今さらながら、週1回とはいえ、なぜ俳優の香川照之(55)が朝の顔なのか――。いよいよスタートしたTBSの朝の情報番組「THE TIME,」だが、MCは月〜木曜が同局の安住紳一郎アナ(47)で、金曜のみ香川が担当する。淡と濃、涼と熱、爽と濁……正反対の組み合わせは、なぜ生まれたのだろうか。

 ***

 10月1日(金)の初回は安住アナと香川の2人が揃って登場したが、今後、安住アナは金曜日の出演予定はない。

「THE TIME,」は帯番組にもかかわらず、変則的なMC起用になったかといえば、安住アナがの月〜金曜日でMCを担当すると、土曜は「新・情報7daysニュースキャスター」、日曜はラジオ「安住紳一郎の日曜天国」の生放送があるため、休みがなくなってしまうからだ。そこで金曜日に大抜擢されたのが香川だった。

 デイリー新潮では「安住アナの新番組『THE TIME,』で香川照之もMC 関係者は『局アナで充分』」(7月5日配信)で、わざわざ香川を起用する必要がないという業界の声があることを紹介した。

 ところが、事情を知る関係者に言わせると、そこにはTBSの特別な事情があるという。

「もちろん、香川さんが上手くMCを務めてくれると思います。彼がMCと発表された際に、大きく報じられたくらいですから、話題性という観点から成功したと言ってもいい。もっともTBSの最大の狙いは、他にあるのです」

 彼を週1回、MCに起用することに、どんな意味があるのだろうか。

TBSのオファーは断らない

「ご存知の通り、香川さんは今やTBSのドラマには欠かすことのできない人気俳優です。特に13年7月期の日曜劇場『半沢直樹』で彼が演じた敵役、大和田暁の濃いキャラと土下座は、主役を喰うほどの印象を残し、大ブレイクしました。各局のドラマプロデューサーも彼をキャスティングしたがり、相当数のオファーが舞い込んだそうです」

 ところが、「半沢」以後、香川がTBS以外の連ドラに出演したのは、NHKの「スニッファー 嗅覚捜査官」(主演・阿部寛)のみなのである。

「香川さんは義理堅い人で、TBSに感謝しているのだそうです。ですから、他局には出なくても、TBSからオファーがあれば全て出演するという徹底ぶりなのです。TBSも他局に奪われないために『半沢』以降、とにかくたくさんのオファーを続けているのです」

 香川は、俳優になる前にTBSの緑山スタジオでアルバイトをしていたと語ったことがある。TBSとは浅からぬ縁があるようだ。ともあれ、彼は日曜劇場に毎年必ず出演しているのはもちろん、「LEADERS リーダーズ」(主演・佐藤浩市)、「MOZU」(主演・西島秀俊)、「赤めだか」(主演・二宮和也)といったTBSドラマにも出ている。

宣伝役も買って出る

 さらに今期の日曜劇場「日本沈没―希望のひと―」(主演・小栗旬)にも出演するから、「THE TIME,」では自ら番宣を買って出るに違いない。冬には日曜劇場の劇場版『99.9―刑事専門弁護士―THE MOVIE』も公開される。

「それでも他局は香川さんを諦めていません。特にTBSと視聴率2位を争い、王者日テレを追い越そうと躍起になっているテレビ朝日は、彼を主演に何度もオファーしてきたそうです。ようやく実現したのが昨年12月に放送されたスペシャルドラマ『当確師』でした。これを布石に連ドラ主演も狙っていたところに、週1回のMCが入ってはスケジュール的に難しくなります。香川さんには俳優の他に歌舞伎役者の顔もありますからね。実際、7月は歌舞伎に出突っ張りですから。テレ朝は相当悔しい思いをしていると思います」

 とはいえ、TBSだって、香川を主役に使ったのは日曜劇場「流星ワゴン」(西島秀俊とのW主演)くらいのものだ。

囲い込みのメリット

「『流星ワゴン』はそれほど数字がよくありませんでしたからね。香川さんも脇で光る役者を目指したのかもしれません。主役でないことや、1クール10本でドラマは終わってしまうこともあり、これだけTBSに貢献してもらっているのに、多額の出演料を支払うことができないのは悩みどころでもありました。今後もTBSの連ドラに出演し続けてもらうために、何か良い出演オファーはできないものか……そこで浮上したのが『THE TIME,』のMCでした。TBSの番組に出演している限り、ドラマのスケジュール調整もやりやすくなりますし、番宣もしやすくなる。メリットは計り知れません」

 まさに囲い込みである。繰り返しになるが、それだけでMCを任せてしまっていいのだろうか。

「香川さんは俳優、歌舞伎役者の他に、“昆虫博士”として『香川照之の昆虫すごいぜ!』(NHK Eテレ※不定期放送)では、着ぐるみを着たカマキリ先生として出演しています。昆虫の知識がハンパなく、溢れんばかりの熱の入れ様は、俳優としてのイメージが壊れるのではないかと心配するほど。それでも、彼の人気に陰りは見られず、子供から大人まで幅広い人気を保っています。なにより彼は東大出身で博学ですからね。TBS上層部はそこに目を付けて、MCに起用したのです。。彼の囲い込みに成功したことで、他局のドラマプロデューサーは驚き、編成の人たちは地団駄を踏んでいますね」

デイリー新潮取材班

2021年10月1日 掲載