好きな飲食店や好物の話を聞けば、その人の人となりが解るというもの。ゆえに「名は体を表す」ならぬ、「食は体を表す」なのである 。この企画では、外国籍の著名人の方々にご登場頂き、行きつけのお店をご紹介してもらいます! 意外なお店のチョイスに驚くこと必至! 彼らの食に対する感性と経験が垣間見えちゃうんです。第61回は、金慶珠(キムキョンジュ)さん、周来友さん。今回は「酒亭 二軒茶屋」に伺いました!!

 中国出身のジャーナリスト、周来友さんが足繁く通う小料理屋が、下北沢にあるという。

「料理がおいしいのはもちろんですが、京都出身の名物姉妹がやっていて、人生の大先輩であるお二人に、京都弁で叱ってもらいにくるんですよ」(周さん)

 結構なお心がけで。そして、

「いつも元気な金慶珠さんをここに連れてきたらおもしろいんじゃないかと思うんですよ。おばあちゃんたちになんて叱られるか、ね」(周さん)

 ということで、やってきました「二軒茶屋」。実は金さんにとって、下北沢は特別な街なのだという。

「駒場の東大大学院に通っていると、遊ぶ街は渋谷か下北の二択。わたしは圧倒的に下北派でした。渋谷とちがって、大人の文化も入り混じってるのが魅力的。でも、こういう店に来るのは勇気がいりますね。背筋をピンとのばさないといけないような」(金さん)

 リラックスするには、乾杯が一番。酒を酌み交わせば、たちまち談論風発に。10年ほど前から討論バラエティ番組で共演してきた両氏の話題は、コロナ禍での国際情勢から不動産事情など、はじめこそお堅いものだったが、やがて“男性運がない”という金さんの恋愛相談の趣きを呈してきた。姉妹に“男前と性格とカネ、なにを優先するんや?”と問われると、

「去年までは男前だったけど、今は性格かなあ」(金さん)

 とぽつり。すかさず大先輩から“カネが一番やで”とありがたいお言葉。叱られるどころか「キレイやん」と褒められて、金さんも「ここでお金持ち紹介してもらおうかな」なんて、すっかり寛いだご様子。

 一品料理は逸品ばかり。この日は「ししゃもの南蛮漬」「玉子焼」「人参のマリネ」「牛ロースのあみ焼」「レタスのおひたし」などを注文、どれもシンプルながら、お酒のお供としては理想的。ああ、シモキタの夜は更ける――。

「週刊新潮」2020年10月22日号 掲載