好きな飲食店や好物の話を聞けば、その人の人となりが解るというもの。ゆえに「名は体を表す」ならぬ、「食は体を表す」なのである 。この企画では、外国籍の著名人の方々にご登場頂き、行きつけのお店をご紹介してもらいます! 意外なお店のチョイスに驚くこと必至! 彼らの食に対する感性と経験が垣間見えちゃうんです。第55回は、G・M・ナイルさん。今回は「イル・ポッツォ・ホリイ」に伺いました!!

 創業1949年、日本初の本格インド料理店として、今でも人々を魅了し続ける東京・銀座の「ナイルレストラン」。インド独立運動家の父、A・M・ナイルが始めた店を継ぎ、2代目店主として店を切り盛りしたのがG・M・ナイルさんです。“インド人タレント”としてお茶の間の人気者ともなりました。名物「ムルギーランチ」など、自身の店では伝統の味を守りぬくナイルさん、プライベートでは何を食べているのか気になります――。

「飲み屋についてはいくらでもウソ八百を並べるけど、食いもの屋のお世辞は言わないよ」

 そう豪語するナイルさんが案内してくれたのは、文京区は白山にある「イル・ポッツォ・ホリイ」。

「見た目は和風なんだけど、“一応”イタリアン。“一応”というのは、食べてみたらわかるけど、目からウロコが落ちるほどユニークな料理が出てくるから。店主の堀井君も料理に自信があるんだよね。“おいしくないかも”なんて気持ちで出されたらおいしいわけないよ」

 斯界の重鎮がそう太鼓判を押すのだから、期待せずにはいられない。

 さっそく登場したのは、「夏野菜のゼリーよせ」。ジュンサイや枝豆、とうもろこしを、カツオ出汁のきいたゼリーがまとめあげる逸品です。「モッツァレラチーズのオーブン焼き」と「カニみそのグラタン」、「タラモと真蛸のマリネ」は、パンにつけて食べると手が止まらないし、「アナゴのガーリックバター焼き」も箸が止まらない。この日は「ボロネーゼ」で締めくくりです。

「唯一の欠点は、なかなか予約できないこと。堀井君と結婚して、毎日手料理食べたいね」

 白ワインとご馳走に上機嫌のナイルさん、今年でなんと76歳。元気の秘密は、美食で決まり?

「週刊新潮」2020年9月10日号 掲載