1月22日、日本オリンピック委員会(JOC)とマスコミとの新年懇親会が開催された。

 場所は、JOC事務局にほど近い原宿の高級中華料理店。年初の理事会開催日の夜に催される恒例行事で、場所もここ数年同じだ。出席者によると、JOC側は理事や職員、顧問弁護士などの関係者、マスコミは新聞社、テレビ、ラジオの担当者で、総勢200名ほどが列席した。上座は竹田恒和JOC会長(71)をNHKベテラン記者ら重鎮が囲む円卓で、社の序列、記者の経験年数ごとにグループ分けされ、下座は若手や新人が占める。会費は1人5千円だった。

 会は、竹田会長の新年の挨拶から始まった。2019年は元号が代わり新しい天皇をお迎えする、東京五輪前年でスポーツ界にとっては大切な年である云々、とどこにでもありそうな挨拶を終えた竹田会長は、一旦壇上から下りたところで思い出したかのように再び壇上に立つと、

「もう一言、言わせてください」

 そして、先日の記者会見では皆様のご質問をお受けできませんでした、フランス当局が捜査中のためどうかご理解ください、などと釈明した。

 続いて、マスコミ側幹事の毎日新聞キャップが壇上へ。今年もよろしくといった挨拶の後、この会は長年にわたり先輩たちが築いてきた大切な会だが、今回とある社が出席を辞退されたことを我々は重く受け止めなければいけない、竹田会長の会見は誠に遺憾、と応じた。

 出席を辞退した社――それは朝日新聞社だった。

アメフトもボクシングも

 件の記者会見が行われたのは1月15日。仏紙が“竹田会長を贈賄容疑で捜査へ”と報じたことを受けての会見だったが、竹田会長はメモを読み上げただけで質疑応答を拒否。わずか7分で終わり、集められた記者たちからは非難の声が噴出した。

「“来週の懇親会を朝日はボイコットするらしい”との噂が出回ったのは、会見の数日後のことでした」

 と明かすのは某テレビ局関係者。

「朝日のボイコットは、正義のヒーローを気取っているようで鼻には付きますけど、筋は通っています。幹事の間でも“そもそも懇親会を中止すべきでは”という意見が出たそうですし、各社、出るか出ないか悩んでいました。結局、きちんと会費を払うし、接待を受けるわけでもない、何ら後ろめたくはない、ということで多くの社が参加に踏み切りました。そこで竹田さんが何か言うかも、という下心もありました」

 ボイコットした朝日も、参加を決めた各社も、彼らなりに考えた結果だった。

 それにひきかえノー天気なのは、つい1週間前に記者たちの顰蹙を買いながら、ノコノコと酒席にしゃしゃり出てきた竹田会長である。

「竹田さんはこの1年、何を見てきたんでしょうね」

 と、スポーツ紙デスクが呆れる。

「昨年世間を騒がせた危険タックル事件では、監督の記者会見で質問が一方的に打ち切られたことにより、日大アメフト部の悪辣さが一気に世間に広まりました。日本ボクシング連盟のパワハラ問題のときも、山根明前会長は質問を受け付けず、ほどなく辞任に追い込まれています。JOCは、彼らを統括し指導する立場なのですが……」

“厚顔無恥”という競技があれば金メダル間違いなし。

「週刊新潮」2019年2月7日号 掲載