人気女性アイドルグループ・乃木坂46の28枚目となる新曲『君に叱られた』が、9月22日の発売からわずか3日で57万枚を突破した。この曲で初めてセンターという大役を任されたのは、4期生の賀喜遥香。曲中の振り付けで見せるキャッチーな“ひらめきポーズ”をはじめ、メンバーやファンからも絶賛される笑顔が武器だが、ファン以外の人にとってはまだまだ無名の存在だろう。そこで今回は新センター・賀喜遥香の経歴や趣味嗜好を紹介しつつ、その魅力に迫っていきたい。

 2001年8月8日生まれの賀喜は、現在20歳である。坂道グループ初の栃木県出身だが、10歳までは出生地の大阪府で暮らしていた。栃木弁に加えて大阪弁が話せるのが特徴だ。身長166センチ、星座は獅子座、血液型はA型で、憧れの先輩メンバーは3期生の山下美月(22)。メンバーやファンからは“かっきー”や“かきちゃん”などのニックネームで呼ばれている。

 趣味はイラストを描くことで、ブログやウェブサイトではたびたびイラストを公開している。過去には本気でアニメーターを目指していたことがあるそうで、『乃木坂工事中』(以下、乃木中・毎週日曜・24:00〜)でもプロ顔負けの作品を披露している。今年4月に出演した『プレバト!!』(TBS系・毎週木曜19:00〜)では、『乃木中』MCであるバナナマンを描いた消しゴムはんこのイラストが評価され、才能ランキングで初挑戦ながら特待生に選ばれた。

 手先が器用なのも特長である。『乃木中』では折り紙の腕前も披露しており、人差し指の先にちょこんと乗る5mmほどの折り鶴を折っていた。2〜3mmくらいの大きさの発泡スチロールに顔を書いたこともある。

 アイドルになろうと思ったきっかけは18年、17歳のとき。何もない毎日を変えたいと思って坂道合同オーディションに応募したという。同年12月3日に日本武道館で行われた“乃木坂46 4期生お見立て会”で乃木坂46の4期生として正式にお披露目されたのである。

 そこから約7カ月後の19年7月15日には、グループの運営サイドから高い期待を寄せられることとなる。同年9月に発売される24thシングル『夜明けまで強がらなくていい』でシングル表題曲に初選抜されたのだ。しかも1列目のフロントメンバーという大抜擢だった。当初は「不安です」と困惑気味であったが、初代キャプテンの桜井玲香(27)のラストシングルだったこともあり、「桜井さんにも安心して卒業してもらえるように頑張ります」と力強く宣言する姿が実に印象的であった。

 8月5日から9月13日にかけては、『夜明けまで強がらなくていい』のプロモーション活動で、全国10カ所をひとりで訪問し、60本を超えるテレビ、ラジオ番組でPR活動を決行した(しかもグループは全国ツアー中だった)。8月5〜6日の大阪・滋賀・広島・愛媛、16日の愛知、9月3日の栃木、9日の福岡、そして12〜13日の宮城、福島、北海道と弾丸ツアーであった。最後の東北・北海道ブロックの1日目は宮城→福島→宮城という強行軍で、終始笑顔を絶やすことがなかった。

「賀喜ちゃんの笑顔で歌って踊っているところがすごい大好き」

 成長を最も大きく感じさせたのは、20年3月に発売された25thシングル『しあわせの保護色』に収録された4期生楽曲『I see…』でセンターを任されたことだろう。You Tubeで公開されたMVは現在2100万回を突破し、4期生単独で『ミュージックステーション』(毎週金曜・21:00〜)への出演も果たしている。乃木坂46の代表曲とも言える楽曲なのである。1期生の高山一実(27)いわく「賀喜ちゃんの笑顔で歌って踊っているところがすごい大好きだから」。

 シングル表題曲の選抜も初選抜された24枚目以降、全シングルで選抜入りを果たし、前作ではフロントメンバーを務めていた。“次世代エース”の呼び声はさらに高まるばかりだったのだ。そして満を持して今回のセンター大抜擢となったわけだ。

 4期生からは遠藤さくら(20)に続く2人目のセンター経験者となる。遠藤は27thシングル『ごめんねFingers crossed』でセンターを務め、賀喜は同期からバトンを渡された形となった。この2人は“かきさく”コンビとも呼ばれている。

 何より特徴的なのが、意思の強さを感じさせる“眉毛”だろう。本人的には小学校のときに「お前の眉毛45度」というあだ名でいじられたこともあり、お気に召していないようだが、これがパフォーマンスとなると話が変わる。「自分が引っ張っていくんだ」という力強さがあるのだ。頼もしいセンターなのである。

世代交代進む乃木坂

 4期生随一の歌唱力にも期待だ。4期生ライブでは『ガールズルール』や『インフルエンサー』などでもセンターを務めている。その歌唱力に注目が集まったのは19年5月に横浜アリーナで開催された初めての4期生ライブだった。そこでパフォーマンスされた『きっかけ』は一人ひとりが歌い繋いでいく演出で、大サビ前の高音パートを任されたのが賀喜だった。初お披露目からわずか半年。まだまだ初々しさが残る4期生にあって、彼女は伸びやかに、実に綺麗な歌声を響かせたのである。その歌声にぜひとも注目してほしい。

 今年8月21日に結成10周年を迎えた乃木坂46は、今作を含む全28枚のシングル表題曲のうち、実に22曲で1期生がセンターを務めてきた。だがこの1年間で発売されたシングルでは26枚目の『僕は僕を好きになる』では3期生の山下美月、続く前作で遠藤、そして28枚目で賀喜と新世代が台頭してきた。現在7人の1期もセンター経験者の生田絵梨花(24)や齋藤飛鳥(23)ら、まだまだ最前線で活躍を続けるメンバーばかりだが、今回の賀喜のセンター起用で確実に世代交代が進んでいる印象を強く受けた。

 今作『君に叱られた』はすでに多くの歌番組で披露され、毎回SNSなどで話題となっている。そのパフォーマンスの中心にいた賀喜が放った輝きはまばゆいばかりのものだった。日本を代表する女性アイドルグループの一員として今後さらにメディア露出が増えていき、アイドルファン以外の認知度も上がっていくに違いない。決して今回限りのセンターではなく、今後もセンターに立ち続けてグループを引っ張っていくことだろう。

上杉純也

デイリー新潮取材班編集

2021年10月8日 掲載