御代を跨いだ皇族の難題といえば、秋篠宮家の長女・眞子さまと「婚約内定者」小室圭さんの一件である。早急な解決が望まれる中、令和初の公式会見で秋篠宮殿下は思いを語られたが、どうしても隠せなかった本音は、事の深刻さをよりいっそう露わにしてしまい……。

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 御簾の向うの出来事だけに、我々は見守ることしかできない。新しい御代を迎えても、多くの国民が抱える鬱積は晴れないままだ。

 6月21日、東京・元赤坂にある赤坂東邸での会見は、秋篠宮ご夫妻が6月27日から令和初の外国訪問に臨まれるにあたって行われた。記者団からは、ご婚約が延期となった長女・眞子さまと小室圭さんのご結婚の行方について質問が飛び出し、両殿下のお答えに注目が集まったのは言うまでもない。

 まず秋篠宮殿下は、

〈娘の結婚の見通しについてですけど、それについては私は娘から話を聞いておりませんので、どのように今なっているのか、考えているのかということは、私は分かりません〉

 続けて、同様の質問をされた紀子妃殿下はといえば、

〈(秋篠宮さまと)同じでございます〉

 と応じられるのみ。事態に進展がないことを、言葉少なに述べられるにとどまった。

 皇室担当記者によれば、

「昨年11月、誕生日会見で秋篠宮殿下は、小室さんの母親と元婚約者の間で起きた金銭トラブルに対して、『それ相応の対応をするべき』だと苦言を呈された。沈黙を続けていた小室さんは、今年1月になって“金銭問題は解決済”との文書を出しましたが、世論の理解を得られていません」

 そこで、記者団からは11月から今日に至るまで、小室さんや眞子さまの方から何か連絡や話はあったのか、との質問も出た。

 当の殿下はこう答えられた。

〈おそらく何かをしているのではないかというふうに思いますけれど、そのことについて、どのようなことを、具体的なこと等については私は存じません〉

 片や妃殿下は無言のままで会見は幕を閉じてしまう。

 これに先立つ5月、紀子さまは眞子さまと1泊2日の旅程で京都・大聖寺の茶会に参加されていた。普段は悠仁さまとお出かけになることが多い紀子さまが、お2人だけで地方へと足を運ばれるのは珍しいこと。問題解決に向けての雪解けが期待されたが、その成果が披露されることはなかったのだ。

“炎上会見”

「今回の会見で、眞子さまと小室さんに関して二つのことが明白になりました」

 と話すのは、日本テレビ系「皇室日記」で長年キャスターを務めた、皇室ジャーナリストの久能靖氏だ。

「ひとつは、かねてより囁(ささや)かれていた秋篠宮さま親子の断絶が、噂だけでなく現実だったということがハッキリとした。眞子さまから何も聞いていないということは、京都へのご旅行も含めて、この件について親子間で会話がないということに等しいと思います。もうひとつ明らかになったのは、小室家から具体的な連絡がなく解決の目途がたっていないことです。婚約延期の期限は来年の春ごろ。4月には立皇嗣の礼があります。それまでにきちんと解決したいとのお気持ちが殿下にはある筈ですが、どうしたらいいか分からなくなっておられるのでは」

 実際、会見翌日の各紙は、

〈秋篠宮さま「娘から聞いていない」〉(読売新聞)

〈眞子さま結婚「分からない」〉(日本経済新聞)

〈紀子さま「同じでございます」〉(日刊スポーツ)

 との見出しをつけて報じた。これを受けて、日頃は何かと小室家サイドに手厳しいネット世論が一転、

〈子を持つ親としての責任を放棄したのか〉

〈まるで他人事では〉

 などとご夫妻に対する批判的な声が上がり、コメントの数も数千レベルに増え続け、“炎上会見”の様相を呈してしまったのだ。

 この有様を斯界のプロたちはどう見たのか。

 企業の広報対応や危機管理コンサルティングを行う株式会社エイレックスの江良俊郎社長に訊(き)くと、

「一般論として、会見では発言の目的を端的に示す『キーメッセージ』を意識することが重要です。報道される際、それが記事の見出しにくれば会見は成功と言えます。そういった意味で、今回の秋篠宮殿下は、ご自身の率直な発言が見出しになってしまうことを、どこまで意図されていたのでしょうか。国民の関心事である重大な問いへの回答としては、少々練り込みが足りない印象を受けました」

 会見にあたり新聞・テレビ各社で構成される宮内記者会は、質問事項を2週間以上前に作成して、事前に宮内庁へ提出していた。

 つまり、両殿下には十分に質問を吟味し、回答を熟慮される時間があったにもかかわらず、なのである。

本音が勝ってしまった…

 組織のリスクマネージメントが専門で、広報コンサルタントの石川慶子氏は、

「ご結婚の騒動で、秋篠宮家は今まさにクライシスの渦中にある。そうした状況では、ダメージを最小限に抑える言葉が必要です。殿下や紀子さまの言葉だけみると、少し冷たく見えてしまうのは否めません。娘に向けた愛情やいたわりの気持ちが、国民にとっても感じられると良かったのにと思います」

 石川氏はこう続ける。

「皇族に限らず、結婚問題とはナイーブなものですし、すぐ解決できるものではありません。親子関係に悩む人も多い昨今、紀子さまのお母様としての慈しみの言葉があれば、同じ境遇にある人々も励まされ、ご一家を応援したいという声も出てくる。そうした国民の期待に寄り添うことよりも、今回はご夫妻の本音が少し勝ってしまった印象です」

 振り返れば、ご婚約の延期が発表された際、美智子上皇后は秋篠宮家について、

〈新しい時代は東宮がおらず、その中で皇嗣の重要性というのは、想像できないほど大きいものです〉

 と口にされ、眞子さまのご結婚について憂慮されたことは本誌(「週刊新潮」)既報のとおり。会見が炎上した皇嗣家の危機管理を耳にされて、なおのことお嘆きになることは想像に難くない。

 天皇に次ぐナンバー2の皇嗣家となられた秋篠宮さまは、より一層国民の期待を集め、その役割がますます重要となっているのだが、重責がご負担になっているのだろうか。

 令和に入って、こんな出来事もあったと話すのは、さる皇室ジャーナリストだ。

「トランプ大統領が来日し、皇居で令和初の宮中晩餐会が開かれた際のこと。天皇皇后両陛下をはじめ参列する皇族方の車は乾門から続々と入るので、そのお姿を捉えようと報道陣がカメラを構えていたのですが、秋篠宮さまご夫妻は半蔵門から入ってしまわれた。立ち会いの侍従も首を傾げていました」

 騒動の渦中にあって、国民の目に触れることを控えておられるのかと、集まった記者たちの間で話題になったというのである。

「週刊新潮」2019年7月4日号 掲載