天皇陛下のご即位に伴う一連の儀式に、警視庁は万全の警備で臨む。とはいえ、心配の種は尽きない。たとえば、6代目山口組と神戸山口組の“抗争状態”もその一つ。仮に、即位の礼の当日に発砲事件でも起きれば、祝賀ムードも吹き飛ぶことになる。

 警察は威信をかけて安全確保に努めたい。が、その一方で22日に向けた警備に全国の警察官を動員すれば、各地で人員が手薄になり、暴力団の監視や事件捜査に支障をきたすのではないか。

 この点、さる捜査関係者によると、

「動員される警察官は、警視庁管内からが全体の3分の1を占めますが、警備部が主で、他は交通部などから選抜される予定です。つまり、殺人事件や組織犯罪を担当する刑事部の捜査員はほとんど呼ばれないので心配はいりません」

 とのこと。加えて、

「昔から、社会的に重要な行事の期間中は、暴力団も抗争を控える傾向にありました。80年代に山口組と一和会で起きた山一抗争では、『ユニバーシアード神戸大会』(85年)を理由に休戦が宣言された例がありますし、16年の伊勢志摩サミットの時も、6代目山口組はトラブルを起こすなという通達を出しています」

 暴力団に詳しいジャーナリストも、こう指摘する。

「今年2月には住吉会や稲川会など関東の暴力団6団体が加盟する関東親睦会が、“東京五輪に向けて銃器の使用の自重を要請”するという内容の通達を加盟組織に出しています。また、3月には神戸山口組が同様の趣旨の通達を傘下の組員に伝達している。やくざの事務所に神棚がよくあることからも分かるように、彼らは神事を重んじる。神道と深い関わりを持つ皇室に対しても、日頃から敬意を払っているのです」

 ただし、と付け加えて、

「22日が過ぎれば、6代目と神戸の間で再び銃声が響く可能性は否定できません」

 華やかな式典の裏で、もう一つの“闇の式次第”が作り出されないとも限らないのだ。

「週刊新潮」2019年10月24日号 掲載