか。

「もっとも、『ラヴィット!』に朝の視聴習慣を変えるだけの需要があるかというと微妙なところです。民放は『THE TIME,』はじめ『ZIP!』『まざまし』『グッド!モーニング』はいずれも8時で終わり、一斉に次の番組へと引き継がれるわけです。『羽鳥慎一モーニングショー』(テレ朝)を筆頭に、加藤浩次の『スッキリ』(日テレ)、谷原章介の『めざまし8』(フジ)がしのぎを削っているのです。たとえ早朝の『THE TIME,』を見ても、そのままチャンネルを変えずに見る人がどのくらいいるのか」

差別化は完璧

 コロナと自民党総裁選ばかりが報じられる情報番組が多い中、人気スーパーのおすすめ商品やレトルト食品の紹介をしているバラエティ番組『ラヴィット!』は確かに異色だ。

「他局との差別化は見事にできている番組です。最近では、MCの麒麟・川島明によるオープニングトークや、パネラーがトークする尺も長くなってきました。占いコーナーを入れたり、クイズが大喜利スタイルとなり、川島が楽しめる場やバラエティのノリを強めているように感じます」

 もっとも、数字的にはそれほど成果は出ていないという。

「『THE TIME,』が始まっても、このまま低迷するようだったらどうしようという不安が広がっているそうです。『ラヴィット!』は確かに低視聴率でしたが、『あさチャン!』の数字も悪かったため悪目立ちはしなかった。『THE TIME,』が予想以上に好結果を出すようになれば、そうも言っていられません。8時にチャンネルを変えられ、『ラヴィット!』に変化がなければ、視聴者から番組を否定されたようなもの。1年半で打ち切られた『グッとラック!』のような結末もあるかもしれません」

デイリー新潮取材班

2021年9月30日 掲載