10月から始まる「相棒season21」(テレビ朝日)。注目されていた新たな相棒には、初代の亀山薫(寺脇康文[60])が帰ってくることが発表された。初代相棒が帰ってくることで、「相棒」も大団円……なんて声もあるけれど、そこには設定上の問題がある。

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 3月に終了した「season20」では、「もう少し一緒にやりませんか?」と言う杉下右京(水谷豊[69])の引き留めを断り、4代目相棒の冠城亘(反町隆史[48])は警視庁を去った。

 その後、5代目相棒については様々な憶測が飛び交ったが、結局、初代・亀山の再登板で落ち着いた。民放プロデューサーは言う。

「制作の東映が最後のカードを切ったということでしょう。『相棒』もシリーズ化されて20年経ちました。熱心なファンは少なくありませんが、いくら人気シリーズとはいえ経年劣化は避けられません。視聴率的には、2代目相棒の神戸尊(及川光博[52])の『season9』(10〜11年)の平均20・4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)がピークで、前作の『season20』(21〜22年)は平均13・5%と近年では最低の成績でした。同様に、東映が制作している劇場版も、新作のたびに興行収入は落ちています」

 これまで「劇場版 相棒」は、歴代相棒ごとに1本ずつ作られてきた。

公開のたびに落ちる興行収入

【1】「絶体絶命! 42.195km 東京ビッグシティマラソン」
 公開:08年5月1日
 相棒:亀山薫(寺脇)
 興収:44・4億円

【2】「警視庁占拠! 特命係の一番長い夜」
 公開:10年12月23日
 相棒:神戸尊(及川)
 興収:31・8億円

【3】「巨大密室! 特命係 絶海の孤島へ」
 公開:14年4月26日公開
 相棒:甲斐享(成宮寛貴[39])
 興収:21・2億円

【4】「首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断」
 公開:17年2月11日公開
 相棒:冠城亘(反町)
 興収:19・2億円

「すでに20億円も切りましたからね。これ以上、興収が減ったら、ドル箱なんて言っていられません。ましてや、これまでに水谷豊が東映で監督した3作の映画は、いずれもヒットしていません」

 現在公開中の「太陽とボレロ」は、及川の元妻・檀れい(50)の映画初主演作だが、大入りとは聞かない。

「新たな相棒を立てたら、また劇場版を撮ることになるかもしれません。『相棒』の主役だからこそ、水谷さんの要望にも応えてきた東映ですが、彼も今年7月で70歳になる。もうそろそろ……ということだと思います」

 もっとも、右京さんと最も相性が良かった亀山の復帰を喜ぶ声は少なくない。

亀山の再採用はあるか

「初期からの『相棒』ファンにはたまらないでしょうね。ただ、亀山は警視庁を退職したはずです。警視庁の特命係にどうやって戻るんでしょうね」

 確かに亀山は「season7」の第9話(08年12月17日放送)で、親友の遺志を継いで南アジアで奉仕活動をするために退職している。休職していたわけではない。あれから14年、また警察学校からやり直すのだろうか。社会部記者に聞いた。

「実は警察は、団塊の世代の大量退職と、新卒採用が民間企業に押されたため、人材確保が厳しくなっているんです。そのため、07年の群馬県警を皮切りに、中途退職警官の再採用が各県警で始まりました。警視庁も16年度から再採用制度を取り入れています。もっとも、教養考査や実務論文、適性検査もあり、今年度(令和4年度)は採用予定人数が5名程度という狭き門です」

 直感は鋭いものの頭を使うことが苦手な亀山には、ハードルが高いかもしれない。

「受験資格も問題です。身体要件は問題ないでしょう。年齢要件には《昭和38年4月2日以降に生まれた人》とあります」

 亀山は1966(昭和41)年7月23日生まれ(一説には70年生まれとも)。いずれにしても、年齢は問題ない。

「他の条件は、警視庁における勤務経歴が《5年以上》で《退職して10年以内》である人です」

 亀山は5年以上勤務しているが、退職してすでに14年である。前出の民放プロデューサーは言う。

「何の説明もなしに『右京さん! 14年ぶりに帰ってきましたぁ』なんて亀山が言ったら変ですね。復帰するに当たっては、それなりの理由も考えなければならないでしょう。要注目です」

「season21」は初回から難題含みだ。

デイリー新潮編集部