近頃、日本テレビの視聴率が落ちている。今年1月、10年連続3冠王を達成した日テレを、テレ朝が猛追しているというのだ。一体、何が起きているのか。

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 日テレ関係者が嘆く。

「今年度上期の最終週にあたる9月第5週の世帯視聴率で、テレビ朝日が3冠を獲得したんです。しかも月間(9月)の個人視聴率でも、テレ朝はプライム(19〜23時)で1位となりました。実は8月もテレ朝に取られていて、年度上期のプライム1位を明け渡してしまったのです」

 テレ朝は年配の視聴者に強いといわれる。世帯視聴率3冠はともかく、日テレが重視する個人視聴率で1冠を奪われるとは一大事だ。なにより今年1月4日、日本テレビは次のように発表していたのだから。

《おかげさまで日本テレビは、2020年年間個人視聴率(2019年12月30日〜2021年1月3日)で、10年連続、全日・プライム・ゴールデンの全3部門NO.1を獲得いたしました。》

 十年一昔とは言うものの、フジテレビと雌雄を争ったのも今は昔。10年間トップを続ける絶対王者・日テレの視聴率が落ちているのだ。

「実を言うと、日テレは昨年までは“6年連続年間視聴率3冠王”と言っていました。それは世帯視聴率のことでした。しかし、世帯視聴率では全日(6〜24時)とゴールデン(19〜22時)が1位だったものの、プライム(19〜23時)はテレ朝に敗れて2位となり、3冠王を名乗れなくなったんです」

10月に抜かれる?

 世帯視聴率では、すでにテレ朝が追い上げていたわけだ。

「それより、8月と9月のプライムの個人視聴率1位を奪われたことのほうがショックでしょうね。8月は日テレとしては盤石なはずの『24時間テレビ』もあったのに、史上最低に近い数字でした。年末の稼ぎ頭だった『笑ってはいけない』の制作も、今年は見送りが決定しました。一方、テレ朝はといえば、10月からはBIG3『相棒 Season20』『ドクターX〜外科医・大門未知子(第7シリーズ)』『科捜研の女(Season21)』がスタートします。ただでさえ、追いつかれつつあったのに、テレ朝は抜きにかかろうという勢いです」

 7月期で流れが変わったということだろうか。それが証拠に、4月期の視聴人数ランキングでは、上位10位までに日テレの番組が8番組もあったのだ。

視聴人数ランキング

1位:4月4日「日テレ系人気番組春のコラボSP!」日テレ
2位:4月6日「ザ!世界仰天ニュース4時間SP」日テレ
3位:4月11日「テレビ史を揺るがせた100の重大ニュース」TBS
3位:4月25日「行列のできる法律相談所20年目突入!SP」日テレ
5位:4月13日「踊る!さんま御殿!!春の3時間SP」日テレ
6位:4月5日「世界まる見え!テレビ特捜部3時間SP」日テレ
7位:5月5日「1周回って知らない話+今夜くらべてみました合体!芸能界の気になる3時間SP」日テレ
8位:3月30日「芸能人格付けチェックBASIC春の3時間スペシャル」テレ朝
9位:5月9日「お笑いオムニバスGP」フジ
10位:4月11日「世界の果てまでイッテQ!春の2時間拡大スペシャル」日テレ
10位:5月1日「どうぶつ園×授業×SHOWチャンネル土曜3番組が合体SP」日テレ

註:日本テレビホールディングスが発表した「21年度第1四半期 決算説明資料」より

進む日テレ離れ

「4月期の日テレの人気番組は、いずれも長寿バラエティの特番でした。今、それらの番組の数字が軒並み下がってきています。『イッテQ』からは手越祐也が抜け、イモトアヤコは妊娠中、『行列』からは宮迫博之、渡部建のMCがテレビから離れ、『SHOWチャンネル』はそもそも『嵐にしやがれ』の嵐の活動休止でできた後継番組、『志村どうぶつ園』は志村けんさんの急死、『さんま御殿』は飽きられつつある。そこに『スッキリ』ではアイヌ問題が追い打ちをかけ、今や日テレは満身創痍と言っていい状態です」

 なぜそんなことに?

「どんな人気番組であっても、それが永遠に続くことはありません。番組の視聴率の鍵を握るのは、エースディレクターと言っていい。しかし、日テレはわずか数人のエースに複数の番組を任せすぎました。エースたちは疲弊し、視聴者も似たような作りに飽きてくる。特に若い視聴者は引くのが早いですからね。そんな中、テレ朝ばかりでなく、フジテレビも大型番組『ラフ&ミュージック』が成功し、『鬼滅の刃』の放映権獲得で盛り返しを見せています。TBSも10月から始まった『日本沈没』は高視聴率を獲得するでしょうし、『THE TIME,』も話題になっています。一方で、日テレには話題になるものがないのです。テレ朝が追い上げたと言うよりも、“日テレ離れ”が進んでいるということなのかもしれません」

デイリー新潮取材班

2021年10月11日 掲載