「チョーヤ梅酒」や「イーデザイン損害保険」のCMで存在感を放つのが、女優・宮本茉由(26)である。今年に入ってからは「監察医 朝顔」(フジテレビ系)の第2シーズンを筆頭に「ボイスII110緊急指令室」(日本テレビ系)、「ドクターX〜外科医・大門美知子〜」(テレビ朝日系)と3作のドラマに出演した。今、旬の女優の一人である。

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「幼少期からクラシックバレエが好きだったのでお芝居に興味はありました。でもそれは、あくまでも映画を観るのが好きとか趣味の範囲の話です。だから、自分が今、ドラマに出て、画面で見ていた女優さんたちと共演しているのには驚いています」

 そう語る宮本の原点は、高校時代に友人と見たTGC(東京ガールズコレクション)だ。167センチの長身が目を引く彼女は、もともと女優ではなくモデル志望だった。

「ローラさんやトリンドル玲奈さん、山本美月さんが本当にキレイで、『あんな風になりたい』と漠然とした憧れは持っていました。それで大学3年生の2016年に開催された、『第1回ミス美しい20代コンテスト』に家族や友人の勧めもあって応募したんです」

 現在の所属事務所であるオスカープロモーションが主催し、ファッション誌の編集長らが審査員を務めるこのコンテストで、宮本の運命は大きく変わる。

「今のマネージャーさんが一次審査から審査員をしていたんですが、自己PRタイムで『モデルをやりたいです』と言ったら『君は女優顔だよ』と真顔で言われました。『落ちちゃったかな』と思ったら二次審査に呼ばれたのです」

初出演は「リーガルV」

 惜しくもグランプリの座を逃すも、宮本は審査員特別賞。これを機に雑誌CanCamの専属モデルを務め、その後、女優としてのキャリアをスタートさせた。初の出演は18年放送の「リーガルV〜元弁護士・小鳥遊翔子〜」(テレビ朝日)。米倉涼子(46)が演じる主人公の敵役の秘書という役どころだった。

「松田秀知監督が厳しくって。『何でそこに立ってるの?』『何でそういう風に写真を渡すの?』『その小道具が何で手元にあるか分かる?』と、役の行動のすべてに意味をもつよう、指導してくださいました。今でこそ当たり前だなとは思いますが、当時はモデルという静止画の世界しか知りませんでした。物語の文脈が存在する動画の世界では、ひとつひとつの動きに意味があるのだという、お芝居の基礎を学ばせていただきました。涙を流すシーンがあったんですけどうまく泣けず、帰り道の電車の中で悔しくて涙が止まらない……なんてこともありました」

 俳優としての“育ての親”ともいうべき松田監督だが、今年の9月にこの世を去った。

「成長した姿を見せて男泣きさせたかったんですけど、その機会がなくなったのは残念です」

印象深い女優は「米倉涼子」と、もうひとり…

 出演中のドラマ「ドクターX」では、米倉涼子と「リーガルV」以来の共演を果たした。

「3年ぶりの共演は嬉しかったです。撮影初日に米倉さんから『久しぶり!』って声を掛けて頂き、撮影の合間もフレンドリーにお話させて頂いています。撮影現場は手術などのシリアスなシーンが多い中、長時間の撮影を心配してくださり、米倉さんが肩回りに利くゴムのストレッチアイテムをプレゼントしてくださいました。本当は疲れているはずなのに撮影現場に良い雰囲気を作ってくださいます。私もそういう現場作りが出来る人間になりたいと思いました」

 心に残る女優を聞くと、米倉の名、そして真木よう子(39)の名を挙げる。

「『ボイスII 110緊急指令室』(21年放送)で共演させて頂いたのですが、真木さんはオンとオフの切り替えが早いんです。シリアスなシーンを演じたと思ったらメイクさんと笑っていたり。撮影の合間にも『何が好きなの?』、『趣味は?』と気さくに話しかけてくださり、常に周りにいる方を気遣っている姿を見て、そんな存在になりたいと感じました」

 そんな先輩たちの背中を追って、女優道をゆく宮本。来年には、映画初出演にして主演を演じる映画「鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽」が公開予定だ。太宰治の『斜陽』を原作とした作品で、クランクインが迫りつつある。

「映画に出るのが初めてなのに座長(主演)を務めて良いものなのか不安もありますが、今までご一緒させて頂いた先輩方の姿を思い出して頑張りたいです」

デイリー新潮編集部