44億円を超える規模

 秋篠宮家の次女・佳子さまが新型コロナウイルスに感染していることがわかった。9月28日まで静養されるという。一方で秋篠宮家をめぐっては、「佳子さまの別居」問題の沈静化が喫緊の課題なのだという。宮内庁としても対応が難しい案件が存在しているわけだが、そんな中、「次の段階」への目配りも必要になっているというのだ。

 これまでの経緯を振り返っておこう。

 秋篠宮さまが皇位継承順位1位の皇嗣となられ、職員数などが増えることに伴って秋篠宮邸が改修されることなり、改修が2020年3月にスタート。改修中の仮の住まい(現・分室)は2019年2月に約9億8000万円で完成し、ご一家はそこで生活されてきた。宮邸の改修費は当初の予算から膨らんで約34億6000万円で、仮の住まいと合わせて44億円を超える予算規模となった。

 宮邸は2022年9月に完成し、今年3月にご一家が引っ越されたが、佳子さまはそのまま仮の住まいで生活を続けられることになった。

紀子さまの文書回答も

 昨年から、佳子さまは仮の住まいにとどまられるのではないかとの噂が飛び交い、今年に入って実際にそういった報道があったが、6月30日になって秋篠宮家を担当する皇嗣職トップ・加地隆治大夫が定例会見で、「佳子さまだけが引っ越されていない」ことを認めた。

 その後、9月11日に57歳を迎えられた紀子さまも記者からの質問に文書回答され、一連の「別居」問題に思いを綴られた。

「当然と言えば当然ですが、紀子さまの説明は加地氏の説明をなぞるものでした。もともと秋篠宮ご夫妻は一連のプロジェクトに関してできる限り予算をかけないようにとの思いでいらっしゃったとのことです。実際に予算が膨らんでいく中で、それならばということで、眞子さんと佳子さまの私室を作らない決断をされたという説明で、あくまでも経費カットを理由とされていました。ただ、その結果、どれくらいの経費が浮くのかなどについての言及はありませんでした」(同)

膨張するように見える工事費用

「その後も、分室内の間取りを変更したり、すでに決まっていた分室の電気設備工事にコンセントや屋外への照明器具の追加をしたり、秋篠宮家のために働く皇嗣職が使用するスペースを新たに建設したりする工事が発生しています。元々、分室は皇嗣職職員の事務スペースとして使われる予定だったわけですが、佳子さまがそこで生活されることによって、事務スペースが足りず、他で確保することにしたと見られても不思議ではないでしょう」(同)

 宮内庁側が説明を重ねても問題が沈静化しないのはどうしてなのか?

「一連の工事費用はすべて税金から支出されるわけですが、国民のあいだでその使い道への厳しい視線があるように感じます。これは皇室に限ったことではありませんが、タイムリーで細かな説明が求められるところなのかもしれません」(同)

 そもそも、昨年から「佳子さまの別居」が噂され、今年の6月になってようやく公表された背景には、「外部からの宮内庁への抗議の多さ」があったとされる。

電撃婚の行方

「そういった抗議があったからというわけではありませんが、国民の声には敏感にならざるを得ないでしょう。そのため、ここ最近も、佳子さまのご結婚についても想定しながらかなり目配りをしているようです」(同)

 佳子さまは今年12月の誕生日で29歳を迎えられる。姉の眞子さんが30歳で結婚されたことを踏まえれば、「そろそろ」と見る人がいても全く不思議ではないだろう。

「言うまでもなくとてもおめでたいことなのですが、それをまた工事のことと結びつけて批判する向きがいないとも限りません」(同)

 眞子さんの婚約発表以降、何か動きや説明があるたびに、ツッコミのような声が上がったり、宮内庁に抗議が寄せられたり、という負のサイクルに近いものが生れてしまっている。ネット時代の世論の変化に対応が追い付いていないという面もあるのだろう。それだけに宮内庁は早い段階であらゆる可能性をシミュレートする必要があるということのようだ。

デイリー新潮編集部