天皇皇后両陛下と愛子さまは8月1日、揃って須崎御用邸でご静養に入られた。

「伊豆急下田駅にご到着後は、お出迎えの市民と30分にわたって交流なさいました。愛子さまも、汗をかきながら精一杯笑顔を振りまかれていた。ややふっくらされたご様子でしたが“(休み明けの)試験頑張ってください”と声を掛けられ“ありがとうございます”と元気に答えておられました」(宮内庁担当記者)

 そんな愛子さまに関係する穏やかならざる記事が「読売新聞」朝刊1面に載ったのは7月27日。週刊新潮8月8日号でもお伝えしたが、かねて懸案だった「皇位継承の安定」を確保すべく、秋以降に安倍政権が有識者会議を設置するものの、現在の皇位継承順位は変更しないとの「方針」を決めて臨むという内容であった。すなわち「皇統に属する男系男子が皇位を継承する」と定めた皇室典範には、手を付けないというわけだ。

 読売が報じた後、各社の後追いもあって政権の「意向」は広く世に知られることとなったのだが、その一方で現在、報道機関の世論調査では「女性天皇に賛成」が軒並み80%に迫る勢いで、世間の動向に敏感な政権にとって大きな“脅威”となっている。

 宮内庁関係者が言う。

「有識者会議を設けて議論する前に、最初から男系男子維持で決まっているのだから、庁内では『順番が逆ではないか』との声が出ています。それでは筋が通らないからと政権は“愛子さまと悠仁さまで世論が二分されるといけない”などと、取って付けたような理由を持ち出しているのでしょう。第一、8割の民意を無視して進められるのかという疑問があります。現時点で宮内庁は何も言う立場にありませんが、今後、政府からの問い合わせなどあれば、何らかの意見表明はせざるを得ないでしょう」

 何となれば女性天皇、すなわち「愛子天皇」の誕生は、他ならぬ上皇さまの“ご意向”であるからだという。『天皇の憂鬱』(新潮新書)の著者であるノンフィクション作家の奥野修司氏が明かす。

「3年前、ある宮内庁の関係者から『陛下(当時)は“将来は愛子に天皇になってほしい。そのための議論を早く進めてほしい”と仰っている』と聞かされました。迷われている時は決して周囲に漏らさず、熟考され決意なさった上で上皇陛下はお話しになったはずで、現在もそのお気持ちに変わりはないと思います」

上皇陛下の重いひとこと

 かつて野田政権時代、「女性宮家」構想が現実味を帯びたことがあった。が、2012年末に政権交代が起こり、議論は立ち消えに。先の宮内庁関係者は、

「そもそも女性宮家の創設自体も、他ならぬ上皇陛下と上皇后さまの強いご意向でした。そのお考えにもとづき、すでに皇室内では“範囲は内親王(愛子さま、眞子さま、佳子さま)までとする”といったコンセンサスも得られていたのですが、それも政権交代で誕生した安倍内閣によって“無”とされたのです」

 安倍政権においては“女性宮家は将来の女性・女系天皇容認に繋がる”との危機感が根強く、その入り口とされる構想が先に進むはずはなかったのだが、

「上皇ご夫妻が確立された二人三脚での“平成流”ご公務は、ご在位中から多くの国民の共感を得て現在に至ります。これまで上皇陛下と上皇后さまは、大事なことはじっくりとお話し合いになり、結論が出たのちはご意思の共有を密にしてこられました。それはご公務に限らず、例えば13年秋に明かされた『葬儀は火葬で』というご意向ひとつとっても明らか。愛子さまを天皇に、という上皇陛下のお気持ちを、上皇后さまがともにされているのは疑うべくもありません」(同)

 皇室の行く末をひたすら案じ、熟慮を重ねた末にお考えを漏らされた上皇ご夫妻。その思いは今、政権によって「封印」されつつあるのだが、

「皇位継承順位1位と2位の男性皇族を擁する秋篠宮家は目下、ご難続きであられます。上皇陛下は眞子さまと小室さんとの一連の騒動について『教育というのは、やはり大事ですね』と漏らされていました」

 とは、侍従職関係者。

「眞子さまのみならず、大学ご卒業の際に“公より私を優先されている”と疑問の声が上がった佳子さま、そして何より、そのような環境でお育ちになる悠仁さまの帝王教育は如何なるのか、そうした思いが全て込められているかのような、重い『おことば』でした」

 そうしたご憂慮が広く国民にも伝播し、「愛子天皇」を待ち望む人が8割にも達するのか――。

「週刊新潮」2019年8月15・22日号 掲載